Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

絶対的真実

2018年05月11日 07時18分26秒 | Weblog
裁判官! 当職そこが知りたかったのです。
 岡口「・・・民事訴訟は相対的真実ということがありますね。刑事は絶対的真実を追求しなければならないですけど、・・・」(p41)

 私は、このくだりを読んで、軽い衝撃を覚えた。
 民事であれ刑事であれ、「絶対的真実」を解明することは不可能に近い。裁判手続で明らかになるのは「訴訟的真実」に過ぎないといういわゆる訴訟的真実論が説得的だと思っていたので、現役の裁判官(ただし民事専門)がこういう発言をしたことに驚いたのである。
 もっとも、(自分は)「絶対的真実を解明できる」という認識は、誤判・冤罪を生む元ともなりうる。
 所詮裁判官は提出された証拠しか見ていないわけだし、その証拠も偽造されることがあるのは周知のとおりである。
 民事・刑事をとわず、事実認定については謙虚な姿勢を保つことが必要だと思う。
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「智」の放棄

2018年05月10日 07時37分30秒 | Weblog
裁判官! 当職そこが知りたかったのです。
 岡口判事「今までは、法曹の知的財産である要件事実と旧様式判決にあらゆるものを集約してきたんですね。
 ところが、法曹は、今それを自ら放棄しようとしているんです。」(p151)

 岡口判事によると、民事訴訟の質は今がピークで、これからどんどん悪くなるという。その理由は、「要件事実教育の放棄」にある。
 司法研修所の民事裁判教官室は、要件事実教育を「放棄」したのだが、そのことを上層部もあまり知らないという(p157~)。
 (私も、この5年くらいは要件事実教育をあまりしていないという趣旨の話は聞いていた。)
 ここで、岡口判事が「法曹」に責任があると指摘しているのは興味深い。なぜなら、弁護士にも「智」の承継については責任があることを示唆しているからである。
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予想通り

2018年05月09日 08時16分04秒 | Weblog
Who wins and who loses in Trump's decision to pull the United States from the Iran deal? (USA TODAY)
"French and German trade with Iran significantly increased after the deal"

 トランプ大統領によるイラン核合意からの米国の離脱表明について、アメリカのメディアはおおむね「予想通り」という受け止め方をしているようだ。
 USA TODAY は、勝者として米政権内のタカ派のほかイスラエルのナタニエフ首相を、敗者としてマクロン仏大統領とメルケル独首相をそれぞれ挙げている。
 今回の決定は、言うまでもなくトランプ政権内におけるユダヤ・ロビイストの強さを示しているわけだが、記事は、仏独が結局はイランの石油目当てで動いたことも示唆している。
 
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10年

2018年05月08日 08時04分38秒 | Weblog
弟遺体切断…26歳姉に懲役10年 裁判長「極めて危険で、身勝手な犯行」
 
 懲役10年というのがポイントである。 
 通常の殺人(有利な情状なし)では、多くの裁判官が懲役11年くらいを基準にしているようだ(修習中に裁判官から聞いた話)。
 本件の場合、殺意を認めず傷害致死と死体損壊・遺棄で10年としているので、ほぼ通常の殺人と同じである。
 ということは、量刑における死体損壊・遺棄のウェイトがかなり重いということであり、弟を刺した後ただちに警察や救急に通報していれば、相当軽い刑で済んだ可能性がある。
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見えない色

2018年05月07日 07時46分01秒 | Weblog
古代人は“ブルー”が見えなかった!?
 「2月27日付けの「Business Insider」の記事によれば、今を遡ること1858年、後にイギリスの大臣となるウイリアム・グラッドストーン氏がホメーロスの『オデュッセイア』の文中に出てくる色をあらわす表現を数えたところ、“ブルー”が一度も出てこなかったという。ちなみに黒は200回近く、白は約100回、赤は15回程度、黄と緑は10回足らず文中に登場するということだ。
 しかし、これはギリシャ神話に限ったことではなかった。イスラム教の聖典「コーラン」にも、古代中国の物語にも、ヘブライ語版の「聖書」にも“ブルー”は出てこないと、ドイツの文献学者、ラザルス・ゲイナー氏は主張している。古代の人々にはブルーの概念がなかったのか? それともブルーを認識できなかったのだろうか? 謎は深まるばかりだが……。」

 「HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術」では「光」にも注意を払うべきことが書かれている。
 例えば、LEDや蛍光灯は細胞にダメージを与え、肌を老化させる。
 著者の指摘で面白いのは、「古代文明では「青」にあたる言葉は存在しない。ホメロスは『オデュッセウス』で海を「葡萄色」と表現している。」というくだり(p249~250)。
 ともあれ、日常生活からブルーライトを遠ざけることは重要だろう。
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カビから身を守る

2018年05月06日 07時41分49秒 | Weblog
シリコンバレー式「脳強化法」で頭がよくなる理由
 「僕は怠け者でも、悪人でも、失敗作でもなかった。問題は、脳からエネルギーが漏れていて、どんなに頑張っても求めるレベルまで機能してくれなかったということ。エンジンが壊れた車は、どんなに強く踏み込んでも速く走らない。」

 デイヴ・アスプレー氏の「シリコンバレー式 最強の食事法」のいわば続編。
 今回は「ミトコンドリア」がキーワードであるほか、前著と同様、カビ毒の脅威が強調されている。
 デイヴ氏の見解によれば、生物の歴史は、「ミトコンドリア(バクテリア)とカビとの闘い」と言い換えてもよさそうだ。
 鳥を飼ったことのある人なら「アスペルギルス症」、植物を育てたことのある人なら「フザリウム」を知っていると思うが、これらはカビによる深刻な病気である。
 ・・・あと1か月もすれば、カビの季節がやってくる。
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観客のマナー

2018年05月05日 08時08分00秒 | Weblog
 オペラやバレエなどで、公演中に、チラシやビニール袋をいじってやたらカサカサ音を立てる人、バッグからペットボトルを取り出して水を飲む人、音を立てて飴玉をなめ続ける人などが隣にいると、席を移りたくなる。
 実は、史上最悪のマナーと指摘される伝説の公演が、日本で行われていた。バブルまっさ中の1989年に東京ドームで開催された「アイーダ」である。
 声楽よりも象などによる見世物に関心のある人が多かったらしく、「売店で飲食物を販売したために、演奏中も移動する客が引きも切らず、足音や話し声が絶えず、凱旋行進曲が終わった途端に引き上げる親子連れ」などがたくさんいたらしい(「スタンダード・オペラ鑑賞ブック「イタリア・オペラ(下)」p205~206)。
 舞台上では凱旋行進曲が、観客席ではバブル狂騒曲が演奏されていたのである。
 
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スイス行きの目的

2018年05月04日 08時38分29秒 | Weblog
104歳豪科学者、自ら命絶つためスイスへ出発
 「オーストラリアの最高齢科学者、デービッド・グドール(David Goodall)氏(104)が2日、自らの命を絶つためスイスへ旅立った。」
 「グドール氏は不治の病を抱えているわけではないものの、生命の質が低下し、スイスのバーゼル(Basel)にある自殺ほう助機関「ライフサークル(Life Circle)」で優先予約が認められたという。」

 親族や友人に祝福されながら自殺への旅に赴くというのは、病院のベッドで死ぬよりも幸福なことなのかもしれない。
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憲法記念日に読む本

2018年05月03日 09時43分07秒 | Weblog
憲法9条へのカタバシス
 「〈こうして、既に9条1項は、一見不戦条約をそのまま継承するものに見えて、自衛のための戦争をも否定する〉〈2項はさらに、占有線を越えない実力形成といえども内部をトータルに軍事化して他国の軍事化に対抗し抑止力(報復力)を得るものであればこれを禁ずる趣旨である。これが自衛権拡張の主要なヴィークルだからである〉そして〈政治システム存立にとって不可欠の原則を宣明したこれらの規定は憲法に不可欠であり、削除することは政治システムの破壊に等しいから、改正は違法である〉」

 1項が占有原則を定め、2項が内部軍事化を禁止したという解釈には目からうろこがとれた思いがする。 
 だが、尖閣諸島周辺で中国海警局の船舶がうろうろしたり、ロシアの爆撃機が日本列島を一周するような現実にどう対処するためには、現実的な思考が必要かもしれない。
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普通の人

2018年05月02日 08時32分02秒 | Weblog
【岩瀬達哉氏書評】白ブリーフ裁判官が明かす裁判所の内情
 「検事や弁護士より格上とされ、法曹界の頂点に立つ裁判官は、どのような権力にもおもねらない“正義の人”と思われがちだ。しかし彼らもまた、組織のなかで居心地よく過ごしたいと願う“普通の人”であったと知って拍子抜けさせられる。」
 「裁判官の評価は、処理した事件件数によって大きく左右されるという。処理件数が「一覧表で配られる」ため、「誰がすごく成績が悪い」かがわかり、それが目立つようになると、「出世に影響する」。そのため少なからぬ裁判官は、真実が明らかにならなくても「理由は何とでもつけられる」ので、「粗製濫造判決」を書こうとする。“裁判の理由は真実に沿わなければならない”という法格言は、もはや「裁判官村」では死語となっているのかも知れない。」

 白ブリーフ裁判官は「普通の人」ではないということのようだ。
 処理件数の「一覧表」を配布するやり方は、成績表を職員室前に貼りだしていた私の高校を思い出す。
 こういう風にして他人を操作しようというのが人をバカにした発想なのだ。
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