明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



作った物を友人だけに見せて「良いだろ?」なんて言って生きていられたらどんなに良いか。なんて思っていた頃と違い、ネット上はともかく、発表の機会を得られない物を作るべきではないだろう。しかし快楽を貪るために作っている、と天真爛漫にいってしまった私は、ここに至ればもう良いだろう。 昨年の『寒山拾得展』ではキャラクターこそオリジナルを創作したが、モチーフは伝統に準じた。これから制作しようという人物に関しては、名場面であるにも関わらず、どうも作品化された気配がない。理由を考えてみるに、梅原猛が栄西についていった〝栄西を祖師として尊拝するのは、彼が創始した鎌倉の寿福寺及び京都の建仁寺を本山とする寺などにかぎられ他の禅寺には彼の頂相(肖像)すらない” 臨済宗には14派あり、血筋違えば栄西ですらこうであれば、件の禅師のエピソードも、ある派のある寺に伝わる、ある人物のエピソード、という事もあり得るだろう。逆にいえば、中国から来て帰化した鎌倉時代の禅師のエピソードの、初作品化の可能性がある。もしそんな快楽が得られるならば、友人に見せて「どうだ良いだろ?」でも良いという気もする。



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