明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



寝ずに仕事をすることに対し少々過信していたようである。自分で搬入する場合。上半身が見えるように梱包する。梱包というより上半身むき出しで立たせて運ぶ。そうするとかえって指等の、気をつけないとならない部分が見えるので、むしろ安全である。そろそろ出ようと玄関へ。そこでヨロっとして壁にゴツン。素材的にはパカっと割れるような物ではないが、修繕しないとならない。寺山修司の額には擦れた跡。帰宅後傷を直して再び会場へ。寺山も無事修復。反省する。 夜『にあんちゃん』をふたたび観る。さすがにこれほど濃厚ではなかったが、私の子供時代はご近所の関係が密接であった。窓から手を伸ばせば届く、お隣のおばちゃんには大変お世話になった。顔が汚れているといって唾つけたハンカチで拭いてくれたのをよく覚えている。7人家族でちょうどにあんちゃん世代だったろう。長男はスポーツ新聞を広げ、ビールを飲みながら来日するプロレスラーの解説をしてくれた。次男はある日ジーパンを履いたまま水風呂に浸かっているのを見て驚いたが、これで履いたまま乾かすとピッタリするのだ、といっていた。子沢山で、布団が押し入れに入りきらない。積んだ布団に挟まってレコードの広沢虎造『三十石船』繰り返し聴いた。寿司食いねえは子供が聴いても面白い。私の記憶では初めて作った人形は、割り箸と広告の紙で作った『反対人間』である。人間とは足裏で接して、地面の中に逆さまに存在している。地上の人間はそれに気付かず暮らしている。布団に挟まって空想に耽った。 にあんちゃんは最後の決意通りがんばったろう。日本の経済を支える一人になったに違いないが、結局日本はこんなことになっちゃいました。

※ HPで『貝の穴の河童の居る事』を販売する予定でしたが、手持ちの分がなくなって来たので止めることにしました。申し訳ありません。紹介ページは近いうちに作ります。

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