ハンドワーククラブにて。
一年で一番大きな行事。クリスマス会。
日に日に寒く、日照時間が短くなる時期は気分も憂鬱になりがち。
こんな時こそ、明るく楽しくそして温かに過ごそうと言う目的でお祭りをする。
毎年、リラクゼーションプログラムの作品の展示があります。
今年は参加者と作品数が少なかったけど、それでもしっかりとした作品を並べる事が出来ました。
手縫いのカバンや帽子、サルエルパンツ。小豆のカイロ。
手紡ぎ手編みのベレー帽。フェルトの帽子など。
今は時めくこの作品も。PAPP
ハンドワーククラブの特別講習が午前中にあります。
毎年夏ごろからネタを考えている。
思いついたのが10月末くらいで、材料を集めて毎日のように試作をして試行錯誤を繰り返して、技が固まったのが11月半ば。
それこそ脳ミソから脂汗が出るほど考えて、足を棒にして材料を尋ね、いろんな縁と運でつかんだレシピです。
起き上がる仕組みがなかなか難しかった。簡単そうに思えたんだけど。
それから材料を集めて、コツコツと毎日作業してキットを作りました。50個分。
前日に三羽、相談室に見本で持って行ったら、相談員さん達がキャーって。可愛い、これは良い!ってなって。見本を差し上げることに。
それをプログラムで患者さん達に紹介したら、またキャーってなって。みんな「欲しい欲しい!」ってなったらしい。
ものすごい人気。やっぱり必ず起き上がるってところが心に響いたんだと思う。
そのおかげで開始しばらくから人がずんずん集まる。どんどん来ます。スタッフの方たちも何人も。
いつもは途中で担当のスタッフに呼び込みに行ってもらうんだけど、それをしなくてもどんどん。引きも切らず。
椅子が足りなくて立ったまま作る人も。
丸いシルエット、色のコントラスト、目の可愛さ、転んだら必ず起き上がるそのコロコロとした仕草。どれもグッとくるらしい。
ものすごい熱狂で受け入れられました。
トサカとくちばしはフェルトで一つ一つ作った。くちばしが思った以上にうまく行った。
眼はさし目を注文してたのが間に合わず、小さなビーズを縫い付ける事にした。
その作業が細かくてその上に表情の決め手になるので大変。
しかし、リラクゼーションプログラムの先生仲間が二人、助っ人で来てくれて、縫い付けをしてくれました。
アーティストのお二人にかかったら、どの子もキュートな鶏になりました。
同じように作った土台でみんなの鶏が同じになるかというとそうでもない。
トサカやくちばしの少しの位置で表情が変わる。その人らしさの出る作品が出来ます。
いつも50セットくらい用意するけど結構残るので、始めから二つ目を作りたい人に了解してたら、そう言う余裕なくどんどんキットが減って行きました。びっくり。
それでも作りたい人は大体作れた感じで、2時間で50セットが全部なくなった。
後で聞いたら、「覗きに行ったけど、あんまり人が多くてあきらめた」って人も居る。
まだ部品は残ってるので、もう少しキットを作って通常のハンドワークで作って貰えるようにしようと思う。
準備にとてもエネルギーと工夫が要ったんだけど、そんな事はわかる人あんまりいないかなあと思っていたら、他の先生たちはもちろん、患者さん達もその事をわかってくれる人がたくさんいて、ねぎらいの言葉をたくさん貰った。そしてたくさんお礼を言って貰った。
それが嬉しい。
いつも私はこのクラフトをクリニックとスタッフの方々と患者さん達への一年のお礼と、患者さん達が少しでも楽しく良い年を迎える準備になればと考えているけれど、それが伝わって良かった。
題材も作業の質や量もちょうど良くて、良い流れでスッキリと作業できました。
50セット全部が失敗なく可愛い鶏に完成して、そのキットの質の高さも確立出来てたのが嬉しい。
使った羊毛がモンゴルの羊毛で。それが石鹸を使わないで縮絨できて、しかもその後はタオルで水分を拭き取るだけで完成できると言う特別なものだったので、それが本当に良かった。
これが石鹸を使って洗いに行ってと言う手間を考えると、水場のないあの会場では出来なかったと思う。
偶然いいタイミングでモンゴルの羊毛に出会えて、分けて貰えて。本当に良かった。快く分けて下さったIさんに心からお礼を言いたい。
キット作りはものすごく大変だったけど、それは妹が手伝ってくれたからこれだけ余裕を持って出来たと思う。感謝の言葉しかない。
私を含めていろんな人の愛がしっかりぎっちり籠っている鶏がたくさん患者さん達の手に渡ったのが本当に嬉しい。
後で「うちの玄関に飾って、朝と夕方に挨拶します」って言われて、そんなにかわいがってもらえたら幸せだなあと思った。
クラフトの後は例年通り、手作りのランチをみんなで食べて、音楽会に参加して、温かい紅茶とおやつでほっこりして、ビンゴゲームで盛り上がる。
ヒューヒューな一日でした。
暗く冷たくなっていく世界の中で、暑いくらいのエネルギーとまぶしいくらいの明るさで仲間と過ごす特別な一日。
やっぱりこのクリニックはすごいなあと。そのまごころや企画力。連携のすごさ。
私も幸せで膨らんで帰途に就く。
それから今日聞いた話でとっても嬉しかったことがある。
院長先生が良く患者さん達にリラクゼーションプログラムへの参加のの勧めをしてくれていると。
その中で「うちは一流のプロの先生を揃えてますよ。」と言ってくれていると。
それは私たちの事!うわ~!
このクリスマス会では一年に一回私たちが一気にそのパワーを集結してお披露目する。もてなす。貴重な機会でもあります。
そう言う意味でも私は素晴らしい仲間に恵まれて、これからもこの仕事頑張って行こうと思う。
この鶏のように、来年はまあるく明るく、お日さまと一緒に朝起きして、たまに羽ばたいて、みんなの一年が良い一年になりますように。