夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『さくら』

2020年11月16日 10時44分25秒 | Weblog

さくら

西加奈子の同名小説を映画化。3兄妹を吉沢亮、北村匠海、小松菜奈という若手実力派のキャストが演じる。

2年前に長男が亡くなったあと、父は家を出て行方不明となった。

次男は大学入学で家を出て、バラバラになっていた家族。

だが、年末に戻ると父から手紙があり、家族が集まることに…。

久しぶりの再会がしっくり来ない中、ある出来事が家族の緊張をほどく。

 

物語は北村匠海の語りで進む。子ども時代からのエピソードに、あるあるを感じる人もいそう。

舞台は大阪。関東色が強い中で、母を演じる寺島しのぶが関西のおばちゃんの強さを持って独走。そこに、父として永瀬正敏が静かに存在する。

それだけで、この作品は良作の香りが漂う。

 

国宝級イケメンの吉沢亮の顔が!!

北村匠海は濃いめの顔で迫り、小松菜奈は天真爛漫な末っ子を演じる。そして、そのスタイルの良さよ!

そして何より、犬のさくらが抜群の演技力を発揮するので注目だ。

 


ミュージカル『生きる』

2020年11月15日 13時19分25秒 | Weblog

黒澤明監督の映画『生きる』をオマージュして、宮本亞門が演出したミュージカル

の再演。


初演と同じく市村正親と鹿賀丈史のダブルキャストである。

映画は昭和27年が時代。役所に長く勤める人物を取り上げている。主演は名優の志

村喬だった。宮本亞門のミュージカルは当方としては初見。比べるものを持ってい

ない。だが、テレビ番組などで宣伝を見たりしていると、軽快でポップな舞台のイ

メージで。『生きる』がどうなっているのか、興味深かった。

役所はこの時代になっても相変わらず縦割りで、あれはあっち、それはそっちと用

件をたらい回しにされる。この変化のなさは、ミュージカルでも生かされていて、

冒頭からの違和感はない。

コマのついた机をキャストが動かして、軽妙に場面交換、配置交換されていくのは

宮本亞門の演出のなせる技だろう。


その軽さの反面、主人公が胃がんであることを悟り、余命幾ばくもないことを知り

ながら、役人として、父として、自分のできることを成し遂げようとする様に、日

本人ならではの哀愁を感じるものともなっている。

そして、やってくる『ゴンドラの唄』のシーン。

胸に迫る。

今年は、特に〝生きる〟ということを考えさせられた一年。特別に過ぎた上半期を経

て、やっとミュージカルが上演されることとなり、そういう意味でもドシンとくるも

のがあった。

このミュージカルを観た帰り、レンタルショップに立ち寄って映画『生きる』を借り

てきた。

映画にも負けない、素晴らしい舞台作品だったと思う。


兵庫県立芸術文化センターのあと、福岡の博多座、愛知県の御園座と続く。チケット

はもう既に完売していると思われる。

渡辺勘治役 鹿賀丈史

小説家役 小西遼生

小田切とよ役 唯月ふうか

渡辺一枝役 May’n