昨晩より寝ずにマントを着けた変身ヒーローの着彩、仕上げ。本日入稿である。河童に続いて変身ヒーローとは。私もなかなか間口が広い。その前はドストエフスキーだし。著者のご指名ということであるが、奇妙なヒーローである分、私にはやりがいがある。すでに変身後だが、普段は普通の男で、あるきっかけで筋肉がバンプアップし大きくなる。もっともハルクのように色が変わったり巨大になるわけでもない。ヒーローらしからぬところがミソであろう。 デジタル写真の良いところは数カット撮ってはPCでチェックができるので、入稿ギリギリまで粘れる。時間の指定は特になかったが、ここで一度寝て午後再開するかもうろうとしながら考えたが、結局続行。眠気で何度もマウスを落としながらも悪い感じではない。むしろ河童に取り組んだ最後の三週間の夢のような日々が蘇ってくる。 ベテランのデザイナーから良くいわれたものである。『プロなんだからさっさと済ませてあとは遊ぶんだよ』。私の場合、遊んでいても今家で仕事してたら、もっと良くなったかもしれない、と気が気ではないだろう。近所でばかり飲むのもそのせいである。デザイナー氏としては、追いつめられる前に実力を出して、さっさと遊ぶのがプロだよ。ということなのであろう。最後のひと絞りで一変することもあり、なかなかそうスマートにはいかないのである。 午後何時であったろうか。S社にデータを送る。編集者より、すぐに電話をもらう。喜んでもらっているのが電話から伝わってくる。F社のSとは大違いである。完成して逆転したように喜んでもらうことが今年は続いている。
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