夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『ヒッチコック』

2013年04月15日 10時55分28秒 | Weblog
数々の傑作サスペンスを世に送り出したアルフレッド・ヒッチコック。彼の知られざる素顔に迫る伝記ドラマがこの作品である。大ヒット作の『サイコ』の舞台裏でもありながら、仕事のパートナーでもあった妻、アルマ・レヴィルとの愛の葛藤も描かれる。ヒッチ・コック夫妻を演じるのは、ともにオスカーを受賞している、アンソニー・ホプキンスとヘレン・ミレン。ジャネット・リーをスカーレット・ヨハンソンが演じている。監督は『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』のサーシャ・ガヴァン。

1959年、アルフレッド・ヒッチコックは新作のアイデアを思いつく。それが後にサスペンス映画の金字塔を打ち立てる『サイコ』。しかし、あまりにも奇抜で独創的であるがゆえに、配給会社からは見放され、資金繰りは難航する。低予算での製作を余儀なくされる『サイコ』。しかも、妻との関係もうまくいかず、嫉妬にも駆られ・・・。



表の顔は名匠なのだが、実はわがままで、自我の強いおっさんで、コンプレックスの塊。しかし、憎めず、何といっても才能あふれる人だった。『ヒッチコック』を観ると、『サイコ』が観たくなること間違いなし。冒頭は『サイコ』のモデルとなった大量殺人者エド・ゲインの事件が再現されている。

ヒッチ・コック自身はアカデミー賞には縁がなかったのだが

『リンカーン』(試写会)

2013年04月11日 11時03分07秒 | Weblog
 伝説化されている第16代アメリカ合衆国大統領のエイブラハム・リンカーン。アメリカ映画界を代表する一人、スティーブン・スピルバーグはリンカーンの実像に迫る作品製作を12年間あたためてきた。
これまで、ファンタジックな作品が好評を博してきたスピルバーグ監督が描く、ヒューマンストーリー。家族構成や歩みなどの背景を詳しく描かず、ただ、合衆国憲法修正第13条可決についてを追っているといっていい。
リンカーンを演じるのはダニエル・デイ=ルイス。彼の名演は見ものだが、日本人としては気になるのは、タデウス・スティーブンスを演じるトミー・リー・ジョーンズ。缶コーヒーのコマーシャルに出演している彼は、実は本国では有名な脇役。この作品ではカツラをかぶって杖をつく人物だが、メイクでわかりづらい。しかし、必ず目がいくキャラなので、最後まで見てほしい。重要なポイントがあり、作品の方向性を示すものだ。
今作は、奴隷制の廃止と禁止を強固なものにし、また泥沼化する南北戦争を終わらせるため、憲法の改正に挑むリンカーンの戦いを重厚に描く。

1865年、エイブラハム・リンカーンは大統領選挙で再選された。内戦状態にある南北戦争は4年目に突入していたが、彼は奴隷制度を葬り去る合衆国憲法修正第13条を下院議会で批准させるまでは戦いを終わらせないという決意があった。そのため、国務長官のウィリアム・スワードらとともに憲法改正に必要な票を集めなければならなかった。そして、彼らは議会工作に乗り出す。

一方、妻は精神的に不安定になることがあり、リンカーンは手を焼くことも多く、また、学生だった長男のロバートは軍に入隊すると言ってきかなかった。

議会の票読みは、あと2票というところまできていた。しかし、寸前に寝返る者もいるはず…。そこで、リンカーン自らが説得に乗り出すことになるが、、、

やがて、1865年4月14日。フォード劇場でリンカーンは狙撃される。

リンカーンの妻、メアリーにはサリー・フィールド。この作品では、個性が強いが憎めないかわいさのある女性を演じている。国務長官のウィリアム・スワードはデヴィッド・ストラザーンが演じた。

現在では、自由で平等な国の代表格のアメリカ。しかし、この時代はまだ女性にも黒人にも参政権はなかったということ。上映時間は2時間30分、アメリカ史を勉強するつもりで。アメリカは、合衆国であるということを念頭に…。

(4月19日公開)

『舟を編む』(試写会)

2013年04月07日 10時39分07秒 | Weblog
玄武書房で営業をつとめる馬締光也は、変わりものとしてとおっていたが、言葉のセンスを買われ辞書編集部に異動される。編集方針は〝今を生きる辞書〟で「大渡海」を作ること。個性派ばかりが揃う編集部で、馬締はマジメに辞書作りに取り組む。

そんなある日、馬締の下宿先に一人の女性がやってくる。彼女に伝えたい言葉が見つからないが、どうしても伝えたい。そのために、とった行動とは。

膨大な仕事量と問題が山積の辞書編集部は、無事に「大渡海」を完成させることはできるのか?

もう、辞書を引くということもなくなってしまうのだろうか。すべてがWebで解決してしまうのは、さみし過ぎる。ページをめくるとほっとする感じは大切にしたいと思うのだが。

出演は、新しい辞書作りを任される馬締光也には松田龍平、その妻を宮崎あおいが演じている。何度も共演歴のある二人が演じる夫婦の呼吸と距離感がなかなかいい。加藤剛、小林薫、伊佐山ひろこ、オダキリジョーが編集部の上司、同僚で脇を固める。ほかに、八千草薫、渡辺美佐子、池脇千鶴、黒木華などが出演。それぞれ、存在感を放つ。原作は「まほろ駅前多田便利軒」の三浦しをん。監督は『川の底からこんにちわ』の石井裕也がつとめた。

画面からは昭和の香りが漂い、ゆっくりと時間が流れる。費やす時間の長さ。コツコツと一つのことに頑張る、ということの素晴らしさが伝わる。辞書の良さを改めて知ってほしい。それにしても、辞書ができるまでに15年もかかるかは・・・その苦労たるや。