夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『騙し絵の牙』

2021年03月29日 10時11分59秒 | Weblog

騙し絵の牙

老舗の出版社「薫風」に途中入社し、カルチャー誌「トリニティ」の編集長を任されている速水輝也(大泉洋)は廃刊の危機に立たされている。

「薫風」の社長・伊庭(山本学)が急死し、次期社長の争いから勝利を得た専務の東松(佐藤浩市)が社長に。伊庭の息子で本来の後継者である伊庭惟高(中村倫也)はアメリカへ向かって行った。

裏切り、陰謀に巻き込まれながらも、起死回生の策に打って出る速水に勝ち目はあるのか?

 

「薫風」のプライドを守ろうと奮闘するベテラン編集長に木村佳乃、その部下から「トリニティ」に異動する若手編集者・高野恵に松岡茉優。監督は『紙の月』『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八。松岡茉優は『桐島、部活やめるってよ』以来の吉田作品への出演となっている。

出演はほかに、池田エライザ、宮沢氷魚など。

 

『罪の声』で知られる原作者の塩田武士が大泉洋へ〝当て書き〟したもので、主演は大泉洋でしかないのだが、ただ松岡茉優の出演が意外と多めというより、ヒロインと言っていい。

外資系大手通販会社に一矢報いるのが痛快。ポチッとするより本屋で本は買ってほしいと常々思っている人間からすると、してやったりと思うラスト。

斜陽と言われる出版業界だが、紙媒体だからこそできることはあるはず。…と希望を込めて


『劇場版 奥様は、取り扱い注意』

2021年03月22日 13時06分12秒 | Weblog

奥様は、取り扱い注意

綾瀬はるかと西島秀俊が元特殊工作員と公安エリートの夫婦を演じた人気ドラマの劇場版。昨年の公開が予定されていたが、自粛期間があったため延期されていた。

テレビドラマの最終回では、夫が妻に銃を向けたところで終了していたので、終わりが気になるところだった

 

元特殊工作員だった専業主婦の伊佐山菜美(綾瀬はるか)と現役の公安警察であることを隠して菜美を監視している優しい夫・伊佐山勇輝(西島秀俊)。

半年前、ある事件で記憶喪失になり、二人は桜井久美、裕司と名前を変えて、小さな地方都市である珠海市で生活を密かに始めていた

珠海市では、新時代のエネルギーである「メタンハイドレード」の発掘をめぐり、推進派と反対派が対立していた。だが、その開発には国家

レベルの陰謀が潜んでいることを公安が突き止める

妻が公安に協力しなければ、自ら殺せという命令が裕司(勇輝)には下されていた。久美(菜美)は、自分が気づかないうちに、大きな事件に

巻き込まれていく。

 

出演はほかに、小日向文世、岡田健史、檀れい、鈴木浩介、前田敦子など。

西島秀俊のアクションの素晴らしさは言うまでもないところ。

綾瀬はるかのアクションシーンの身体能力の高さに注目を。楽しそうに演じているのが伝わる。

また、ストーリーが続いていくかのような終わり方が悩ましい。

 


『まともじゃないのは君も一緒』

2021年03月22日 09時50分49秒 | Weblog

ポスター画像

現在朝ドラでヒロインの夫を演じている成田凌とその次の朝ドラヒロインを演じる清原果耶のダブル主演。

演技力高め。しかし、大作ではないのがポイントである。

 

数学ばかり勉強してきてコミュニケーション能力に欠ける予備校講師の大野康臣(成田凌)と予備校生で恋愛知識は豊富にあるが実際には恋愛経験のない松本香住(清原果耶)。

世間で言う〝普通〟の感覚がわからない大野に香住ははっきり「普通じゃない」と指摘してくれる唯一の人。

〝普通〟とは何か、デートを実践させ、行動に起こさせるが大野はピンとはずれで…。

予備校の個人授業前にでも、後にでも〝普通〟について熱く語り、議論しときにけんかをしているようにも見える二人の関係。

その会話劇がおもしろい。セリフ量も膨大なはずだが、アツくも滑稽でしかもなごむ。

 

香住が憧れる著名な文化人・宮本功を小泉孝太郎が演じている。エリートだが、中身のないいい加減な男。こんな役をやらせたら小泉孝太郎はうまい、というかはまる。もう笑ってしまうしかない。

その婚約者を務めるのは泉里香。宮本のいいも悪いも含めて、受け入れようとしている。

それぞれの〝普通〟に価値を見出していくしかない人々。

それぞれを理解してくれる人がいれば、少しは休まりそうだ。

監督は『婚約特急』の前田弘二。

大仕掛けはない。アカデミックでもないこの映画がとてもかわいいのである。これもまた、映画である。


『ブレイブー群青戦記ー』

2021年03月15日 09時49分22秒 | Weblog

ブレイブ 群青戦記

笠原真樹原作のコミックの映像化。予告編に興味を引かれて原作は未読で鑑賞した。

高校生が部活の途中で戦国時代にタイムスリップ。気が付けばこそは、桶狭間の戦いを迎えようとしている織田信長(松山ケンイチ)と松平元康(三浦春馬)がにらみあっている場所だった!

スポーツ名門校の弓道部に所属する西野蒼(新田真剣佑)は目立つのが苦手。実力を隠したまま練習に打ち込んでいた。そんな蒼を幼馴染の瀬野遥(山崎紘菜)は心配していた。

友人でありながらも、どこは冷ややかで距離感を保つ関係の現代にあって、戦国の武士は一枚岩であり命がけ。剣道部主将の松本考太(鈴木伸之)はみんなを鼓舞しながら最前線で戦っていた。

一生懸命になってこなかった自分を恥じたことに対し、元康は〝一生懸命は一所懸命であるか?〟と問う。自分たちの居場所は自分たちで懸命に守ることであることが〝一所懸命〟であると語る元康に、語源はそうだったと気づく。そこから、意識が目覚めた蒼は、仲間とともに自分たちの時代へ帰るために懸命に戦い始める。弓道部はいわば槍隊のようなもの。剣道部はまさに剣術を駆使し、野球部はバットで敵矢を跳ね返し、ボールで当てて後退させるなどして織田隊と戦う。

アメリカンフットボールもラグビー部も突進していった。

生徒たちは、無事に現代へと帰ることはできるのか?そして、歴史に変化は起きるのか?

織田信長は新しいものが好き。タイムスリップしてきた高校生に、偏見なくおもしろがるのがイメージそのもの。三浦演じる元康も華やかで美しい。

仲間を助けようと奮闘する若者の意識の変化に注目だ。

そんな中、新田真剣佑は乗馬姿が様になっていて、さすがの遺伝子を思わせた。

前半は特にグロいシーンが続くので、気持ちの用意を。

行方不明になった先輩の不破瑠衣を渡邉圭佑が演じている。監督は『踊る大捜査線』の本広克行。

 


『太陽は動かない』

2021年03月08日 09時40分46秒 | Weblog

太陽は動かない -THE ECLIPSE-[Blu-ray BOX]

『怒り』『悪人』で知られる吉田修一の小説を映画化。

wow wowドラマとの連動作品。ホリプロ60年記念映画と銘打たれている。全編が外国でロケ。スケールの大きさが感じられる。

主役は藤原竜也と竹内涼真というホリプロの先輩後輩で、バディを組む。

 

謎の秘密組織AN通信。ここに属するエージェントは心臓に爆弾が埋め込まれ、24時間ごとに行動を連絡しないと反逆とみなされ、仕掛けが爆発されてしまう。

エージェントの鷹野は(藤原竜也)は相棒の田岡(竹内涼真)とともに、「全人類の未来を決める次世代エネルギー」の極秘情報をめぐって各国のエージェントと死闘を繰り広げる。

 

監督は『海猿』「MOZU」などを手掛けてきた羽住英一郎。

出演はほかに、佐藤浩市、市原隼人、南沙良、加藤清史郎など。また、海外からのキャストにハン・ヒョジュ、ピョン・ヨハン。

今は韓国作品を見なくなっているのだが、上映中にハン・ヒョジュを認識してとても久しぶりな感じが個人的にしていた。

藤原竜也は閉所や高所、暗闇が苦手と番宣で語っていたが、そんな場所の連続である!それを克服している演技にも注目。

物語は子どもの頃と現在が行ったりきたり。作品としては次回作もできる終わり方に感じられる。

wow wowの放送は見ることなく映画のみの鑑賞であるが、映画だけでも内容はわかる。

ただ、エンドロールでドラマのシーンが同時に流れ、出演者やスタッフの名前がゆっくり確認できず。

吉田鋼太郎とのシーンなどが気になってしまい、仕方がなかった。ホリプロ所属の女優がワンポイントで出演していても良かったのでは??


『ヤクザと家族 The Family』

2021年03月01日 09時43分45秒 | Weblog

ヤクザと家族 The Family

日本アカデミー賞で作品賞を受賞した『新聞記者』の藤井道人監督が手掛けたオリジナル作品。

親の愛情を知らずの育った男が、ヤクザの組長に拾われ、父子となり組員とは〝家族〟としての思いを抱きながら生きていく。

 

1999年、父を覚せい剤が原因で失った山本賢治(綾野剛)は柴咲組組長の柴咲博(舘ひろし)の危機を救う。

一本気な性格だが、ヤクザの世界で男を上げていく山本だが、〝家族〟を守るためにある決断と行動をする。

敵対している組と手打ちをしたはずなのに、裏切りにあい、衰退していく自分たち〝家族〟。

そして、2019年。服役を終えて14年ぶりに出所したときには、世の中がガラリと変化を遂げていた。

キャバクラで働く苦学生、工藤由香を演じるのは尾野真千子。柴咲組員たちが故意にしている焼肉店のおかみは寺島しのぶ、大人になったその息子には磯村勇人があたった。

山本の兄貴分を演じるのは北村有起哉で、どこも、キャストが濃いめ。

 

気持ちを述べにくい内容ではある。

ただ、最後の最後に救いがあってよかった!と思う。