母に本を送ったら電話が来た。登場人物に母も見知った顔がある。「Mさん随分顔がでてるわね」。一般人なので顔は隠すと思っていたらしい。素人役者衆は、その素業人格は審査項目になく、ただ顔だけで選んでいる。母が次回は私の出番?というので「妖怪はもういいよ」。
私くらいフレッシュな作家だと、フレッシュなボクサー同様、チケットならぬ書籍を自分で売ってギャラに換えなさい、と。ジムならぬ出版社よりある程度現物が送られてくる。そこで前の二冊同様、HPでサインや為書きなど入れて販売したいと考えているが、昨年まで使っていたウインドウズが壊れて以来、今年に入ってHPをまったく更新していない。そもそもパソコンを始めたのはHPを作るためであった。 作家シリーズを始めて作品を見てもらおうと某出版社に電話をしたが、“作家の人形を作ってその写真を撮ってます”。自分でいってて実につまらなく聴こえる。私だったらこんな奴会わない。いかにもちょっと変ったことをして一人で喜んでる可哀想な奴にしか思えないではないか。と思ったら先方もそう思ったらしい。そこで営業用のツールとしてHPを立ち上げた。これで職員室に呼び出されて説教されているような気分から解放される。日本にいる限り、見りゃ解るだろ、という訳にはいかないのである。 2000年当時はネット環境も今とは大分違い、HPの画像はとにかく軽く、という時代であった。作品をデジタルでとは夢にも思わず、マックは全体からすれば、一部のデジタル加工するような変わり者用だと思っていたのでウインドウズにした。ワープロすら触ったことがなかったので、HPビルダーのマニュアル本を、隣の部屋のすみまで放り投げたりしながら格闘したものである。そういえば編集者Sは、彼が某美術雑誌にいた頃、稲垣足穂特集のインタビューで知り合った。昔別の雑誌のインタビューで、私がでデジタルに対しボロクソいったのを覚えていて未だにいうのである。何がどうなるか判らないので、最近は私はこうである!などと大きな声でいわないようにしている。
過去の雑記
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