季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

生きた軌跡を形に

2011-06-12 18:34:05 | ハンドワーククラブ HandworkClub
ハンドワーククラブの作品の仕上げ。

この頃は本人が仕上げをすることが増えたので、久しぶりのおうち仕事。
ペンケースにファスナーを付ける。

       

このハンチングは随分前から仕上げてなくて置いてあった。
「遼君みたいなツバの長いハンチングを作りたい。」って言って作ってた。
その時は遼君のがどんなのか知らなくて適当に型紙を起こしたけど、見てみたらもっと長く飛び出てるのだった。それからもう2年以上は経っていると思う。
なかなか姿を現さなくて、時々見かけるだけだったので置きっぱなしになっていたのだ。
一度「サイズを測って仕上げよう!」と言ってサイズまでは測ってた。

それがこの前聞いたら亡くなったそうだ。不意の事故で。
こういう事がここでは時々起るなあ。

本人の遺品がほとんどないので家族の方が喜ぶとこのハンチングを仕上げることになったのだ。変な気分だけど彼のサイズで仕上げる。

       

亡くなった人の作品を仕上げることが時々あるけど、神妙な気分になる。
作品ってその人の元気で生きているときのパワーが入っていると思うから。
生きていた痕跡を感じながらの作業。それを手にする家族の方にも思いを寄せながら。
この「小さなあの方」を大切におそばに置いて下さいね。彼が被りたかった帽子、出来たら被ってください。祈る気持ち。

頭のサイズを測ったときの感覚がまだ手にある。ハンドワークを始めたころから来てくれていた彼のダンディーでやさしい仕草や姿を思い浮かべる。
欝がどんなに苦しい事なのか具体的に話してくれた。知らない人にはまさに想像以上。

今回の震災でもたくさんの人たちが亡くなっているけど、年間の自殺者数がまた増えて3万人超らしい。その数はそれと比べてどんなに大きいかわかる。
これが10年以上も続いているのだ。それも男の人の方が多いという。

クリニックで十分に年を重ねずに亡くなる方の原因は詳しくは病気か事故か自殺かわからないけど、どちらにしても長く知っている人が亡くなるのは何度体験しても悲しいものです。

病院につながっている人でもそれを食い止められないことがある。
生きていることそのものも悲しみと苦しみかもしれないけど、生きていることそのものこそ天からの恵みだ。私はそう思う。私に出会った人たち、できるだけ天寿を全うして長く生きてほしい。彼の死を前にしていっそう深く思う。
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