明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



先日、仕上げを残し完成していたお姫様の頭部だが、主役との対応を考えると、まだ甘いと判断した。俗物の主役に対し、あくまで見下ろした立場の姫が、あまりにも庶民的に過ぎると思えたのである。改良を続けていた。しかし顔が6センチ程度の頭部である。ほんのちょっとの、ヘラの動きや気分で奈落へ落ちたり、ピンチを脱したりするわけで、その大きさの物を数日間、或いは一月以上制作する間は、気が気ではなく、頭部さえ出来れば楽しいことが待っているのだ、とひたすら耐えるわけである。  ところでこちらのブログで、プロレスラー100人を選出する、という企画がなされていて、あと12人は?ということで私も考えてみた。 『ビッグダディ・リプスコンプ、カウボーイ・ビル・ワット、ホイッパー・ビリー・ワトソン、パット・オコーナー、キラー・バディ・オースチン、スカル・マーフィー、ゴリラ・モンスーン、キラー・カール・コックス、ドン・イーグル、キラー・カン』。 キラーと名乗るレスラーを3人も選んでしまったが、一人は実際リング上で2人殺している。 亡くなった父が最後まで大のプロレスファンで、唯一の共通の話題なので、入院中スポーツ新聞を持って見舞いにいったことは何度か書いた。子供の頃の映画で、病気の子供の所へジャイアンツの選手が見舞いにきて、約束どおりホームランを打つ、というような映画があったが、ここにアントニオ猪木が見舞いに来たら父はどうなるだろう、と想像したくらいで、当時の雑記にそう書いた覚えがある。 保守的な父は保守的なジャイアント馬場を嫌っていた。一方私はというと、父とは逆に、手前勝手な猪木が嫌いであったが、父はそれを知らずに亡くなった。  話は戻る。キラーだゴリラだスカルだカウボーイだ、と懐かしいレスラーを想い出しながら選んでみたが、これがなんとも愉快で楽しかった。そして選び終えて40分程であろうか、お姫様の頭部が完成していたのである。 ことほど左様に、ちょっとした気分でも制作に影響する、ということなのである。

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