明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



快楽はなるべく長引かそう、というのが人情であろう。しかし今回に限れば、そうも言っていられない。この人物の場面には、相手役が必要で最低1名。または2名。もっと居ても良いくらいである。そんな理由もあるけれど、展示出来ない可能性を考えると、ズルズルと創作の快感に浸っている訳には行かない。 90年代、オイルプリントに熱中していた。写真の素人が廃れた古典技法の再現など出来る訳がない、人形制作を放っておいて、何をしている、と周囲にも反対されていた。もっとも一番そう思ったいたのは私かもしれない。どれだけカメラや写真に興味がなかったかを一番知っている。何でこんなことをしている?と内心ずっとハラハラしていた。そんな経験もある。 それまでの作品を作品をオイルプリント化して生涯を終えるものだとずっと思っていた。そのためにあの頃熱に浮かされていたのだと。しかしそれは間違いであった。あの時欲望を抑えてオイルプリントを途中で辞めていたなら、様々流れは変わり、陰影をなくす手法に至らなかっただろう。

 



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