繰り返しになるが三島由紀夫に関しては、作り始める前から死んでいるところを作る事以外、今に至ってもアイデアはない。依頼された物はそうはいかないが、何を作ろうかな、などと頭を悩ませるような物は作った事がない。棚からぼた餅が落ちて来るように浮かび、出来の悪い頭で、作りながら追々判るだろうと。そして理解した暁には、なぜ判らないが作ろうと思った、では馬鹿みたいなので、初めから計画通り作りました。という顔をしてしまう。当ブログでは正直に書いてしまうが、読者数を考えると、バレてもたいした事はない。それにブログを書いているうちに、雲間から日差しの如くに判って来ることが多いから、ブログを書くことは私に取って有益である。でないと何も考えずに暮らす事になってしまう。 今は権利を篠山紀信氏が所有しているという薔薇十字社版『男の死』が出る事を八年ほど恐れ続けた。趣旨は違えど、先に出てしまえば、滑稽なバッタもんになってしまう。 始めてジャズシリーズを自分で撮影し、発表した時、被写体を目の前に展示しているのにかかわらず、写真をジャズマン実写と間違った雑誌編集者が一人いたことで、翌年いきなり作家シリーズに転向した理由と同である。それでは世の中にある、ジャズの写真を人形作って再現している人になってしまう。まっぴらである。
【タウン誌深川】〝明日出来ること今日はせず〟連載第17回『引っ越し』