明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昨年の今頃は丁度アダージョの最終号が出たころで、すでに三島由紀夫に取り掛かっていた。田中角栄を作りながらレプリカの『関の孫六』を振り回していたのを思い出すが、その頃は個展の開催は今年と考えていた。テーマがテーマだけに会場探しが難航し、ようやくオキュルスで決まり、今年のいつにするか相談の電話をしようとHPを見たら、その日に震災の影響でキャンセルされた方がおり、それが丁度三島の命日がらみであり、これも縁だと、発作的に決めてしまった。そこからが大変であった。  ジャズシリーズ最後の個展で始めて写真を展示したが、制作しながら実質、撮影期間は2ヶ月である。その後1年で作家シリーズに転向したが、この2回の個展は未だによくやれたと思うし、物理的に計算が合わないとさえ思うのだが、あれがまだやれるのではないかと考えた。当時は合成をしていなかったので、例えば泉鏡花を持って金沢で二、三泊すれば、何十カットもモノにして帰ってこれたわけである。それが今では背景を作り、その1カットのためだけに人物を造形するので、手間がかかること甚だしい 。しかも背景に合わせて作るので、展示可能な人物像は少ない。唯一幸いしたのは齢のせいで睡眠時間が短くなっていたくらいであろうか。 三島由紀夫へのオマージュ展はスケージュールの変更で、以降本来のリズムに合わすことができず、しばらく読書に時間を費やすことで取り戻すことに努めた。 こんなに時間がかかるとは。あまり無茶はするものではない。来週制作を再開するにあたり竹べらを新調した。

去の雑記
HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )