明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



本郷の出版社は小さな出版社だが、晴天の霹靂の如くに、ある書籍が爆発的大ヒット中で、打ち合わせどころかメールの返事もできない状態らしい。というわけで、今のところ制作を始めるつもりはないが、キャスティングの方は端の方から決めておきたい。 旅館の番頭が必用である。配役として浮かんだのが、K本を出入り禁止になった爺さんで、酔っ払って朝だと思ったら夜だった、といって飲みにくるような爺さんである。ただこれはある亡くなった役者に似ていて、その役者が印半纏を着ている役をよくやっていたことからの連想のようである。それに当初イメージしていた旅館が、ひなびた小さな旅館だったのだが、少々グレードアップした場所を撮影に使うことにしたら、番頭というより、どちらかといえば下足番だな。というわけで却下。そもそもこの爺さん、生存の確認が取れていない。となると立派な旅館でも、上手く差配してくれそうな顔が一人あった。近々交渉してみることにする。こうなってくると、私はまるで『七人の侍』の志村喬か『荒野の七人』のユル・ブリンナーだが、本日タクシー運転手役を確保。本人曰く『荒野の七人』でいえばジェームス・コバーンだそうである。  作中重要な役割を果たすのがある魚である。というと、以前円谷英二制作のさい、さすがに活きていたらコントロールできないだろうと、前日活き締めした蛸を取り寄せて使ったのを思い出す。ヌカで揉んでヌメリを取り、撮影が済んだら早速刺身で、などと思っていたが、終るころにはすっかり食欲がなくなり。と案外だらしないことであった。今回の魚はかなり入手し辛い魚である。しかしネットで予約すれば、入荷を知らせてくれる、というサイトを見つけた。これは獲れる時期もあるだろうから、撮影のタイミングを考えておかなければならない。 そうこうして内田百間の頭部が日々完成に近づきつつある。

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