医療、災害・事故現場に駆けつける描写や主人公たちの成長や絆を描いてきたドラマ「コード・ブルー」。2008年7月の放送以来3シリーズ、スペシャルなどを放送されてきた人気ドラマの映画化。1stシーズン開始から10年。当時20歳前後で、フェローを演じるには若い世代がキャストに決まったな、と思っていたが。10年を経て、しっくりくる年齢に。しかも、全員が第一線で活躍しているということで、今や贅沢なキャスティングとなった。
映画の舞台は、3rdシーズンで描かれた地下鉄トンネル崩落事故から3カ月後。
東京湾を運行していたフェリーが濃霧の影響で海ほたるに衝突。藍沢や白石が出動する。
日本映画はアニメや高校生世代のラブコメが多く手がけられる。そこにハリウッド映画が張り出してくる。『劇場版コード・ブルー』は人気ドラマからの映画化。純然たる映画作品ではないけれども、その閉塞感のある状況に風穴をあけた。ドラマ作品であることから、家族が、学生が、サラリーマンが・・・観ることができるものとなっている。実際、チケットを買うとき、〝けんかしないで観れるのはコード・ブルー〟〝ほかのやつはよく知らん、アニメはこのメンバーで観なくてもいい〟と話している声が聞かれた。夏休みはまだまだこれから。普段は映画館に向かわない層を巻き込み、これからも観客数を増やしそうだ。
2時間ドラマでやればいい内容とも言えるし、映画の尺にいろいろ詰め込み過ぎ、そして冗慢に感じるというシーンも。3rdシーズンから脚本家が安達奈緒子に変わり、恋愛要素強めになった感もある。
ただ、オープニングからドクターヘリをバックに5人のメインキャストが走るタイトルバックは圧巻。テレビでは感じることができない大画面の迫力があった。
出演は山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介など。監督はドラマも撮ってきた西浦正記が務めた。