午前中『貝の穴に河童の居る事』の朗読の録音をお願いしていた、舞台俳優の今拓哉さんが、稽古場にいくついでに、録音データを届けてくれた。忙しいのに有り難い。書き込みだらけの原稿を見てしまったし。読み込んでいる、という話も漏れ伝わって来ていた。お礼もそこそこにとっとと部屋にもどり聴く。そもそも今さんにお願いしようと思ったのは、様々な声色を使うのを時々耳にしていたからで。主人公の河童は勿論だが、年頃の娘や年増の女房、女顔のミミズクなど、徳川夢声に頼むより良いだろう。ページをめくりながら笑わずにいられないところや、女顔のミミズクが色っぽかったりさすがの表現力である。機会があれば生で聴いてみたい。ご近所のド素人の出演者の方々、レミゼ俳優に声の吹き替えされるのはどんな心持ちであろう。録音に合わせて上映するスライド用の画像をストーリー順に制作する。本とまったく同じにすることもない。この際、ボツになったカットも所々入れてみた。 ご近所限定のお祝いの会は、定員30人ほどで、できるだけご近所の方に来ていただきたいので、舞台となる神社の撮影に付き合ってくれた友人以外は誘わなかったが、区の文化センターで普段、講座や教室をやるような部屋を借りるので、パイプ椅子を増やせば融通はきく。十代からの付き合いである工芸の専門学校の友人も誘った。一人の先輩は「ネクタイ着用?」というので「当然そうですよ」。まさか、という答えを想像していたのだろう。絶句している。ひっかけた後、一日くらい放っておいて面白がりたいのだが、私にはそんな根性はない。 他にも方々に連絡したり本を発送したり。私はあれをやったりこれをやったりが苦手である。ようするに要領が悪い。なんでこの場面でギターを爪弾く?たいしたことをしないまま時間だけが経ち、二度と戻ってこない一日がまた終わる。
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