指揮:小泉和裕
ソプラノ:迫田美帆
メゾソプラノ:山下裕賀
テノール:工藤和真
バリトン:池内響
合唱:新国立劇場合唱団
2024年に行ったコンサートは、特に意図したわけではないけれども、半分くらいがベートーヴェンがらみだったような印象である。
年を取ってくると、ベートーヴェンの偉大さが身にしみてわかってくるようだ。
最終週もやはりベートーヴェン三昧で、まずは定番の「第九」である。
年末定番の「くるみ割り人形」と同様に、「第九」も毎年出来るだけ違うオーケストラ・歌手で聴くようにしているのだが、今年は都響をチョイス。
ところで、「第九」で難しいのは、合唱団とソリスト歌手の入場のタイミングである。
「◆第4楽章だけがまるで第九かのようになるパターンD
(中略)
Dは、オーケストラだけの第1~第3楽章と「合唱」の第4楽章が完全に切り離されるので、およそ考えにくいパターンだと思います。ところが、2010年大晦日にロリン・マゼールが「ベートーヴェン全交響曲連続演奏会」で指揮したときは、第4楽章前にソリストが入場したそうです。かなり珍しいのではないでしょうか。
ここで小噺をひとつ。『第九』を歌うことになったサラリーマンが会社の上司をコンサートに招待したときのこと。
部長 いやあ、なかなか素晴らしい演奏だったね。僕は音楽のことはあんまりわからないけれど、とても感動したよ。
係長 それはどうもありがとうございます。喜んで頂けてよかったです。
部長 オーケストラもソリストもとてもよかった。もちろん合唱もよかったよ。
係長 練習けっこう厳しかったんです。
部長 そうだろうね…。ドイツ語もずいぶん難しそうだしね。ところで、『第九』の前に延々とやっていたあの曲は何だったのかね。
係長 ??!! 」
ここで小噺をひとつ。『第九』を歌うことになったサラリーマンが会社の上司をコンサートに招待したときのこと。
部長 いやあ、なかなか素晴らしい演奏だったね。僕は音楽のことはあんまりわからないけれど、とても感動したよ。
係長 それはどうもありがとうございます。喜んで頂けてよかったです。
部長 オーケストラもソリストもとてもよかった。もちろん合唱もよかったよ。
係長 練習けっこう厳しかったんです。
部長 そうだろうね…。ドイツ語もずいぶん難しそうだしね。ところで、『第九』の前に延々とやっていたあの曲は何だったのかね。
係長 ??!! 」
今回の都響は、合唱団は最初から入場させ、ソリストは2楽章の終わりに入場させた上で、3楽章の最後と4楽章の最初をアタッカでつないだ。
(ちなみに、2023年に聴きに行った「第九」では、3楽章の後で休止を入れたのだが(「合唱」とトイレ)、これはやはり宜しくないと思う。)
私見では、これは、音楽性を損なわず、かつソリストへの負担を少なくするための、ほぼ唯一の選択肢だと思う。
・・・ところで、4楽章の歌が始まってすぐビックリしたのは、バリトン歌手の声が素晴らしく響いたことである。
歌手の方の名前は、その名もズバリ、池内響(いけうちひびき)さん。
名前からすると、サントリー・ホールではもっと声が響いたのではないかと推察する。
さて、今回の会場である東京文化会館は、2026年5月から大規模改修工事のため休館となるため、その前にここで年末に「第九」が聴けるのは今年(2025年)が最後となる(東京文化会館大規模改修に伴う全館休館のお知らせ)。
というわけで、今のうちに、今年東京文化会館で開催される「第九」を探しておこうと思う。