夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「ペパーミント・キャンディー」(DVD)

2009年07月24日 12時51分29秒 | Weblog
 1980年5月の光州事件。昨年、光州事件そのものを描いた「光州5・18」が映画化されたが、この作品は光州事件をきっかけに心に傷を持ち、苦悩をいだいたまま生きる男の話。物語は、現在から過去に遡って進んでいく。重いテーマ、当時としてはまだ、禁断とも言える光州事件を扱った作品として話題となった。韓国映画の中でも、名作と言えるであろう作品の一つ。
 イ・チャドン監督作品。
 
 事業に失敗し、離婚。日々をだらしなく過ごしている男・ヨンホのもとに、見知らぬ男性が訪ねてくる。それは、ヨンホの初恋の人・スンニの夫だった。スンニは、病でいくばくもない命だった。
 ヨンホは、荒んでしまった自分の人生を振り返る。そして、彼が最後に行き着いたところとは。
 ヨンホを演じるのは、『シルミド』『オアシス』など多彩な役を演じているソル・ギョング。この作品でも、現代から時代を遡るという難しい演技をうまくこなした。
 スンニにはムン・ソリ。ムン・ソリはこのころはまだ新人女優であるが、存在感は際だっている。
 韓国の政治的な背景、急速な民主化が進んだ弊害が生み出した今日への問題が顕れている。
(1999年、韓国)

「トウキョウソナタ」(DVD)

2009年07月21日 23時23分37秒 | Weblog
 突然のリストラ、親子関係、夫婦関係、無理心中…この国の生活や生き方を問う、興味深い作品。 日々繰り返す、変わり映えのない生活。そんな平凡な日常が有り難く感じるだろう。
 健康機器会社で総務課長を勤める佐々木はある日、上司からリストラを言い渡される。佐々木は、家族に何も言えず、孤独な就職活動が始まる。
 しかし、公園で配食サービスを受ける佐々木の姿を妻が見てしまい…。しかも、子どもたちにも問題が発生し…。
 佐々木を演じるのは、香川照之。これまで、個性的な役をこなしてきた香川だが、今作でも中年サラリーマンの悲哀を見せる。佐々木の妻には、こちらも個性派女優と言っても過言ではなくなった小泉今日子。
 リストラによる夫婦関係の悪化で無理心中してしまう佐々木の同級生には、津田寛治。後半になると役所広司も出演、役所(やくどころ)に注目。 
 カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門で審査員特別賞を受賞し、話題となった。黒沢清監督作品。
 この国の行く先はいったいどうなるのか?不安になったりイヤになったり、人が生きていくのは、複雑である。

「そんな彼なら捨てちゃえば」(試写会)

2009年07月17日 23時04分42秒 | Weblog
 ガールズトーク満載の、恋愛指南書のような映画が誕生?
 同じ会社に勤める、ジジ、ジャニーン、ベスの3人。なかなか恋人ができないジジ。同棲7年になる恋人から“結婚しない宣言”をされているベス。幸せな結婚生活を送っていると思っていたのに、夫に浮気をされていたジャニーン。
 三者三様の恋愛模様を小気味良く描く痛快なストーリー。
 結局、恋が始まったり、始めたりすることに、“法則”はないということになるのでしょう。
 全米ベストセラーの映画化。出演は、ジェニファー・アニストン、ドリュー・バリモア、スカーレット・ヨハンソン、ベン・アフレックなど。

「ディア・ドクター」

2009年07月11日 00時50分48秒 | Weblog
 テレビドラマの延長のような映画が公開されることが多い中、完全オリジナル映画の今作に注目。
 山あいの小さな村の診療所では、突然、医師・伊野が失踪し警察が捜査する騒ぎになっていた。村民に慕われ、頼りにされていた伊野に何があったのか?
 必要悪は悪なのか善なのかなど、善と悪についてや、そうなることの“資格”や“資質”とは何かについて、頭をめぐらせてしまうであろう。ラストは、急に展開させたと思わせて、ほっとさせている。偽医者ではあるが、ある女性への愛は本物だった。
 ゛この村の人は足りないものを受け入れているだけ゛など要所要所で出てくる本音のセリフも聞きどころ。
 診療所の医師に笑福亭鶴瓶、診療所に研修にやってくる医師に瑛太、診療所のベテラン看護師を余貴美子が演じている。脚本・監督は「ゆれる」の西川美和。日本の原風景と生活も映画の核となっている。