夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

薬師丸ひろ子コンサートツアー「アナタノコトバ」

2022年10月31日 08時33分30秒 | Weblog

歌手デビュー40周年のコンサートツアー。自身、3年ぶりのコンサートである。

ベストアルバム「アナタノコトバ」からの新曲も披露している。

当方は、薬師丸ひろ子のコンサートに足を運ぶのは初めて。

男性ファンが多いのが特徴。おそらく、若いころからずっとファンできている人たち

だろう。

ステージ上で本人が“初めて来た人”に、今回コンサートに来ようと思った理由を会場の

“優しそうに見える人“代表にリサーチしていたが、「ずっと来たかったけど、予約抽選

に当たらなかった」ということだった。当方も同じ理由で“初“である。

 

若いころは、細くて美しい声質の歌声と感じていたが、年を経て声量がすごいことに

なっている。ボイストレーニングも重ねている模様

加えて、表現力。また、松本隆、呉田軽穂(松任谷由実)が手掛けた曲も多いため、名曲

のオンパレードとも言える。

 

「メイン・テーマ」や「Woman “Wの悲劇より”」では、女優としてのスイッチが入るのが

わかる。歌を演じている。女優・薬師丸ひろ子の真骨頂。彼女にしか歌えない歌がそこにある。

高倉健や厳しかった監督(『セーラー服と機関銃』の相米慎二監督、私は監督の映画が大好きで

した。早く亡くなりすぎた)との体験談も興味深かった。

映画館でその映画を観ていた当方自身が頭に浮かぶ。映画館で映画『Wの悲劇』を観ている

自分を、自分自身が俯瞰して観ている不思議な感覚があった。

やさしい人柄、育ちの良さも感じる心地よいコンサート。歌声も癒しだ。

 

大阪公演をフェニーチェ堺にて鑑賞。コンサートはまだ続くが、チケットは完売しているか

も。

 


『線は、僕を描く』

2022年10月28日 20時13分47秒 | Weblog

線は、僕を描く 

『ちはやふる』の小泉徳宏監督他、製作陣が集結した。今回は水墨画の世界を取り上げて、

新たな青春物語を描き出した。

 

大学生の青山霜介(横浜流星)はアルバイト先の絵画展設営現場で、ある“水墨画“と運命の

出会いをしていた。画の下には千瑛と書かれている。その水墨画を見ながら、霜介は涙を流

していた。“せんえい?”…に会いたい霜介だったが、そこには居なかった。

アルバイトのあと、巨匠・篠山湖山(三浦友和)に声をかけられ、水墨画を始める霜介だっ

たが、その自宅の屋敷には千瑛の姿が…。千瑛(ちあきと読む)は、湖山の孫で設営会場で

見たあの絵の作者だった。

霜介は状況の変化に戸惑いながらも、その世界に魅了されていく。

 

大事なものを喪失しながらも、生きる意味を見出し、再生していく物語。

「僕は、線を描く」だが実は、「線は、僕を描く」。

派手さはないがそこに“芯”のある作品で、物語が静かに流れていくのは当方が好みなところ。

横浜流星と清原果耶は水墨画の習得が大変だったと思う。

冒頭は横浜流星のアップから。その美しい泣き顔から始まる

清原果耶は、明るくはしゃぐ役柄もいいが、じっくり悩み耐える役が似合う。

水墨画の基本も学べる。絵が苦手な当方は、まず感性や想像力を磨かないといけないと思う。

“墨をする”という行為を長らくしていない。あの、独特のにおいを感じてみたい。

そんな、なつかしさを感じる作品だった。青春って、いいなあ。

 

住込みで湖山の世話をする男、実は弟子という役柄を演じるのは江口洋介。霜介の大学の同

級生には、細田佳央太と河合優実。

他に、矢島健一、富田靖子など。

出演は、主題歌は「くびったけ」yama produced by Vaundy。 


『砕け散るところを見せてあげる』(DVD)

2022年10月25日 00時13分10秒 | Weblog

砕け散るところを見せてあげる

原作は竹宮ゆゆこ。監督・脚本は『蟹工船』『うさぎドロップ』という独特の世界観を持つSABUが務めた。

平凡な高校生活を送る濱田清澄(中川大志)は、ある日、学年一の嫌われ者と呼ばれ、いじめにあっている蔵本玻璃(石井杏奈)と出会う。
正義感の強い清澄が玻璃を助けたことで、玻璃は徐々に心を開いていく。
しかし、清澄が玻璃のある秘密を知ったとき、考えもしなかった恐ろしいことが起ろうとしていた。

内容は思ったよりハード。こんな展開になる??と驚き。天真爛漫な学園ものではなく、かなりダークサイドに踏み込んだ。ヒーローものであることは間違いないが、ただのヒーローではないひねりがある。それは、ラストまで続く。いったい何が言いたいのか?なのだが、これで間違ってはいないと思う。

清澄の友人・田丸玄悟を演じるのは井之脇海。玻璃の同級生・尾崎(妹)は清原果耶、その尾崎(姉が)は松井愛莉。また、真っ赤な嵐を北村匠海と、若手注目株が出演している。
清澄の母には矢田亜希子、玻璃の父を堤真一が演じる。

さらに、原田知世が出演。この役柄がポイント。
“正義のヒーロー”も生きているので、そこに救いを求めたい。


『耳をすませば』

2022年10月20日 18時28分14秒 | Weblog

耳をすませば

1989年に少女漫画「りぼん」で連載。1995年にはスタジジブリにより、アニメーション映画

が公開された。

今回は清野菜名、松坂桃李で実写化。監督は平山雄一郎がつとめた。

 

1989年。

中学生の女の子・月島雫(安原琉那)は、読書が好きで図書館に通うことが楽しみ。

ところが、ある日。自分が借りた読書カードに必ず自分より先に書いてある名前に気づく。

天沢聖司(中川翼)…「どんな人なんだろう」と思う雫は、あるきっかけで彼と出会う。そ

の出会いは最悪だったが、次第に惹かれ合うようになる二人。

だが、お互いの夢を追うために、聖司はイタリアに音楽の留学へ。雫は、小説を書く決意

をする。

 

1999年。

雫(清野菜名)は児童の本を出す小さな出版社に勤務している。

小説は書き続け、懸賞に送り続けているが落選ばかり。担当の作家にも自分の意見を言う

ことはできず、作家に担当交代を言い渡される。のびのびと自分らしく働けなくなってい

る雫は、遠く離れた聖司(松坂桃李)を思う。

一方、イタリアに渡った聖司は、現地の友人たちとカルテットを組み、音楽活動をしてい

た。

ところが、楽譜どおりに演奏することに固執してしまい、音楽が楽しくなくなっていた。

聖司もまた、遠くイタリアから日本の雫を思っていた。

仕事がうまくいかず、悩む雫はとうとうイタリアへ向かう。

 

松坂桃李は20代の役。少しきついのでは?と思ったのだが、中学時代の聖司を演じた中川翼

と横顔がそっくり。大人になってからの聖司と違和感がなかった。

アニメでの子ども時代のエピソードを忠実に実写として再現。淡い恋模様が心地良い。

大人のパートは“あるある”要素ではあるが、よくまとまっていて安心して鑑賞できる。

この作品には、時代背景もあり携帯電話でのやりとりが出てこない。それが、

遠距離恋愛の寂しさや儚さが滲み出る。今のように便利に、簡単に連絡ができないから

こその“楽しさ“がワクワクさせ、行動を起こさせる。不便の良さ。

 

アニメ版のテーマになる曲は「カントリーロード」だったが、実写版では「翼をください」と

なっており、女優の杏がエンドロールで歌う。

出演はほかに、内田理央、山田裕貴、森口瑤子、小林隆など。


『椿の庭』(DVD)

2022年10月18日 08時35分37秒 | Weblog

画像1

広告写真を多く手掛けてきた上田義彦が富司純子と『新聞記者』のシム・ウンギョンを主役に

据えた、初監督作品。

 

椿が咲き誇る庭がある一軒家。長年連れ添った夫を亡くした絹子(富司純子)は家族の思い出

が詰まったその家で、娘の忘れ形見である孫娘の渚(シム・ウンギョン)と暮らしていた。

夫の四十九を終えた春のある朝、飼っていた金魚が椿の花に囲まれて死んでしまう。

 

季節の移ろいの中で語り、生活を営んできた絹子と渚。

そこに、ある訪問者が…。

おだやかな生活が続けられるこの大切さが描かれる。

画面はほとんど変わらないし、セリフも少なめ。

他の出演者は、鈴木京香、田辺誠一、清水紘治、三浦透子、宇野祥平など。

 

ゆったりと流れる美しい庭の映像が絹子の心情とリンクする。

また、シム・ウンギョンはこの作品では漢字表記の本名・沈 恩敬として出演している。


『七人の秘書 THE MOVIE』

2022年10月10日 20時24分08秒 | Weblog

七人の秘書 THE MOVIE

テレビドラマシリーズからの映画化。弱者の救済を請け負う秘書たちが活躍する。

レギュラー出演陣の木村文乃、広瀬アリス、菜々緒、シム・ウンギョン、大島優子、室井滋、

江口洋介はそのままである。

脚本は「ドクターX」シリーズの中園ミホ。

 

七菜(広瀬アリス)が「アルプス雷鳥リゾート」の御曹司・九十九二郎(濱田岳)と結婚するという。

出会い系アプリで知り合ったという出会いは他の先輩秘書たちには不評。結婚式に信州までや

ってきたのは千代(木村文乃)だけ。ところが、結婚式の会場である九十九家のお屋敷には二郎は

現れず行方不明となっていた。

間もなく、二郎が経営する牧場が火事となり、市長が焼死。二郎は姿を消していることからグ

ループの総帥である道三(笑福亭鶴瓶)は火事は二郎の仕業と言い放つ。

信州一帯を牛耳る九十九ファミリーだが、その実態は私腹を肥やすためには手段を選ばない者

たちだった。牧場の跡地に、リゾート開発をする計画が進んでおり、その事業には収監されて

いるはずの元財務大臣・粟田口(岸部一徳)が絡んでいるという…ドラマの最終話参照。

二郎を探し、道三を懲らしめるために信州へやってきた秘書たち。巧みに一家に潜入していく

が…。

事件の依頼人は緒方紘一役の玉木宏。九十九家の顧問弁護士を吉瀬美智子が演じる。

 

映画化において笑福亭鶴瓶を起用したのは、「顔は笑っているのに目は笑っていない」から

だという。

その昔、当方は笑福亭鶴瓶に握手をしてもらったことがある。ボウリング場に行ったとき、

鶴瓶氏は仕事で来ていた。当時は、まだアフロヘア。大阪では、ラジオ番組を持っていて

既に人気者だったので、学生などに囲まれた。「僕、前にも会ったことがあるんですけど覚

えてますか?」という者には、当時の決まり文句である「覚えてるよ」と言いながら握手を

していったのである。気前は良かったが「やっぱり嘘くさい」ということを言う人はいた。

そんな時を経て、鶴瓶氏が落語に本腰を入れ始めたころから、当方はチケット争奪戦に参加し

ている。人気だ。落語がうまいかそうでないかは別にしても、話術はうまいし、雑談の視点も

とびきりおもしろい。でも、「目は笑ってない」感じはある。あんなに笑ってるし、笑わせて

いるのに不思議。そして、それがこの人が演技者として呼ばれる所以だと思う。

 

笑福亭鶴瓶と岸部一徳が揃うとドラマ「99.9」を思わせるし、二人とも関西言葉だし、独特の

空気を醸し出す。緩い雰囲気なのに、腹黒感

“2時間ドラマでいいやん“という意見はあるかもしれないが、映画はCMがないので次々展開し

ていく感じがいい。信州の美しい雪景色とともに←撮影は寒かったでしょうね!

 

そして、ドラマのスペシャル版でも秘書仲間が言っていったが、菜々緒演じる不二子の子ども

は誰の子?いつか、この謎は解明されるのでしょうか??


『さがす』(DVD)

2022年10月06日 09時28分04秒 | Weblog

さがす

 「岬の兄妹」の片山慎三が監督、主役は佐藤二朗がつとめたヒューマンミステリー作品。

 

大阪の下町で暮らす原田智(佐藤二朗)と中学生の娘・楓(伊東蒼)。

スーパーで万引きをしてしまった父を引き取りに向かう楓。母が亡くなってから元気なく

過ごす父は「指名手配中の連続殺人犯を見たんや。捕まえたら300万もらえるで」という

のが口癖のようになってきていて、楓は冗談と聞き流してきた。

そんなある日、智が突然姿を消す。楓は警察に行くが相手にしてもらえず自分で探すことに。

やがて、日雇い現場に作業員の中に父の名前を見つけ、楓は会いに行くが、その人物は全く

見覚えのない若い男性だった。

そこから、父親の智目線で年月を遡っていく。衝撃的な展開が待つ。

 

 サイコキラーが登場するので、酷い状況だったろうと想像できるシーンが出てくる。

しかし、大阪市の西成区という独特の雰囲気を持つ地域が物語の中心。貧富の差が大きくなっ

てきた日本において、いつこういうことが起こっても不思議ではないという思いが残る。

また、介護面・医療面の問題や、SNSでの人とのつながりをニュースで見るにつけ、“ありうる”

話として捉えてしまう。

 楓を演じた伊東蒼は『湯を沸かすほどの熱い愛』『空白』での出演が光る若手注目株。

出演は他に、清水尋也、森田望智などで個性的な役者が揃った。


『アイ・アム まきもと』

2022年10月02日 16時36分01秒 | Weblog

アイ・アム まきもと

 2013年製作のイギリス・イタリア合作映画『おみおくりの作法』が原作のもと、『舞妓Haaaan!!!』の水田伸生と阿部サダヲが4度目のタッグを組んだ作品。

 小さな事務所の「おみおくり係」として働く牧本 壮。故人に対する思いやりが強すぎるうえに、自分のルールにこだわる牧本は、人知れず亡くなった人を頼まれもしないのに葬儀をあげて埋葬している。しかも、ぎりぎりまで遺骨を自分で保管してまで。遺体を引き取りになかなか行かないので、刑事の神代(松下洸平)にもあきれられる始末。「おみおくり係」はそんな頑固さと周りの空気の読めない牧本のためにある部署だった。

 そんなある日、新任局長・小野口(坪倉由幸)が「おみおくり係」の廃止を決定。身寄りがなく他界した老人・蕪木(宇崎竜童)の埋葬が「おみおくり係」牧本の最後の仕事なる。蕪木の元彼女・みはる(宮沢りえ)や友人、知人を訪ね歩きいた牧本は、とうとう蕪木の娘・塔子(満島ひかり)にたどり着く。そして、それらの人々との出会いが牧本自身にも変化を起こしていく。

 

 意外な結末が待つ。冒頭とラストのニュアンスが違う。阿部サダヲは顔は笑うが目が笑わない凶悪犯や、今作のような夢中になると止まらない個性的な役と、どれもハマる。水田監督は心優しい日本テレビの演出家。満島ひかりが主演した「Woman」(坂元裕二脚本)などでは社会問題となっている題材を演出してきた。阿部サダヲと満島ひかりという“水田組”の共演を、ぜひ楽しんでほしい。

 出演は他に、松尾スズキ、國村隼など。