遅々として進まぬ「白鯨」原書の精読だが、ようやく3分の1くらいまでたどり着いた。モービー・ディックの言葉がやっと登場。
But in each event---in the living act, the undoubted deed---there, some unknown but still reasoning thing puts forth the mouldings of its features from behind the unreasoning mask. If man will strike, strike through the mask!(36章)
うむ、「非理性的な仮面」の背後に「理性的なもの」を直観するエイハブ船長は、今更いうまでもなく正統派プラトン主義者なのである。
From with little external to constrain us, the innermost necessities in our being, these still drive us on.(同上)
モービー・ディック、あるいは「むき出しの表現」「自然・生命そのもの」は、the innermost necessities(我々の「深奥なる必然」)と同様、理性=エイハブに敵対するものなのである。
ちなみに、「白鯨」を傑作と賞賛する作家の一人であるアルベール・カミュは、おそらく、モービー・ディックと戦うエイハブ船長を、悪=ペストと戦う「ペスト」の主人公のモデルとしたのだろうと、とバーディーは勝手に推測する。
Gifted with the high perception, I lack the low, enjoying power; damned, most subtly and most malignantly! damned in the midst of Paradise!(37章)
モービー・ディックを見たものは、もはやこの世のどんな低俗な楽しみにも心惹かれず、「楽園のさなかにありて呪われた者」と化してしまう。
・・・エイハブはこのままだと、あれほど憎んでいた「生命」「不合理」の世界へと跳躍しはしまいか?
But in each event---in the living act, the undoubted deed---there, some unknown but still reasoning thing puts forth the mouldings of its features from behind the unreasoning mask. If man will strike, strike through the mask!(36章)
うむ、「非理性的な仮面」の背後に「理性的なもの」を直観するエイハブ船長は、今更いうまでもなく正統派プラトン主義者なのである。
From with little external to constrain us, the innermost necessities in our being, these still drive us on.(同上)
モービー・ディック、あるいは「むき出しの表現」「自然・生命そのもの」は、the innermost necessities(我々の「深奥なる必然」)と同様、理性=エイハブに敵対するものなのである。
ちなみに、「白鯨」を傑作と賞賛する作家の一人であるアルベール・カミュは、おそらく、モービー・ディックと戦うエイハブ船長を、悪=ペストと戦う「ペスト」の主人公のモデルとしたのだろうと、とバーディーは勝手に推測する。
Gifted with the high perception, I lack the low, enjoying power; damned, most subtly and most malignantly! damned in the midst of Paradise!(37章)
モービー・ディックを見たものは、もはやこの世のどんな低俗な楽しみにも心惹かれず、「楽園のさなかにありて呪われた者」と化してしまう。
・・・エイハブはこのままだと、あれほど憎んでいた「生命」「不合理」の世界へと跳躍しはしまいか?