明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



こんどの作品はK本の常連客など友人知人に出演してもらうのだが、著作権が切れている作品なので、ネット上の青空文庫でも読める。密かに各自予習をしていただいているようである。しかし古い作品ゆえ、この場面がどういう状況なのか、頭に描けないこともあるだろう。そのあたりは、おいおい説明していくつもりだが、何しろ顔の造作だけで選んだ一般人である。演技力にははなから期待していない。関節の可動するマネキン人形に徹してもらい、ポーズを一つ一つ作り撮影しようと考えている。カメラを向けたとたん、表情に緊張が走り、瞬きをがまんして、といったとたん瞬きを始めるのが一般人である。今回はロケ場所の都合上、現場に集ってもらっての撮影は不可能なので、事前に撮影した背景に合成することになる。場合によっては、各人別々に撮影する可能性もあるだろう。そのことを考えても、かえって画として、素人のわざとらしさを生かそうと考えている。  私の場合、できることなら眉間にレンズを当てる念写が理想なのだが、それができないので、仕方なく自分の外側にレンズを向けている。『どんな鳥でも、想像力より高く飛ぶことはできないだろう by寺山修司』仰るとおりである。翼を下さい?誰がそんなものいるか、という話である。
本日は結局半日図書館。作品が発表されたのは戦中だが、雰囲気から大正時代に設定した。当時の風俗、習慣を調べているが、現在古い建物が残っていても、確実にないのは電柱である。これは必ず作ろう。 というわけで、今日もまた主役の制作に入らなかった。明日辺りは作りたくて、かなりイライラしてくるはずである。このイライラ感は何かに似ている気がするか、せっかくKさんが登場しないのに品がなくなるのでいわないでおく。

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