リンゴ農家、木村秋則さん夫妻の実話を映画化。大事件が起こるわけでもなく、物語の展開やラストがわかっている、ド直球な作品。しかし、これがストレートでじんわりきてしまうのである。人気とりのキャストではない俳優陣も、それぞれの役柄にぴったり納まっている。監督は、『ゴールデンスランバー』などの中村義洋。
青森のリンゴ農家に生まれ育った三上秋則は、農業にまったく関心がなく、高校卒業後は電気メーカーに勤務していた。そんなとき、親から見合いを勧められるが、相手もリンゴ農家のためイヤイヤ出席。だが、そこにいたのは、高校時代から秋則が思いを寄せる木村見栄子だった。結婚相手が見栄子なら、断る必要もない…ということで、秋則は木村家の養子として見栄子と結婚する。
リンゴ農家として、秋則はそれなりに充実した生活を送るが、リンゴ栽培に欠かせない作業である農薬散布が見栄子の身体を脅かしていることを知る。安全なリンゴを作ることと、安全にリンゴを作ることは違っていたのだ。そして、愛する妻のため、無農薬でリンゴを栽培することを秋則は誓う。
だがそれは、苦難の連続だった。
生活を切り詰め、妻子には苦労を背負わせ、借金は嵩んだ。そして、万策が尽き、追い詰められた秋則に光がさす出来事が起こる。
木村夫妻を演じるのは阿部サダヲと菅野美穂。無農薬リンゴ栽培のためにまっすぐ突き進む秋則役の阿部サダヲは、この人以外考えられないというぐらいのハマりぶり。その夫を支える妻を演じる菅野美穂も、安定感を見せている。脇に配されたのも山崎努や伊武雅刀、原田美枝子などのベテランで、映画全体がしまっている。子どもたちにも、泣かされる。11年も一つの思いに突き進み、諦めずに、やり遂げる。東北人の強さや日本人の強さを感じる。
(6月8日、公開)
青森のリンゴ農家に生まれ育った三上秋則は、農業にまったく関心がなく、高校卒業後は電気メーカーに勤務していた。そんなとき、親から見合いを勧められるが、相手もリンゴ農家のためイヤイヤ出席。だが、そこにいたのは、高校時代から秋則が思いを寄せる木村見栄子だった。結婚相手が見栄子なら、断る必要もない…ということで、秋則は木村家の養子として見栄子と結婚する。
リンゴ農家として、秋則はそれなりに充実した生活を送るが、リンゴ栽培に欠かせない作業である農薬散布が見栄子の身体を脅かしていることを知る。安全なリンゴを作ることと、安全にリンゴを作ることは違っていたのだ。そして、愛する妻のため、無農薬でリンゴを栽培することを秋則は誓う。
だがそれは、苦難の連続だった。
生活を切り詰め、妻子には苦労を背負わせ、借金は嵩んだ。そして、万策が尽き、追い詰められた秋則に光がさす出来事が起こる。
木村夫妻を演じるのは阿部サダヲと菅野美穂。無農薬リンゴ栽培のためにまっすぐ突き進む秋則役の阿部サダヲは、この人以外考えられないというぐらいのハマりぶり。その夫を支える妻を演じる菅野美穂も、安定感を見せている。脇に配されたのも山崎努や伊武雅刀、原田美枝子などのベテランで、映画全体がしまっている。子どもたちにも、泣かされる。11年も一つの思いに突き進み、諦めずに、やり遂げる。東北人の強さや日本人の強さを感じる。
(6月8日、公開)