Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

言葉でごまかす

2016年01月18日 08時07分18秒 | Weblog
日本的霊性(鈴木大拙)
 いろんな人が称揚しているので読んでみたが、かなり問題のある本である。
 そもそも、「霊性」の定義からして問題がある。精神と物質との「二元的世界」の相克を克服するためには「霊性」が必要であるといい、これは「宗教意識」と言い換えてもよいという(p6)。ここで、既に不明確な概念が突如として出現している。
 しかも、「霊性」というのは人類通有のものではなく、「日本的」「シナ的」「印度的」などという風に、民族(又は国家)ごとに単位があるらしい。なぜなら、「霊性」は「大地」(生活)を離れることができず(p59)、民族ごとに生活が異なるからのようである(ただし、はっきりとした説明はない)。
 結論として、鈴木氏は、「禅と念仏」が日本的霊性の中核であるというが(p9)、その理由がすさまじい。例えば、「禅」については、「日本人の生活そのものが禅的である」(p11)から、日本的霊性の中核をなすのだという。絵にかいたようなトートロジーである、
 言葉を単純に追っていけば、論理が破たんしていることはすぐに分かるのだが、こういう本をありがたいという人も結構いるのだから、なんともはや・・・。

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