明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



子供の私をチック症にしてまでも、うるさく母が伝えようとしたのは〝ルールが覚えられないなら、せめて覚えているような顔をしろ” 極端に要約するとそう言うことだったかもしれない。確かに今に至って寒山だ拾得だ蝦蟇仙人だ、といえているのは、世間の空気抵抗をいくらかでも減らせたため、という気がしないでもない。  小学生の時、少年飛行兵の話を読んでいて、父も志願すれば戦争に行けたではないか!椅子を蹴立てて、父の前で「何で戦争行かなかったんだよ!」大学の工学部に行ったのもそのためだろう?「大学行ったのは戦後だよ。」父はその一件をしつこくずっと覚えていて、後年親戚の前でバラされ大恥をかいた。〝自分がしたことは必ずされることになっている” 娘のいる友人にそう言っては、その不愉快そうな顔を見るのが大好きだが、私に息子でもいようものなら目の前に仁王立ちされ「何のルールも、知ったかぶりで誤魔化しやがって。」なんて言われたかもしれない。そして親戚の前で息子に一矢報いる機会もないまま終るだろう。



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