夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『キツツキと雨』

2012年02月20日 10時10分18秒 | Weblog
 村で長年、木こりをしてきた岸克彦は、妻に先立たれ息子の浩一と二人で暮らしている。しかし、浩一との関係は、ぎくしゃくしていて、うまくいっていない。克彦はある日、村で映画の撮影をしていることを知る。ひょんなことから、エキストラとして映画に出演することになった克彦は、気の弱い新人監督・田辺幸一と知り合う。
 映画撮影のことなど素人にはわからないが、見たことがない撮影風景に惹かれ、村での撮影に協力していく。
 新人監督は自分の息子と同じ年ごろ。、監督とふれあい、映画に関わっていくうちに克彦の考え方にも少し変化が現れてきて…。 

  
 岸克彦を演じる役所広司は、この役では、真面目さが空回り。一生懸命やろうとすればするほど、周りとズレる。そのギャップがおもしろい。誠実さがにじみ出てくる人柄で、実にいいのである。
 小栗旬が演じる新米監督が、人間として監督として、徐々に成長していく。その変化に胸をなで下ろしつつ、岸とのかけあいにほっこりしよう。
 
 このところ、小栗旬はいろいろな役柄を演じている。さわやかな青年やコミカルな役など、役者として幅が出てきた。これからも次々映画公開が控えているので、チェックだ。

 劇中劇で出てくる山崎努の、怖くも笑えるその演技っぷりは、すごい存在感。

 あそこもここも、抜け目がない秀作である。劇中劇に、何かのメッセージがあるような、ないような。
 監督は『南極料理人』の沖田修一、克彦の息子・浩一には若手実力俳優の高良健吾。他に、劇中劇に出てくるのは平田満、臼田あさ美など。

『しあわせのパン』

2012年02月11日 21時06分45秒 | Weblog
 ネルドリップコーヒーを淹れる妻・りえとパンを焼く夫・水縞。二人は、東京から北海道の月浦にやってきて、カフェ マーニを始めた。マーニでは、ゆったりとした時間が流れている。
 そこには、いろいろなお客様がやってくる。彼氏にふられ、北海道に一人で旅行をすることになったカオリ。北海道から出ることができないトキオ。カオリは、マーニに宿泊するうちに、自分の気持ちに気づく。
 母が家を出ていき、父と暮らしている未久。その毎日の生活に喜びを見いだせない未久は、学校に向かう気力すらない。ふと立ち寄ったカフェ マーニで、父の本当の思いを知る。
 そして、思い出の地・月浦へとやってきた老夫婦。どこか寂しげな様子の老夫婦。その老夫婦が見つけた、生きる道とは。
 少しずつ問題がありながら、悩む人たち。それぞれの世代の等身大の物語。ミニシアター系の映画が好きな人は、ぜひ。ほっこりすること間違いなし。月浦の四季も楽しめるし、劇中に出てくるパンと料理も興味深い。

 監督は、長編映画初監督となる三島有紀子。水縞の妻・りえに今年、デビュー30周年を迎える原田知世。その夫・水縞に大泉洋。
 余談だが、朝の連続テレビ小説「おひさま」を見ていた人は、陽子(井上真央)の母…原田知世(陽子が幼少期に亡くなってしまう)、幼少期の陽子…八木優希、陽子の祖母…渡辺美佐子がキャスティングされていることに、つい反応してしまうかも。ストーリーがつながって出演してくるわけではないが、それぞれにいい感じ。朝ドラファンの人はチェックしてみては

『はやぶさ 遥かなる帰還』(試写会)

2012年02月07日 00時01分29秒 | Weblog
 去年みた『はやぶさ』とは、主人公となる人が変わる。はやぶさがどうなるか、“結果”はもうわかっていて、着地点は変わらない。そのため、サイドストーリーとして、何をどう描くかが変化の見えるところ。
 「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーの山口には、渡辺謙。監督は『犯人に告ぐ』の瀧本智行。
 “チーム日本”のあきらめない気持ちと底力に喝采を送ろう。
 出演はほかに、江口洋介、夏川結衣、吉岡秀隆、藤竜也、山崎努など。2月11日(土)公開。
(ストーリーは省略しました)

『二月花形歌舞伎』

2012年02月06日 10時39分35秒 | Weblog
 (夜の部)
一、義経千本桜 すし屋
 下市村の釣瓶すし屋を営む弥左衛門は、その昔、助けてもらった平重盛への旧恩から、その子息・維盛を使用人の弥助として匿っている。しかし、それが源頼朝の重臣である梶原景時に知れ、維盛の首を差し出すように言われていた。弥助に恋していた弥左衛門の娘・お里はそのことを知り弥助を逃がす。しかし、弥左衛門の放蕩息子の権太は、褒美ほしさに維盛の首と縄にかけた、妻と子どもを突き出す。
 怒った弥左衛門は、権太を刺すが、その時、維盛親子が現れる。死に直面した権太が、明かした真実とは…。
 いがみの権太-片岡愛之助
 弥助(実は三位中将維盛)-市川染五郎
 梶原景時-中村獅童

 名作人形浄瑠璃として1747年(江戸中期)に初演。翌年、歌舞伎として初演された。タイトルだけでも知る人は多いだろう。
 歌舞伎の楽しみ方を初心者の私にはわからない。しかし、さすがにこの作品は見所満載。ぐんぐん話に引き込まれ…あとは感動あるのみだった。

二、研辰の討たれ
 粟津城中の侍溜まりの間には、泰平の世を持て余す大勢の若侍が集まっていた。その中には、殿様や家老の刀を研いだのが縁で、町人から侍に取り立てられた研屋の辰次もいた。しかし、根っからの町人根性が抜けず、媚びを売る辰次に、周りの侍たちは我慢が限界にきていた。
 家老の平井一郎右衛門は、鼻持ちならない辰次を皆の前で罵倒し、唾を吐きかける。悔しくてならない辰次は、一郎右衛門を待ち伏せ、だまし討ちで斬ってしまう。平井の長男・九市郎と次男の才次郎は、現場に駆けつけるが、仇討ちを恐れる辰次は逃げる。
 こうして、九市郎と才次郎の仇討ちの旅が始まるのであった。
 守山辰次-市川染五郎
 平井九市郎-片岡愛之助
 平井才次郎-中村獅童
 人気作。染五郎の軽妙な演技が、秀逸。抱腹絶倒である。
 (2月2日~26日まで大阪・松竹座にて)
ちなみに昼の部は、「慶安の狼 丸橋忠弥」と「大当たり伏見の富くじ」(※当は旧字)