明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



神社の石段に雛人形を並べるのが千葉の遠見崎神社だが、拙著、泉鏡花作『貝の穴に河童の居る事』の舞台で、現地で撮影した。風景は一変し、神社には町並みが迫っていたが。私は鏡花が〝書斎派”だと勝手に思い込んでおり、現地に出向いて、そのままスケッチしていることに驚いた。時代を超えて鏡花と石段の上ですれ違った気がした。幻想譚の書き手も、上手い嘘を付くには本当を混ぜるのがコツなのだろうか。物語はこの石段が発端だったりしながら進む。この季節、必ずニュースとなり、目にするたび懐かしい。 引っ越し以来一度も入ったことがない食堂に入った。食べログでラーメンスープがお湯に醤油だ、といくつかあってそれに釣られて?行ってみると中華はもとより蕎麦うどんまである。昔ながらの食道である。実際食べてみると醤油にお湯なんてことはなかった。今時は味覚が鈍い味音痴が多いとみえる。東京の味が次第に濃くなっているのはこのせいだろう。



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