夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

貧しかったのに楽しかった、あの時代へ「ALWAYS三丁目の夕日」

2006年01月07日 21時35分03秒 | Weblog
 どうして懐かしさを感じるのだろう、どうして涙が出てしまうのだろう…夢をもてた゛あの時代゛に引き込まれる「ALWAYS三丁目の夕日」は、東京タワーが完成する昭和33年が舞台。
 戦後13年が経ち、日本が経済的にも裕福になっていた。洗濯機、冷蔵庫、テレビという「三種の神器」が庶民の生活に普及し始めたころ。゛時代゛は、未来に向けて進んでいた。 東京下町の夕日町三丁目。鈴木オートに、集団就職で星野六子がやってきた。立派な自動車工場だと思ってやってきた六子は、町の自動車修理工場だと知ってがっかりするが、鈴木オートの社長・則文の息子・一平が元気づける。それは、鈴木家にテレビがやってくる!ということだった。
 鈴木オートの向かいにある駄菓子屋の店主・茶川竜之介は、ひょんなことから少年・淳之介を預かることになる。少年は一杯飲み屋のおかみ・ヒロミのところに連れられつきたヒロミの友だちの子どもだった。茶川は、芥川賞の最終選考に残ったこともある小説家だが、少年誌に冒険小説「少年冒険団」を執筆して生活を成り立たせていた。淳之介を預かったことを後悔する竜之介だが、淳之介が冒険小説のファンだと聞き、二人は急接近する。
 鈴木家になじんでいく六子。親しくなっていく竜之介と淳之介、そしてヒロミ。そして、鈴木家にテレビがやってきた。近所の人が大勢集まって見るのは、力道山の空手チョップだ!
 季節を経て、家族になっていく人々。そして、相変わらず楽しい商店街の人たち。だが、茶川にとって大切な人たちが夕日町三丁目から離れて行く日も近づいていた。
 監督は「リターナー」「ジュブナイル」の山崎貴。山崎監督といえば、これまでの作品でわかるようにVFX技術を駆使した映像を作り出すことで有名。そのため、現実感のない映像をみせられたりしていたが、今作においてはVFXだからこその映像処理がなされ、昭和33年がリアルに再現されている。昨今の昭和ブームは、昭和30年代がメイン。今の時代は、そのころ子どもだった人たちが発展させてきたのだと思う。そう考えると、この映画は、団塊の世代へのリスペクトなんだと思える。
 小説家でありながら駄菓子屋を副業にしている茶川竜之介に吉岡秀隆、鈴木オートの社長・則文に堤真一、その妻トモエに薬師丸ひろ子、ヒロミに小雪というキャスト。また、淳之介を演じる須賀健太など子役が、昭和の子どもの元気さを見事に演じ、物語の軸となっている。出演は他に、堀北真希、三浦友和、もたいまさこなど。