明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


ある禅師のエピソードを作品化したいので、資料を集めつつある。しかし。中国の臨済宗の開祖たる臨済義玄が古過ぎてビンと来ないか?であれば、と日本に禅を持ち込んだ日本の開祖栄西ならと思ったら、臨済宗も十四派あり、派が違えば栄西に対する敬意扱いもそれぞれ違う、と知ると、無邪気に作りたい、と手を伸ばすのも躊躇してしまう。ならばとりあえず、差し障りのない所で寒山と拾得の二代目と不動明王の頭を開始している。不動明王と言ってもその表情自体に新味を加える訳でもない。むしろ相変わらずの憤怒の顔していながら、背中の火焔が濡れるのを気にして傍に置いている、というのが可笑しいだろう。その代わり身体は肉々しく作り、滝に濡れて張り付いた衣を生々しくしてみたい。私としてはそれがこのモチーフの作り所である。滝に関しては『虎渓三笑図』用に考えていた手法があったのだが、遠景だったので出番がなかった。それを試したい。火焔はもちろん筆描きにしたい。



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先日、銀行から振込みに関して、との電話があった。かけて来てお名前を?というので、これはサギだ、と母親が鯨を産む夢を見たという江戸の巨人力士〝生月鯨太左衛門”と答えてふざけるな、と電話を切った。 先日注文した自転車がそろそろ届く、と思っていたら銀行から手紙が来た。先方の都合で入金出来なかったので、口座に戻した、という手紙であった。どうやら詐欺サイトに引っかかってしまったらしい。先方の口座はすでに使用不能になっているのだろう。よって被害はなかった訳だが、銀行の電話口の彼女には申し訳なかった。 そう思ってみると同じ説明、同じ写真を使ったサイトがたくさんあって全てが詐欺サイトだろう。その自転車は、10年前に最初のロットを完売して以来、再生産はしておらず数は少ない。なのに毎日のように、全国から感謝の言葉が届いている。口座は中国人名であった。 試しにサイトに電話してみると、まだ小芝居を続けている。私はほとんど全ての場合、私に非があると思い込んでいる人間なので、滅多にない機会とばかりに向こうが電話を切るまで口を極めて嫌がらせを言ってやった。



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