私の個人主義(夏目漱石)
高校時代以来の再読。漱石の主張は平易に見えるため、高校の教科書などに採用されることが多いけれど、どれだけの高校生が理解しているだろうか。
根幹となる主張は、「自己本位」の生き方・考え方を実践するというもの。ただ、「自己本位」が「権力」や「財力」と結びついて、他人の上に影響力を及ぼす方向に進んではならない。
解説者は、これを「個人主義」というよりは「個性主義」であると指摘するが、むしろ「自由主義」といった方が正確だし、「幸福追求権」を日本風に言い換えたものと言えばスッキリする。
再読して気づいたのは、「権力」による「他の威圧」などについて、分かりやすい例が挙げられていること。例えば、釣り好きの兄が、読書家の弟を無理やり釣り堀に連れて行き、かえって弟の反抗心を刺激したというくだりなど。日常的な事象から物事を考える姿勢が表れている。
高校時代以来の再読。漱石の主張は平易に見えるため、高校の教科書などに採用されることが多いけれど、どれだけの高校生が理解しているだろうか。
根幹となる主張は、「自己本位」の生き方・考え方を実践するというもの。ただ、「自己本位」が「権力」や「財力」と結びついて、他人の上に影響力を及ぼす方向に進んではならない。
解説者は、これを「個人主義」というよりは「個性主義」であると指摘するが、むしろ「自由主義」といった方が正確だし、「幸福追求権」を日本風に言い換えたものと言えばスッキリする。
再読して気づいたのは、「権力」による「他の威圧」などについて、分かりやすい例が挙げられていること。例えば、釣り好きの兄が、読書家の弟を無理やり釣り堀に連れて行き、かえって弟の反抗心を刺激したというくだりなど。日常的な事象から物事を考える姿勢が表れている。