メガバンク3行が大リストラ。銀行業界は「構造不況業種」になってしまった
「最近になってコスト構造改革を打ち出したのは、みずほFGだけではない。相対的に好業績な三菱UFJFGと三井住友FGも程度の差はあれ、みずほFGと同様の苦境に立たされているからだ。
・・・その背景には、日本銀行の金融緩和によって超低金利の状況が続いていることがある。その結果、銀行の中核的な利益である「利息」から得られる利益が右肩下がりとなっている。その中で最終的な業績の数字をつくるには、コストを削るしかない──。3メガの中では、そんな思考回路が働いているというわけだ。
そこで、3社は今後そろって大規模な店舗の統廃合や人員・業務のスリム化に本腰を入れる。その結果、みずほFGの1万9000人に加えて、三菱UFJFGで9500人、三井住友FGで4000人、3社合計で3万2500人もの人員が浮くことになる。」
世間一般が好景気に沸く一方で、銀行業界は「構造不況業種」になってしまった。
その要因としては、アベノミクスによる超低金利政策がある(旧財閥系シンクタンク出身のエコノミストがアベノミクスを酷評するのは、こんなところからきているのかもしれない。)。
さて、バンカーというものは、取引先企業などに天下ると、「攻めに強いが守りに弱い」経営者になってしまう。例えば、経営が傾くと、「遊休資産売却と人員削減」くらいしか打つ手がないのが通常である。
同じことを、本体についても行うようだが、これは企業のコア・コンピタンスをぜい弱化させることにもなりかねない。