昨日、火災に巻き込まれたら、人形の首だけ引っこ抜いて逃げると書いたが、今作っている半僧坊は、静岡の方広寺の奥山半僧坊大権現が大元で、大火の際燃えなかったことから火伏しのご利益が脚光を浴び、全国に広がったので、半憎坊を作りながら火事に遭うわけには行かない。 方広寺の開祖無門元選が中国からの帰途嵐に遭い、一心に観音経を読んでいると、現れて助けたのが袈裟をまとった鼻の高い異人で、3メートルはあったらしい。無事帰ると再び現れ、無門師に弟子入りを願い出る。「汝、半ば僧に似たる所あり」。そこから半僧坊と称するようになる。方広寺から明治時代勧請(神仏の分霊を場所を移し祀る)したのが建長寺の半僧坊大権現である。十数体の山伏姿の天狗が守っている。 明治3年に方広寺で刷られた物を見ると、袈裟をまとい、鼻の高い猿田彦のように描かれている。瞳の色も薄く、どちらかというと老白人のようである。これがイメージの元のようである。リアルに作られた立体がないな、と思ったとたん、せっかちな、ヘソ下三寸のもう一人の私が発動す。
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