老舗の出版社「薫風」に途中入社し、カルチャー誌「トリニティ」の編集長を任されている速水輝也(大泉洋)は廃刊の危機に立たされている。
「薫風」の社長・伊庭(山本学)が急死し、次期社長の争いから勝利を得た専務の東松(佐藤浩市)が社長に。伊庭の息子で本来の後継者である伊庭惟高(中村倫也)はアメリカへ向かって行った。
裏切り、陰謀に巻き込まれながらも、起死回生の策に打って出る速水に勝ち目はあるのか?
「薫風」のプライドを守ろうと奮闘するベテラン編集長に木村佳乃、その部下から「トリニティ」に異動する若手編集者・高野恵に松岡茉優。監督は『紙の月』『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八。松岡茉優は『桐島、部活やめるってよ』以来の吉田作品への出演となっている。
出演はほかに、池田エライザ、宮沢氷魚など。
『罪の声』で知られる原作者の塩田武士が大泉洋へ〝当て書き〟したもので、主演は大泉洋でしかないのだが、ただ松岡茉優の出演が意外と多めというより、ヒロインと言っていい。
外資系大手通販会社に一矢報いるのが痛快。ポチッとするより本屋で本は買ってほしいと常々思っている人間からすると、してやったりと思うラスト。
斜陽と言われる出版業界だが、紙媒体だからこそできることはあるはず。…と希望を込めて。