Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

入場のタイミング

2025年01月01日 06時30分00秒 | Weblog
指揮:小泉和裕
ソプラノ:迫田美帆
メゾソプラノ:山下裕賀
テノール:工藤和真
バリトン:池内響
合唱:新国立劇場合唱団

 2024年に行ったコンサートは、特に意図したわけではないけれども、半分くらいがベートーヴェンがらみだったような印象である。
 年を取ってくると、ベートーヴェンの偉大さが身にしみてわかってくるようだ。
 最終週もやはりベートーヴェン三昧で、まずは定番の「第九」である。
 年末定番の「くるみ割り人形」と同様に、「第九」も毎年出来るだけ違うオーケストラ・歌手で聴くようにしているのだが、今年は都響をチョイス。
 歌手が全員日本人で、かつ、迫田さん(11月のポトラッチ・カウント(7))と工藤さん(客席への降臨)は何度か聴いて私がすっかり惚れ込んでいるというのも理由の一つである。
 ところで、「第九」で難しいのは、合唱団とソリスト歌手の入場のタイミングである。

 「◆第4楽章だけがまるで第九かのようになるパターンD 
(中略)
 Dは、オーケストラだけの第1~第3楽章と「合唱」の第4楽章が完全に切り離されるので、およそ考えにくいパターンだと思います。ところが、2010年大晦日にロリン・マゼールが「ベートーヴェン全交響曲連続演奏会」で指揮したときは、第4楽章前にソリストが入場したそうです。かなり珍しいのではないでしょうか。
 ここで小噺をひとつ。『第九』を歌うことになったサラリーマンが会社の上司をコンサートに招待したときのこと。
 部長  いやあ、なかなか素晴らしい演奏だったね。僕は音楽のことはあんまりわからないけれど、とても感動したよ。
 係長  それはどうもありがとうございます。喜んで頂けてよかったです。
 部長  オーケストラもソリストもとてもよかった。もちろん合唱もよかったよ。
 係長  練習けっこう厳しかったんです。
 部長  そうだろうね…。ドイツ語もずいぶん難しそうだしね。ところで、『第九』の前に延々とやっていたあの曲は何だったのかね。
 係長  ??!! 
」 

 今回の都響は、合唱団は最初から入場させ、ソリストは2楽章の終わりに入場させた上で、3楽章の最後と4楽章の最初をアタッカでつないだ。
(ちなみに、2023年に聴きに行った「第九」では、3楽章の後で休止を入れたのだが(「合唱」とトイレ)、これはやはり宜しくないと思う。)
 私見では、これは、音楽性を損なわず、かつソリストへの負担を少なくするための、ほぼ唯一の選択肢だと思う。
 ・・・ところで、4楽章の歌が始まってすぐビックリしたのは、バリトン歌手の声が素晴らしく響いたことである。
 歌手の方の名前は、その名もズバリ、池内響(いけうちひびき)さん。
 名前からすると、サントリー・ホールではもっと声が響いたのではないかと推察する。
 さて、今回の会場である東京文化会館は、2026年5月から大規模改修工事のため休館となるため、その前にここで年末に「第九」が聴けるのは今年(2025年)が最後となる(東京文化会館大規模改修に伴う全館休館のお知らせ)。
 というわけで、今のうちに、今年東京文化会館で開催される「第九」を探しておこうと思う。
 


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