「国費留学した官僚の退職は許せん!」と憤るあなたへ
今でこそ少なくなったが、数年前までは、国費留学(厳密には人事院の長期在外研修)から帰国後すぐに外資系金融機関などへ転職する若手官僚が多かった。私の業界でも、国費留学中にロースクールで資格を取り、帰国後退職して渉外事務所に入った人がいる。
もっとも、「日本の国民から集めた税金で留学したのに、日本のために恩返しするのではなく、外国企業のために奉仕するなんてとんでもない」というわけで、「国家公務員の留学費用の償還に関する法律」が制定・施行され、こんな「若手官僚」は激減したらしい。
上のような「若手官僚」は、ある意味では「要領のいい人」とみることもできるだろうが、反面、とんでもない過ちを犯していると思う。
まず、他人からは、「こいつは、国ですら自分の目的を達するための手段としか考えていない人間だ」とみられ、信用を失う。また、若いうちから「他人の金で良い思いをする」ことを覚えてしまうと、汗水たらして働くことがバカらしくなり、資金力のあるスポンサーを求めてさまよい歩く人生を送りかねない。そのうちに、人間にとっていちばん大事な「独立不羈の精神」を失ってしまうのである。
今でこそ少なくなったが、数年前までは、国費留学(厳密には人事院の長期在外研修)から帰国後すぐに外資系金融機関などへ転職する若手官僚が多かった。私の業界でも、国費留学中にロースクールで資格を取り、帰国後退職して渉外事務所に入った人がいる。
もっとも、「日本の国民から集めた税金で留学したのに、日本のために恩返しするのではなく、外国企業のために奉仕するなんてとんでもない」というわけで、「国家公務員の留学費用の償還に関する法律」が制定・施行され、こんな「若手官僚」は激減したらしい。
上のような「若手官僚」は、ある意味では「要領のいい人」とみることもできるだろうが、反面、とんでもない過ちを犯していると思う。
まず、他人からは、「こいつは、国ですら自分の目的を達するための手段としか考えていない人間だ」とみられ、信用を失う。また、若いうちから「他人の金で良い思いをする」ことを覚えてしまうと、汗水たらして働くことがバカらしくなり、資金力のあるスポンサーを求めてさまよい歩く人生を送りかねない。そのうちに、人間にとっていちばん大事な「独立不羈の精神」を失ってしまうのである。