夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『メゾン・ド・ヒミコ』(ビデオ)

2006年09月27日 23時46分40秒 | Weblog
 いわゆる゛おかま゛をカミングアウトして、生きて行くことを決めた人たちにも老後はやってくる。人間として、正々堂々と責任を持って生きてきた人の老後をどのように迎えるのか、終いの住処はどこにするのか、深く考えさせられる物語である。
 かつて、銀座にあった゛おかまバー ヒミコ゛は、社会に広く認められ、店は賑わいを見せていた。しかし、突然、店のママであるヒミコは店を閉じ、ホテルを買い、そこを老人ホームとしたのである。そこには、ヒミコを含め、店の従業員だった者が暮らしていた。
 女性の心を持ちながら、男性として生きることを求められ、社会に迎合しなければならない゛おかま゛の辛さ。日本社会では、男的女的な役割がはっきりと求められることはまだまだ多い。そんな深刻な問題を明るいタッチで描いているところが、今作の特徴であろう。差別と偏見がある中で、゛そうそう、ヒミコさんたちの老人ホームはやっぱり必要よね゛と、感じずにはいられない。
 出演は、ヒミコの娘に柴咲コウ、ヒミコの現在の恋人にオダギリジョー、ヒミコに田中民(ミンの文字がないです)。オダギリジョーの同性愛者ぶりはなかなかです。不思議感なし。

『佐賀のがばいばあちゃん』(アンコール上映)

2006年09月23日 19時46分08秒 | Weblog
 貧乏だけど、そこには生きる知恵とおばあちゃんの愛があふれていた。『佐賀のがばいばあちゃん』は、島田洋八の自伝的小説を映画化したもの。
 母が働くため、二人の息子の内の弟が佐賀県の祖母に預けられる。まだ小学生に上がったばかりの子どもが、母を恋しがる切ない思いがひしひしと伝わってくる。そして、おばあちゃんを大切に思える子どもに成長して、子どもはおばあちゃんのもとを離れて行く。
 貧しいことが暗いことではなく、明るこれば貧しさは感じない。その言葉どおり、おばあちゃんは明るく、力強い。消費することが美徳とされるこの時代、生きる知恵ともったいないと思う気持ちが欠落してきている。この物語は、そんな現代に風穴をあける、貴重な作品と言えるだろう。゛きゅうりやなすは、曲がっていても刻んで食べればどれも同じ味゛であり、美しいものばかりがおいしいわけではない。当たり前のことだが、改めて言われると気づくことである。便利さだけを追求しても、生きる知恵は生まれてこないかもしれない。
 また、学校の教師たちが、生徒一人ひとりの個性に合わせ接することができていた昭和30年代。゛生徒の持つ問題゛を考えて行動できる時代だったんですね。今なら゛依怙贔屓゛と言われるようなことも、時には必要なのでしょう。
(梅田ブルク7にてアンコール上映中)

美しい沖縄の景色と人の暖かさを感じて、涙がぽろぽろあふれる『涙そうそう』(試写会)

2006年09月22日 00時10分19秒 | Weblog
 名曲『涙そうそう』は、作詞を手がけた森山良子が、自分のことを大切にしてくれていた亡くなった兄のことを思って書いたもの。その『涙そうそう』がモチーフになっているのが映画『涙そうそう』である。
 洋太郎(妻夫木聡)とカオル(長澤まさみ)は、母(小泉今日子)が亡き後、祖母に育てられてきた。「カオルのことを頼むわね」と言い残した母の遺言どおり、洋太郎はカオルを暖かく見守り、時には励まして生きてきた。そこには、笑顔があふれ、貧しいなかにも夢があったが、永遠に続くことは難しく…。
 いつも見守ってくれている人がいる安心感があるというのは、人を強くする。殺伐とした今の時代だからこそ、人と人の信頼を築きたい。改めてそう感じさせてくれるのが映画『涙そうそう』である。今作の監督は初メガホンの「いま、会いにゆきます」で非凡な才能を見せつけた土井裕泰、心優しい兄・洋太郎に若手を代表する妻夫木聡、妹・カオルを「タッチ」「ラフ」と主演作が続いている長澤まさみが演じている。土井監督の押し付けがましくない演出と、ごく普通のありきたりなストーリーが、かえって涙を誘う。
 (9月21日、TOHOシネマズなんばにて試写会、土井監督、妻夫木聡、長澤まさみの舞台挨拶あり)


5万人が熱狂!『POP UP!SMAP』

2006年09月21日 01時09分58秒 | Weblog
 20日から大阪で連続4日間の公演するSMAP。平日の夜公演でも超満員。最新のアルバムを中心に構成されたコンサートとなっている。
 大きな会場であるが、車やクレーン、宙づりありで、メンバーは会場中を大移動するので、ファンには有り難い。老若男女が会場に集まり、ファン層の幅広さを見せつけている。 京セラドーム大阪で4日間連続コンサートができるのは、国民的アイドル(古い言い回し!)であるSMAPだからであろう。
☆チケットはプラチナチケットで、手に入れるのは大変です。せっかく手に入れたチケットは売らずに、見に行きましょうね。
(9月20日京セラドーム大阪:旧大阪ドームにて)

『日本沈没』

2006年09月17日 19時52分15秒 | Weblog
 ご存じのとおり、73年に公開された映画のリメイク。同名小説も当時に話題になった。
 地震と火山の噴火が日本列島で続いて発生し、列島が分裂し、沈没し始める。地球科学博士・田所雄介(豊川悦司)は、日本沈没までに残された時間は1年であると政府に進言。しかし、政治家の中には緊急度を把握しようとしない者もいた。その中で首相(石坂浩二)は危機管理担当大臣(大地真央)を指名し、危機回避に乗り出す。
 田所の作戦を実行する潜水艦の操縦士に草なぎ剛、その恋人でレスキュー隊員に柴咲コウ。
 監督は『ローレライ』の樋口真嗣のため、爆発やビルが崩れ落ちるシーンは特殊撮影がされている。それを大迫力シーンで臨場感があると感じるかどうかは、世代間で違いがあるかも。現代の映画ではあるが、ラストは戦争に行く若者のように草なぎが見え…。 

踊る大捜査線のスタッフが送る、笑いと涙の物語『UDON』

2006年09月09日 21時57分21秒 | Weblog
 うどんとそば、どちらが好きか?と聞かれれば、関西人なら゛うどん゛と答える人が多いだろう。とりわけ、香川・さぬきの人たちにとっては、うどんブームはブームではなく生活必需品と言えるのではないだろうか。 コメディアンになる夢が破れて、香川県の実家に戻った香助だが、香助の父は製麺所を営み、うどん以外に何もないその場所は本当ならば帰りたくない場所だった。そんな香助は、タウン誌で働き始める。タウン誌をたくさん売れば、給料も上がると知った香助は、地元の人も知らない製麺所を紹介しようと、スタッフと奔走する。
 東京でもうどんブームとなり、讃岐にはたくさんの人がうどんを食べに集まり始める。だが、ブームには、終わりが待ち受けていた。
 『踊る大捜査線』の本広克行監督の最新作。うどんをとおして、友情や親子関係を描いていく。香助にユースケ・サンタマリア、女性編集者に小西真奈美。また、香川出身の芸能人がチョイ役で出演しているので、チェックしてみると楽しめるだろう。ストーリーに驚くような展開がない分、じっくりと観れる。エンドロールが終わってからのシーンもお見逃しなく。

甘さとほろ苦いラブストーリー「シュガー&スパイス~風味絶佳~」(試写会)

2006年09月08日 23時03分19秒 | Weblog
 恋は、甘いものだけではなくて、ほろ苦くて、時にはスパイスも必要なもの。基地の街・東京ー福生の美しい映像と青春の輝き。恋するときのいとおしい気持ちを織り込んだ、ストレートなラブストーリーが『シュガー&スパイス~風味絶佳~』である。
 『誰も知らない』で、第57回カンヌ国際映画際で最優秀主演男優賞を獲得した柳楽優弥と、『パッチギ!』以来、成長著しい活躍を見せる沢尻エリカが主演。「本の雑誌が選ぶ2005年度ベスト10」で第一位に輝いた山田詠美の小説『風味絶佳』。
 史郎(柳楽優弥)は高校卒業後車が好きという思いで゛とりあえず゛ガソリンスタンドで働いている。そこに新しくアルバイトとして入ってきた乃里子(沢尻エリカ)に、はじめての本当の恋心を抱く。ある日、乃里子は元カレ・矢野(高岡蒼甫)とケリをつけるために彼の所に行くというが、その場に史郎はつきあうことになる。それがきっかけで、二人の距離は近くなり、「19になったら、一緒に暮らそう」と乃里子は提案する。
 幸せに過ごす史郎と乃里子だったが、矢野が乃里子の前に現れる。乃里子は、隠していた自分の気持ちに気づくのだった。
 史郎と乃里子の恋のキューピットになるのは、史郎の祖母゛グランマ゛である。70歳のグランマを演じるのは、個性満開の夏木マリ。孫・史郎への恋の指南が独特の感性で、圧倒的な存在感を示している。
 柳楽くんのラブストーリーってどうよ?と思っていたが、結構こなしてます。この映画の協賛は、森永ミルクキャラメルだが、それが持つ意味は映画に大アリです。

パルコ・プロデュース『志の輔らくご』

2006年09月05日 19時55分39秒 | Weblog
 テレビでの司会も好評な落語家・立川志の輔。パルコでの10周年記念公演(1ヶ月公演)は大成功し、大阪での公演ではその中からのベストセレクションされ、9月4日・5日と行われた。『志の輔らくご』は、落語と他の日本文化とのコラボレーションが行われてきたが、今回の大阪公演では、狂言とコラボレーションされたもの。落語の途中で茂山狂言が始まり、会場は興奮の渦に…。
 現在の社会事情を話の中に取り入れながら笑いを取ることも忘れない。゛落語って難しい?゛なんてことは考えずに、楽める。
(シアター・ドラマシティにて)