明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



陰影のない石塚式ピクトリアリズムは、もう10年近くやっていると思ったら、まだ6年ぐらいらしい。昨日アップしたつげ義春トリビュート展(ビリケン商会)に出品した『ゲンセンカンの女』は、苦闘中の、ポイントとなった作品である。この頃は陰影と共に日本的遠近法まで取り入れる気でいたが、形を加工するしか方法がなく、これでは〝まことを写す“写真である意味がなくなる。と結局断念し、出品作を2度差し替える、という失態を演じた。わずかにタバコ盆辺りに形跡が残る。 それより何よりも、自分の作った人物は、せっかく自分で造形した陰影なのに、と葛藤しながらも陰影を排除しながら、行燈の灯りの当たる半裸の女体から陰影を排除することに耐えられず、陰影あるカットで後に作り直した。ようやく腑に落ちたものの、石塚式ピクトリアリズムではなくなり、確か展示したことはない。


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