夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』

2021年12月30日 22時02分20秒 | Weblog

99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE

松本潤主演の人気ドラマ「99.9 刑事専門弁護士」の映画化。
12/29のスペシャル版テレビドラマ放送分から続くが、見ていなくても映画の冒頭にナビゲーションがある。
日本では刑事事件で起訴されると99.9%が有罪となるが、0.1%を諦めないで追求してきた斑目法律事務所刑事事件専門チーム。事実が知りたい深山大翔(松本潤)と室長から所長となった佐田篤弘(香川照之)に新人弁護士の河野穂乃果(杉咲花)が加わり、にぎやかに真面目に事件と向き合っていた。

ある日、15年間前に起きた天華村毒物ワイン事件に関する依頼が舞い込む。
その事件には謎の弁護士、南雲(西島秀俊)とその娘のエリ(蒔田彩珠)が関わっていた。
犯人はえん罪のまま、獄中で亡くなったのか?それとも無罪だったのか?
深山たちは事実を探し出すことに奔走する。

テンポがいい。難しいだけでなく、小ネタが次々入るので飽きることがないのはドラマと変わらず。
ただ、途中でトリックというか、犯人というべきか、わかってしまう。気づいてしまう。

どこかで見たテレビドラマでもあったな、こういうの・・・という。
もしかしたら、事件の重さを見せるものではないのかもしれないが、そういう点もあり物足りなさはあると感じた。



これまでヒロインを務めていた榮倉奈々や木村文乃も登場するので、懐かしさと相変わらずのマイペースぶりにほっとすることも。
そして、この作品の何気なくいいところは、佐田と妻と娘の場面だと思う。今回は特にその傾向が強い物語の展開でもある。

ほかに、マギー、片桐仁、馬場園梓の斑目チームと笑福亭鶴瓶や奥田瑛二、青木崇高といった検察チームも出演する。また、村人として高橋克実、道枝駿佑(なにわ男子)など。

監督はドラマのときの同じ木村ひさし。主題歌は嵐の『Fined The Answer』となっている。

ドラマのファンの人は楽しめるだろう。


『私はいったい、何と闘っているのか』

2021年12月27日 22時52分11秒 | Weblog

私はいったい、何と闘っているのか

井澤春男は45歳。
地元のスーパー“ウメヤ”で主任をしている。家では家族を愛するマイホームパパ。
店長になる日がこないまま、できる主任の位置にいる。
そんなとき、店長(伊集院光)が突然亡くなってしまい、春男は副店長に。外部の業者にまでとうとう店長だとおだてられるが、やってきたのは自分よりも若い気弱そうな人物だった。
そんかとき、収支が合わないという問題が上がる。

長女(岡田結実)の結婚話も交え、家族の関係が明らかになっていく。
小さな話の積み重ねがじわじわと脳内を刺激する。

監督は安田顕が主演した『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています』の李闘士男。
春男の妻を演じるのは小池栄子。最近の小池栄子は、いい距離感でその場にいるなぁ、と思う。

春男の部下には、ファーストサマーウイカ、金子大地。ほかに、SWAY(劇団EXILE)白川和子など。

原作は、つぶやきシローの小説というのを知らなかったので驚いたが、安田顕が演じる井澤春男が心の声のつぶやきが、そういえばそうか!と。心が温まる作品である。


『MOTHER』(DVD)

2021年12月20日 14時04分47秒 | Weblog

MOTHER マザー

長澤まさみが毒親を演じ話題となっていた作品。長澤まさみはこの作品で日本アカデミー賞主演女優賞を受賞した。

監督は『日日是好日』の大森立嗣。「少年による祖父母殺害事件」に着想を得たヒューマンドラマ。

 

男たちと行きずりの関係を持ち、その場その場をしのいで生きてきたシングルマザーの三隅秋子(長澤まさみ)。

生活に行き詰まるとお金を無心される妹の楓(土村芳)や両親は、秋子と縁を切ることを告げる。

秋子は長男の周平(奥平大兼)に執着し、周平はまた母の要求にこたえようとしながら生きている。

そして、とうとう事件は起こってしまう。

秋子の内縁の夫を演じるのは阿部サダヲ。ほかに、皆川猿時、仲野太賀、夏帆などが出演している。

 

こんなことは映画の話だけと思いがちだが、似たようなことはどこでも起きている。

支援しようとしても、そこに居心地の悪さを感じてしまう人、そもそも自分に支援が必要だと思っていない人など、

どうしてもネットワークから漏れてしまうケースができてしまう。

そして、その弱みに棲みつく口先だけの男がやってきて…。

子どもに愛情がないわけではないが、その表現がわからないというのもよくあることだ。

だが、子どもはどんな母でも大好きで、そこは危険だと周りが言っても母親のところに戻ってしまう。

 

全く関係がない作品なのに、是枝裕和監督の『誰も知らない』を思い出しながら鑑賞してしまった。


『HOKUSAI』(DVD)

2021年12月14日 15時50分18秒 | Weblog

HOKUSAI 

のちの葛飾北斎となる勝川春朗は、素行不良で師匠に破門された貧乏絵師。

不貞腐れ、かつ自信家で鼻もちならない春朗(柳楽優弥)の絵を見た版元の蔦屋重三郎(阿部寛)は、彼に興味を抱く。

蔦屋重三郎は歌麿(玉木宏)や写楽を世に出していた。

妻のコト(瀧本美織)の励ましもあって、春朗は次々と絵を描いていく。

だが、幕府は浮世絵が庶民にわたることで世が乱れると、弾圧していく。

青年期の北斎を柳楽優弥、老年期は田中泯が演じている。監督は『相棒』シリーズの橋本一。

 

先日、NHKの教育テレビチャンネルの番組で、〝葛飾北斎の絵はアニメーションである〟という取り上げ方をしていて

興味深かった。

確かに波の動きが重層であり、水しぶきも動き出しそうだ。

そのために何度も海に足を運んだはず。この時すでに高齢であるはずなのに意欲的だ。

と、そんなことも思い出したが。

 

この映画は、作品に向き合う姿勢を描いたものになるのだろうか。キャストはいいのだけれど、全体的な中身はぼやけ

てしまったように感じる。

 

 


『梅切らぬバカ』

2021年12月06日 11時22分23秒 | Weblog

梅切らぬバカ

 

加賀まりこと塚地武雅が親子役で共演。加賀まりこにとっては1967年『濡れた逢びき』以来54年

ぶりの映画主演作である。

 

古民家で占い師をしている山田珠子(加賀)は50歳になる自閉症の息子の忠男(塚地)と二人で

暮らしていた。

隣家に引っ越してきた里村一家は、山田宅の庭にある梅の木の枝が通行の邪魔で文句たらたらの

里村茂(渡辺いっけい)だったが、その妻・英子(森口瑤子)と息子の草太(斎藤汰鷹)は珠子

や忠男との関係がうまくいき始めていた。

作業所に通う忠男は最近落ち着いて仕事ができるようになり、珠子は、いつか自分が亡くなった

あと息子が生活に困るという考えから、知的障害者が生活するグループホームに入居させる。だ

がそこで、ある小さな事件が起こってしまう。

 

地域の人に会えば挨拶する。必要なら声をかける。そういう普通のことでいいと思う。

その人を知ることに特別なことはあるのだろうか?

乗馬クラブが地域に存在し、馬が脱走することも地域の迷惑として取り上げられているが、乗馬

クラブを定期的に地域の人や障がいのある人に開放し、ふれあいの場として提供すれば良いので

はないか? 

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」に由来したタイトル。手をかけて育てることが必要との意味

を表す。加賀まりこはパートナーの息子さんが自閉症であるとか。占い師としての破天荒さと、

息子を思う母と絶妙なバランスである。塚地武雅ともいい親子だと思う。

この作品は徐々にクチコミで上映館が増えていっている。

映画を鑑賞しながら、ケーススタディのように話す人が見受けられたが、まずは映画鑑賞して、

ケースについて話すのはあとにしてほしい。→コロナ禍でもありますしね。