幼馴染のTから美人刺青師とはどこでどうやって知り合ったのだ?とメールが着た。かみさんが旅行中とかで、よほどヒマらしい。ノーコメントと答えておいた。妄想に身をよじるが良い。
ここのところ肝腎なことを書かないことによって、Kさんが近所で妙に関心を持たれてしまっていることを、少々反省している。所詮ウーパールーパー的人気である。放っておけばすぐ沈静化するであろう。しかしさすがの私も呆れることがあり、あちらも旅(せいぜい日帰り)に出るというので、少々間を置くべきかもしれない。正直いうと『伊豆の踊り子』『雪国』の作者を制作中の私にとって、Kさんとの付き合いは、日々気分の“大転換”がなされ、存外に制作がスムースに進むことは認めないとならない。 深夜だがもう一軒付き合ってというので、「だったら例の件を口にしたらデコピンね。額のへの字がべになるぜ」。毎日くり返し聞かされるマドンナの話である。それが禁止となるともう話すことがない。カウンターの数席横で泥酔状態の女性に、ちょっかいを出し始めた。女性はぐでんぐでんでいってることが支離滅裂で、連れの男性はカウンターに突っ伏して起きる様子がない。Kさんを何とか止めていると、その泥酔女性には、私が彼女に嫉妬する、Kさんの彼氏に見えるらしい。ここが松の廊下なら、私は殿中だろうと、この女の首をはねて即刻自決するところである。 Kさんはこの日、K本で個人タクシーのMさんに先日の件を叱られ、T千穂では女性客に対する行いを叱られた。それなのにまた。 止める私の腕をかいくぐり、泥酔女性の胸を触った。瞬間、私は押し殺してはいるが声を荒げた。初めてのことで、かなり効いたようである。そして噛んで含めるようにいさめると、深刻な顔で落ち込んでしまった。だがしかし、私にいわせればその顔自体が間違っているのである。居酒屋で横の女性を(Kさんいうところのオッパイ)を触れないことが60過ぎた人間にとってそんな大問題なのであろうか?その深刻な表情は医者に余命一ヶ月です、と宣告されるときのために取っておけ!という話である。
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