夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『終わった人』(試写会)

2018年04月26日 09時36分42秒 | Weblog

ポスター画像(6月9日公開)

 

 

東大法学部卒で大手銀行に入社した男・田代壮介(舘ひろし)が出世コースから外れ、子会社の専務として定年退職を迎える。

目覚まし時計が鳴っても起きなくてもいいのが日常となるが、やることがなく、一日を持て余す。妻・千草(黒木瞳)にも疎ましがられるばかり。

公園や図書館に行くも、いるのは老人ばかり。これではいけないと、大学院の入学を目指し、カルチャースクールに通い始める。そこでの新たな出会いが、壮介に様々な波を起こす。

 

日本の夫婦なら、あるあるの話が連続してやってくるのであろうか、会場のおばさまたちがよく笑っていた。男の人って仕事がなくなると本当にやることがないのか…

舘ひろしのスタイルの良さと足の長さに目がいく。普通に見たらめっちゃカッコイイので、冴えない中年男を演じるギャップはあるが、やっぱり渋くてかっこ良さが際立つ

物語は予定調和であるとは言えるが、ちょいちょい登場する人物がどうオチをつけるのか、どこでそのオチがやってくるのかを待ちたい。一番は、やってくれそうなあの人…

壮介の気持ちを表す効果音にも笑える要素があり。目が疲れる特殊撮影はないので、ゆっくりどうぞ。

出演はほかに、臼田あさ美、広末涼子、田口トモロヲ、笹野高史、ベンガル、今井翼など。原作は「週末婚」などの内館牧子。内館牧子本人もあるシーンに登場するので、顔を知っている人は探してみては。

 


『いぬやしき』(試写会)

2018年04月18日 23時18分20秒 | Weblog

ポスター画像

まず、この作品ははホラーではないということをお知らせしたい。いぬやしきとは人の名前なので、怪しいハウスを指したものではない。が、怪しくないと言えなくもない、そんな雰囲気はある。
とんねるずの木梨憲武が主演、さえない親父を演じるところから始まる。

会社では一人だけ売り上げが上がらす、上司から叱責されるばかりの犬屋敷。家に帰ると、妻や子どもには無視され、ウザがられている。

ある日突然、医者から末期ガンによる余命宣告を受ける。しかし、そのことを打ち明けられず、居場所がない犬屋敷は、立ち寄った近くの公園で時間を過ごそうとしていたところ、少年が一人でベンチに座る姿を見かける。
そのとき、空から強い光が差し、墜落事故に二人は巻き込まれる。それは、何者かによって未知の力を与えられた瞬間だった。
自分の身体の変化に気づき、恐ろしくなる犬屋敷。機械の身体に生まれ変わった彼は人間ではない遥かに超越した力を持つ。一方で、犬屋敷と一緒に不思議な力を与えられた少年・獅子神皓(佐藤健)は、凶器ともなるその能力で、大量殺人鬼となる。

傷ついた人を救おうとする犬屋敷と傷つけていくばかりの獅子神。
その二人がとうとう、向かい合うことに…

原作は「GANTZ」の作者でもある奥浩哉。監督は佐藤信介と、再びダッグを組んだ。生の映像とCGを融合して、迫真の新宿崩壊シーンをつくった。体内から繰り出す兵器と空を飛ぶ映像の連続。手が込んだ作品となっている。
テレビCMでは円広志の♪飛んで飛んで(夢想花)♪が使われているが、実はそれはあまりマッチしていない。もっと緊迫しているので注意。佐藤健は、冷酷な雰囲気のある役柄の方が合っているような気がする。この作品でも身体能力の高さを発揮している。木梨憲武はちょっととぼけた雰囲気を生かしつつ、よく飛んだ!

このところ、最新技術を生かしたCG処理映画を観ている。これからの映画は、動く映像と独特の世界観のあるものになっていくのだろうか?

濱田マリが犬屋敷の妻役として出演。夫に厳しい言葉を投げかけながらも、パートに出て生活を支える。ほかに、本郷奏多、二階堂ふみ、三吉彩花、伊勢谷友介など。

(公開は4月20日、金曜日)


『去年の冬、きみと別れ』

2018年04月15日 23時36分44秒 | Weblog

 

ポスター画像

最愛の人との結婚を控えた記者・耶雲(岩田剛典)は、一年前に世間を騒がせた猟奇殺人事件の容疑者だった天才カメラマンの木原坂(斎藤工)に、企画原稿を持ち込む。

そして、事件の真相に近づく耶雲だったが、木原坂の罠は婚約者の百合子(山本美月)に及んでしまう。

だが、本当の罠は別に潜んでいた。

主演は『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』の岩田剛典。前作とは一転、苦悩する役柄を演じている。
映画のタイトルの意味はラストシーン知ることができる。あっという結末が待つ。一気に話が展開し、形勢が逆転していく。

ほかのキャストは北村一輝、朝ドラ「べっぴんさん」で主要キャストの一人だった土村芳。この土村の存在がこの映画の核心へとつながっていく。
個性派俳優たちがそれぞれの役割を果たしているし、キャラクターの濃さも生きている。ただ、もう少し岩田演じる耶雲に狂気性が見えたら良かった。

原作は「教団X」の中村文則。監督は瀧本智行が務めた。


『北の桜守』

2018年04月12日 11時44分21秒 | Weblog

 

ポスター画像

 

主演であり、プロデューサーでもある吉永小百合が、宣伝活動も買ってでていて、テレビにも精力的に出演していた。『北の零年』『北のカナリアたち』に続く〝北の三部作〟に位置づけられる。吉永小百合、120作目の映画。

記憶に障害が出てきた母親・江蓮てつと息子の修二郎が、母親の過去を振り返っていくうち、ある記憶を思い出す。
息子は母親の予測できない行動に寄り添いながら、母親と悪化していた関係を見直していく。

樺太にロシアが侵攻してきた時代から物語は始まる
庭に桜を植え、桜を見守りながら出征した夫の帰りを待つが、それが不可能な状態に。息子を連れて、樺太を離れ、網走にたどりつく。苦労を重ねながら生きていく、てつたち。
その姿を追う。

本編の途中では、舞台での表現が登場。命からがら生き延びていくさまが、舞台演出によって再現される。
この演出は、ラストで大団演となる
映画が突然、舞台作品となり違和感ありと思うかどうか?(ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出)←舞台作品としてはすごくよくできていると思う。

修二郎を演じるのは堺雅人。アメリカに渡った彼は、妻の父の力を借り、ビジネスで成功している。
その妻の真理を演じるのは篠原涼子。てつの夫には阿部寛。

主に母と息子の旅、母の記憶の舞台演出、息子の事業と場面は展開していく。

監督は『おくりびと』の滝田洋二郎があたっている。

タイトルとなっている桜は冒頭で出てくるが、桜守というほどの場面はない。
タイトルと中身のギャップは感じた。また、映画で舞台表現がくるのはおもしろい試みとも言える(『何者』にもあった)が、慣れない人には違和感があるかも。もしかたら、コスト面を考えての演出なのかもだが。北海道の景色をもう少し見たいというのはあった。

劇場には高齢者が多かったが、すすり泣いてる人もいた。


『レディ・プレイヤー1』(試写会)

2018年04月11日 09時06分49秒 | Weblog

レディ・プレイヤー1

いまから27年後の未来。時代は進んでいるかと思いきや、荒廃していた。人々は仮想世界〝オアシス〟に逃げ込み、そこを居場所にしていた。〝オアシス〟での親友、ライバルの存在がすべて。

そんなある日、〝オアシス〟の開発者が死亡し、ある遺言を残す。そこから、〝オアシス〟での戦いが始まる。

仮想世界と現実世界が順にもしくは、お互いに入り込みながら描かれていく。
最新技術が駆使されているのであろう映像がすごい。言葉をたくさん持っていればすごさを伝えられるのであろうが、残念ながらその表現方法を持たない。
ただ、これからの映画はこんなになっていくのか!と思う。

また、スティーブン・スピルバーグ監督作なのに、日本人が大好きなキャラクターが登場する。絶対、盛り上がるはず。

しかも、ゲームばかりしないで現実世界も知ったほうがいいよ、というメッセージも込められているのがこの作品のポイント。

この映画は3D鑑賞ができるが、試写会では2Dだった。それでも十分楽しめるが、ゲームをやりなれてきた世代や、キャラクターの動きをがっつり見たい人は3Dではもっと楽しめるだろう。
エンタメ、娯楽作品。
たまにはいいと思います。


(梅田ブルグ7にて鑑賞)

 

 


『ダンガル きっと、つよくなる』(試写会)

2018年04月06日 11時47分24秒 | Weblog

映画の最後の踊りや独特の文化の表出で人気があるインド映画。インドでは、日本の2倍ぐらいの映画が製作され、数多くの国民が映画を楽しんでいるとか。
この作品も、圧倒的なおもしろさがある。ただ、ラストに歌って踊ることはないのだが、あらゆる場面でインド映画らしさが表現されている。

舞台はインドの田舎町。レスリングの元選手であるマハヴィルは、世界大会に出て金メダルをとることが夢だったが、生活のためにレスリングを諦めなければならなかった。そんな彼は、金メダルを自分の息子に取らせることが夢。だが、産まれきたのは女子ばかり4人。マハヴィルを落胆させる

10数年後、長女のギータと次女のバビータが近所の男子をぼこぼこにし、その母親が乗り込んでくる。
マハヴィルは、娘たちに相手をどのようにぼこぼこにしたのかを聞きき、レスリングを教えることを思い付く。娘たちに、レスリングで金メダルを取らせる!
次の日から、ギータとバビータに厳しいトレーニングが課せられる。

女の子にレスリングをやらせるなんて、村の噂になると反対する母親のダーヤだったが、マハヴィルはそれは今だけと聞き入れることはなかった。
娘たちは娘たちで、あらゆる策で拒否姿勢を見せるのだが…。

環境の整わない田舎町でのトレーニングと父親の愛情に注目。しかも、父と子の話だけではなく、インドがかかえる人権的問題にも触れることができる。
世界的には小さいことでも、社会を動かすことはできると提示されているとも言える。

そして、ギータはナショナルチームでトレーニングすることになり、マハヴィルの下を旅立っていくが…。最後は絶対ああなるやろう、とわかっている。そうにしかならんやろ、と思う結末しかないけれど、泣くし、笑う。

羽目を外したギータとバビータに友人は言う。「あなたたちは、父親に愛されている。インドの娘は成長すると顔も知らない人に嫁にいって、子育てするだけ。子どもを産む道具にされるだけ。でも、あなたたちは違う。愛されている」と。インドでは女性の地位が低く、適齢期になると強制的に結婚させられる。そうではない道をマハヴィルは娘たちに示すのである

ところで、父のマハヴィルは、やたらめったらと根拠のないトレーニングをしていたわけではない。父だから優れた指導をできているのではなく、その子の特性をみている。親子鷹がすべて成功するわけではないとうことは踏まえておきたい。

過去にギータは吉田沙保里と対戦し、負けている。また、妹のバビータは、川井梨沙子と対戦し、勝っている。映画のモデルとなったギータは吉田沙保里の大ファン。その声を聞き、吉田沙保里も川井梨沙子もこの映画を鑑賞している。

「ダンガル」とは、レスリングの意味。マハヴィルを演じているのは『きっと、うまくいく』のアミール・カーン。体重を増減して役作りすることで有名なカメレオン俳優の彼の作品にはずれはないということで。

蛇足、あたまの堅い日本相撲協会の関係者もこの映画を見てみては?なんか学べるかも。

ポスター画像

(4月6日公開)