夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「母なる証明」(韓国映画)

2009年11月30日 23時20分43秒 | Weblog
 軽い知的障害のある息子が殺人事件の容疑者となるが、それを信じられず、しかも誰も頼ることもできず、母親が自分で真犯人を探し出す話。
 と、簡単にあらすじを説明するとそういうことになるだろう。息子を守るために、ただひたすらに真犯人を探す。ただひたすらに、だ。
 しかし、本当は何と言えば説明がつくのだろう。
 ラストがこうなるんだろう、と察しがつくと思ったところで、さらに展開する。重要なのは、誰が真犯人であるかではなく、他にある。善と悪とは、何か。母性とは何かということ。そして、人間の本性とは何かを描き出す。
 監督は実際の未解決事件を描いた『殺人の追憶』や大作『グエムルー漢江の怪物ー』で世界的に高い評価を受けるポン・ジュノ。今作は特に、強い人間ドラマとなっている。
 息子を守る母親役には、テレビドラマでは韓国の典型的な母を数々演じてきているベテラン女優、キム・ヘジャ。その息子・トジュンは、除隊後初の映画出演となるウォンビン。
 この映画は彼女(キム・ヘジャ)なくしては成立しなかったというポン監督の言葉どおり、これまでの彼女のイメージを壊している。決して、母と子の感動作ではない、作り込まれた映画である
(2009、韓国) 

「今、このままがいい」(韓国映画)

2009年11月29日 00時08分30秒 | Weblog
 異父姉妹で、まったく性格の違うミョンジュとミョンウン。済州島で生まれ育った二人だが、幼いころから仲がよくなかった。大人になってからは、別々に暮らしていたが、母の死をきっかけに再会。自分の父親の存在が気になっていたミョンウンは、ミョンジュを誘い、全州旅行に出かける。
 旅の途中、けんかをしながらも、ミョンジュは少しづつ、ミョンウンの父親について話し始める。そして、ついにその真相が明らかになる。
 ある意味、衝撃的なラストだが、ジーンとくる。
 異父姉妹を演じるのは、ドラマ『美しき日々』のシン・ミナとドラマ『ありがとうございます』のコン・ヒョジン。韓国での親の存在の意義や、重要さが垣間見れる。゛家族゛のあり方を問う。
 シン・ミナは、ソウルで働く都会的な女性を。コン・ヒョジンは『ありがとうございます』と同じように、シングル・マザーの役どころ。コン・ヒョジンはまだ若いが、どっしりとした演技を見せている。実力派だ。
(布施ラインシネマにて、『2009 大阪韓国映画週間』) 

「曲がれ!スプーン」

2009年11月28日 19時59分42秒 | Weblog
 超常現象や、サンタクロースを信じていた子どものころ。大人になってみると、そんなことを信じていたことがバカバカしくなるけれど、むやみやたらに否定しなくてもいいじゃないかという、心の奥底で大切に思っておきたいことを呼び起こしてくれそうな、思い切ったストーリー。
 劇団ヨーロッパ企画の人気作品『冬のユリゲラー』を映画化。映画化にあたり、主演のAD役である長澤まさみを中心に話が変更されている。
 監督は『踊る大捜査線』や『UDON』の本広克行。
 「あすなろサイキック」という超能力人気番組。しかし、超能力者だと言ってやってくるのは、まがい者ばかり。番組に対するやる気のなさを指摘されたAD桜井米は、ディレクターに新しい超能力者を探してくるよう命令される。
 投稿をもとに、全国各地を回る米(よね)は、クリスマスイヴにカフェ・ド・念力という喫茶店にたどり着く。会う約束をしていた投稿者は、やっぱり超能力者とは言えない“細男”という人物だった。そして、偶然そこに居合わせた人たちは、チンプンカンプンな個性豊かな人たちばかり。だが彼らこそ、本当の超能力を持つ人たちだった。しかし、日常生活を送るため、本当の姿を隠して生きているのだ。透視能力のある者、意思の力で人を飛ばせるくらい不思議な力がある者(サイコキネシス)、テレパシーができる者、5秒だけ時間を止めて瞬間移動する者(テレポーテーション)。意思の力で電気機器を操作できる者(エレキネシス)。そして、修行中の喫茶店マスター。
 自分たちの秘密を知られたくないエスパーたちは、米に喫茶店での取材をあきらめさせようとする。しかし、テレパシーで米が小さいころの゛ある夢゛を信じていると知った超能力者たちは、自分たちが超能力者であることを隠して、米の夢を叶える。
 小劇団の芝居を映画化と聞いて、思い出すのは『キサラギ』。香川照之などキャストが絶妙だった。また映像は、決まった場面からほとんど変わらないのに、そのシチュエーションの面白さで観客を魅了した。
 そして『曲がれ!スプーン』である。限られたシチュエーションの中での、カメラワークは凝っている。ただ、ストーリーに引き込む力が、画面から感じてこない。それは、キャスト(主役というべきか)の弱さもあるのかもしれないし、映画版に内容を変更したからかもしれない。
 ただ、ストーリー展開は悪くない。舞台なら、面白いだろう(舞台版は劇団員のみ出演)。ところで、話の中心場面の喫茶店゛カフェ・ド・念力゛は、とてもいい雰囲気のある店で、行ってみたいと思わせる。

そろそろ…

2009年11月27日 10時22分52秒 | Weblog
 年末が近くなり、自分なりのナンバー1映画(映画館での鑑賞の邦画、試写会含む)を決めてもいいころになってきました。
 ただ、昨年よりも鑑賞本数が減りそうな上、とりわけ、邦画鑑賞の少なさに驚き。もちろん、鑑賞をしなかったのには理由があるので、致し方ないところ。悩むところです。大作系、話題作にもあまり引かれるものがありませんでした(もともと大作系はあまり観ないけれど)。昨年の、『おくりびと』のような、名作系のものが少なかったように思います。「なくもんか」は、かなりの押しではありますが。
 今年の私的ナンバー1映画は、最終的に韓国映画になるかもしれません。
 

「甘いウソ」

2009年11月14日 00時08分10秒 | Weblog
 低視聴率のため、番組が打ち切られクビになった放送作家のジホ。しかも、カバンをひったくりに取られた上に、犯人を追いかけてる途中で交通事故に遭ってしまう。しかし、その交通事故の加害者は、ジホの10年前の初恋の人・ミヌだった。加害者がミヌだとわかり、記憶喪失のフリをしてしまったジホは、ミヌと同居することになる。
 だが、ジホが行方不明になったことで、ジホの幼なじみのドンシクが騒ぎ出して…。
 ヒロインが男前(イケメンと言うべきか)二人のうちのどちらを選ぶかとか記憶喪失という、韓国定番型のコメディではあるが、娯楽としての映画と考えれば、十分楽しめる。パク・ジニ、チョ・ハンソン、イ・ギウという人気どころを揃えたのが、この映画の強み。また、キム・ソナがちょこっと出てくるので、どういう役割かチェックするのも、お忘れなく。
 監督はチョン・ジョンファ。
(韓国)

「なくもんか」(試写会)

2009年11月04日 22時38分35秒 | Weblog
 アハハ(^O^)(^O^)…と、とにかく笑えるこの映画「なくもんか」。「なくもんか」で笑えるというのも変だが、変ではないのである。そして、やっぱり最後はホロリとさせられる。今度の宮藤官九郎には゛やられた゛、そんな感じだ。
 両親が離婚し、別々な環境で育った兄弟。兄・祐太は、ハムカツが名物の『デリカの山ちゃん』の店主夫婦に実の子と同じように育てられ、弟・祐介は親戚を転々とした。大人になった兄は先代店主亡き後は二代目店主となり、弟は人気お笑い芸人となっていた。
 しかしある日、先代の実の娘・徹子が舞い戻ってきた。しかも、昔の面影を残さないまるで見かけは別人の姿となって…。そんな徹子に祐太は先代の遺言どおり?プロポーズする。だが、徹子にはプチ整形以外にまだ秘密があった。不倫の子を産み、育てていたのである。それでも二人は結婚にこぎつける。そして祐太は、弟の行方を探していた。
 一方、弟・祐介は、赤の他人の金城大介と兄弟として、『金城ブラザーズ』という漫才コンビを組んでいた。しかし、ピンとして弟の仕事が増え始めたことから関係がギクシャクし始める。
 生き別れた兄弟の出会い、徹子とその子どもたち、とバラバラだった家族が一気に動き出す。
 阿部サダヲがキビキビ演技している隣で、竹内結子は、エンドロールで3番目に名前が出る位置。そして、ノビノビした演技が光る。
 脚本の宮藤官九郎、主演の阿部サダヲ、監督は水田伸生と『舞妓Haaaan!!!』のメンバーが再集結して内容がパワーアップ。最後まで目が離せない。友情出演、特別出演のキャストもお見逃しなく

「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」

2009年11月02日 12時29分59秒 | Weblog
 急逝したマイケル・ジャクソンの、予定されていたロンドン公演直前まで行われていたコンサートリハーサルの映像集。リハーサルを編集したものでありながら、実際のコンサートを見ているような臨場感を味わえる。
 マイケルは、ロンドン公演に向けて、入念なリハーサルを繰り返していた。スタッフへの的確な指示と完璧なパフォーマンスの追求。コンサートへの熱き思いがヒシヒシと伝わる。
 ウォーミングアップだから無駄な声量を出させないように、と言うマイケルだが、それでもスタッフなどは舞台下でノリノリだ。
 マイケル・ジャクソンに対しての知識など、まったくない私であるが、十分に楽しめた。鑑賞後、一部の人が拍手を送っていたが、わかる気がする