「めがね」 2007年10月25日 18時38分58秒 | Weblog やさしい人たちとのふれあいの中でおいしい料理でもてなされる幸せ、そんなことを感じながら観た「かもめ食堂」。そのスタッフが集結したのが、「めがね」である。 ただ、もう少し゛何か゛゛誰か゛の説明があってもいいのではないだろうか。癒し=この映画では゛たそがれる゛=を作りすぎてる感があり。
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(試写会) 2007年10月24日 22時40分49秒 | Weblog 前作の「ALWAYS 三丁目の夕日」から2年。あの続きを知りたい。そんな声に応える形で描かれている゛あれから…゛の三丁目の人たちである。 昭和34年の春。再び、川渕が淳之介を取り戻そうと茶川の元を訪れる。しかも、今度は本気で取り戻したいらしい。また、黙って出ていったままのヒロミのことも、思い続けてままでいる茶川には、ヒロミに戻ってきてもらうためにも、淳之介を川渕に連れ目いかれないためにも、茶川は安定した生活を送る必要があった。 一方、鈴木オートでは、則文の親戚の子ども・美加を預かることになる。しかし、お嬢様育ちの美加は、庶民である鈴木家の生活に馴染もうとしない。 だが、どんなときも夕日町三丁目の住民はにぎやかで人情味に溢れていた。 この映画では、前回は子どもたちのもつ力に泣かされましたが、今回はさらに子どもたちが頑張っていて、観ている大人たちの心を揺さぶります。
「サウスバウンド」 2007年10月19日 22時35分03秒 | Weblog 元過激派の父親をもつ、息子の二郎は働かない父の存在が恥ずかしい。父の口癖は、゛当時゛はやった『ナンセンス』という言葉。 ある日、二郎が同級生に起こした事件がきっかけで、母は沖縄の西表島に引っ越すことを宣言する。西表島にやってきた父は、生き生きと働き始めるが、そこでも事件が起こる。その顛末とは…。 ラストシーンで観る人は笑いながら心の中でつぶやくだろう、『ナンセンス!』と。 母親役の天海祐希がどっぷりと肝っ玉母さんしてます。
「象の背中」(試写会) 2007年10月18日 19時59分12秒 | Weblog これまで、構成作家や番組の企画やプロデュースなど、さまざま手がけてきた秋元康の初の長編小説の映画化。これまでのような派手なプロデュースとは打ってかわり、死生観についての一つの思いを形にしたものである。 48歳の中堅不動産会社に勤める藤山幸弘は、末期の肺ガンで余命半年であることを医師より告げられる。満足のいく仕事ができていて、家庭も平和で、愛人もいて…と順風満帆に過ごしてきた幸弘は、自分の悲運を嘆くが、『死ぬまでは生きたい』との思いから延命治療を拒否。今まで自分にかかわった人に会おうと、思い出の場所を回っていく。 象は己の死期が近づいたとき、群から離れるという。しかし、幸弘にはそんなことはできない。家族と一緒に最後まで生きたいと思っていた。 家族に看取られたいと思いながら、愛人をホスピスに呼び出すというくだり…は、男性が観るか、女性観るかで思いが違うだろう。女性には共感しづらい。 主演の幸弘役に役所広司、幸弘の妻には映画には20年ぶりの出演となる今井美樹。脚本は、今井美樹がドラマ主演が続いていたころの脚本をつとめていたことがある遠藤察男なので、今井美樹の良さを引き出す脚本となっているかもしれない。
「幸せのレシピ」 2007年10月12日 22時49分04秒 | Weblog キャサリン・ゼタ=ジョーンズが、厳格なシェフと恋に弱みを見せる、魅力的な作品。共演者の『リトル・ミス・サンシャイン』で名演技を見せた子役・アビザイル・ブレスランがキュートでかわいい。′01年のドイツ映画「マーサの幸せレシピ」のハリウッドリメイク版。 仕事が生き甲斐の高級レストランのシェフ・ケイトは急死した姉の子を引き取るはめになる。料理で゛おもてなし゛をしても姪のゾーイは食べてくれず…。落ち込むケイトだが、さらにレストランにシェフである自分と違うタイプの副シェフがやってきて、調子を崩される。 実姉の子を引き取ることになり、そこで起きる問題と恋愛問題がうまくバランスがとれている。子どもが出てくる場面では泣かされてしまうかも!?
小津の秋 2007年10月10日 22時45分09秒 | Weblog 小津安二郎監督の蓼科の別荘『無藝荘』で撮影し、タイトルも゛小津の秋゛とくれば、単に、小津安二郎へのオマージュと捉えるだろう。しかし、ほのぼのとしたものとともに女の情念も描かれ、物語は一筋縄では終わらない。 人って、道を進めるとき過去と向き合うことも必要です。 新聞記者の佐々木明子は、取材のために蓼科を訪れる。取材の対象は「縄文のヴィーナス」。だが、明子は取材を終えるとある女性を探そうとする。それは、亡き父の過去と向き合う作業だった。 上映時間は92分と長くない。小津監督独自のローアングルが活用されているのは言うまでもなく、映像も上品である。ラストの、縁側でのシーンは特別に綺麗で情緒がある。 (シネ・ヌーヴォにて)
オリオン座からの招待状(試写会) 2007年10月07日 22時45分05秒 | Weblog 「オリオ(注:正確には旧字体)ン座からの招待状」はご存知、浅田次郎の原作。短編集「鉄道員」の中でも、なかなか映画化されずにあった。いわば、満を持しての作品とも言える今作であるが、心をゆさぶられる作品となっていることは間違いない。最後はじ~んとくる、大人の純愛である。 「突然ではございますが、昭和25年の開館以来半世紀にわたって地元の皆様に愛され親しまれて参りましたオリオン座は、誠に勝手ながら今秋をもちまして閉館いたす事と相成りました」そんな招待状がオリオン座にゆかりある人たちに届く。先代の館主がなくなってから、弟子であった留吉がオリオン座で映画(しゃしん)をかけるようになる。 町の人たちは、先代の妻・トヨが先代に不義理を、そして留吉は師匠の妻を寝取ったと陰口をたたかれる。また、高度成長でテレビが普及したため、映画は斜陽産業となり、お客の足は遠のいていった。しかし、トヨと留吉はひたすら映画を愛し、映画の灯を消すことはなかった。また、オリオン座は、町の゛ある子ども二人゛にとっても特別な場所でもあった。 そして、閉館の日がやってきて…。 トヨを演じるのは、演技力で評価を得ている宮沢りえ。留吉には若手の注目株・加瀬亮。 三枝健起監督は、宮沢りえ演じるトヨが、公園を自転車に乗るシーンでは何度観ても泣くと話していた。そのシーンにも注目し、トヨの心の中を観察してほしい。 名画座が閉店するのがラストシーンだが、現実として町の質素な映画館がなくなっていくのは、さみしい(Θ_Θ)シネコンばかりが増えてもどこも同じ映画を上映し、独自性に欠ける。とても残念な思いがある。 (京都会館にて)
「エディット・ピアフ」 2007年10月01日 19時05分24秒 | Weblog 正直、エディット・ピアフと聞いても『愛の讃歌』を歌ってた人、越路吹雪の『愛の讃歌』のイメージが浮かぶ…くらいの知識しかなかった。しかし、゛なるほど、この人生があっての『愛の讃歌』かぁ゛と納得した。不世出の歌姫、いや゛妖精゛であろう。 エディット・ピアフを演じるのは「プロヴァンスからの贈り物」のマリオン・コティヤール、「プロヴァンス~」とはまるで別人である。 ピアフは1915年パリに生まれるが、貧困の中で育つ。ピアフが20歳のとき名門クラブのオーナー、ルイ・ルプレに見いだされる。そのとき゛ピアフ゛という名前が誕生し、世界へとはばたいていく。 しかし、薬物依存や交通事故などの困難に直面し、精神的にも不安定な状態が続き、1963年に47歳という若さで人生の幕を降ろす。