某出版社から、シリーズの中の1冊を私で、という話だが、先方は短編小説のビジュアル化ということで、当初海外の某作品を、と打診されたのだが、私がやっているのは所詮写真である。海外まで背景を撮影にいって、ということならまだしも、また背景を自分で作ることにしても無理があると思われた。また挿絵というよりビジュアルの割合を多く、という意味での短編の選択であったが、編集者の意図からすると作品が少々長めである。そこで著作権も切れている国内作品を提案してみたのだが、どうもそれで決まりそうな気配である。 その作品は今までビジュアル化された話は訊いたことがないので、面白いと思うのだが、良く考えたら登場人物は多いし、“人に非ず”がまた多い。人に出演してもらうにしても誰を使うか、などなかなか大変である。決まれば三冊目の出版となるので、次回編集者と会うまでに、考えをまとめておくことにする。
人の顔は千差万別だが、この人は、ここがこうなっていなければ、この人には見えない。というポイントが必ずある。現在、川端康成と同時に制作している内田百間にも当然それがある。それがようやく解ってきた。人によって、その人のどの部分を特徴と感ずるか。それこそ人それぞれである。あの人は誰に似ている、いや似ていない。と意見に相違が見られるのはそのためである。 いくらか百間が百間らしくなってきたかな、というところである。
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