若者の就職難が社会問題化して久しいが、夏目漱石が作家としてデビューしたころも、実は若者の就職難は指摘されていた。「道楽と職業」では、帝大卒の秀才がどこにも就職できないのを嘆くくだりがある。
当時は、職業が余りにも細分化されたために、有能なジェネラリスト候補に対する需要が乏しかったということである。漱石は「専門化」が進むことによる弊害、つまり、「専門馬鹿」だけが社会にあふれる状況を予言しているが、まさしくその通りになってしまった。
ところで、少子高齢化により日本経済は間違いなく衰退に向かうと思われるが、その過程で、今度は「脱専門化」の動きが生じるのではないかと思う。需要のバラエティが減少するのは必至であり、そうなると、職業の専門分化の意義が希薄化するからである。
もしこの予測が当たるとすれば、将来的には、複数の専門領域を持つ人間が勝ち残りやすいということになるかもしれない。
当時は、職業が余りにも細分化されたために、有能なジェネラリスト候補に対する需要が乏しかったということである。漱石は「専門化」が進むことによる弊害、つまり、「専門馬鹿」だけが社会にあふれる状況を予言しているが、まさしくその通りになってしまった。
ところで、少子高齢化により日本経済は間違いなく衰退に向かうと思われるが、その過程で、今度は「脱専門化」の動きが生じるのではないかと思う。需要のバラエティが減少するのは必至であり、そうなると、職業の専門分化の意義が希薄化するからである。
もしこの予測が当たるとすれば、将来的には、複数の専門領域を持つ人間が勝ち残りやすいということになるかもしれない。