夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『日日是好日』

2018年11月26日 09時50分22秒 | Weblog

ポスター画像

茶道教室に通った約25年を綴った森下典子のエッセイを映画化。脚本・監督は『まほろ駅前狂騒曲』『ぼっちゃん』の大森立嗣。男臭い関係の物語を描いてきた大森監督が、女性目線の作品をどうとらえているのかに興味があった。

大学生の典子は、母親の勧めで従姉の美智子とともに茶道教室に通うこととなった。タダモノではないという噂の茶道教室の先生・武田のおばさんの指導を受け、茶道の奥深さを知っていく。

就職のことや結婚のことなどでうまくいかず、悩んだりしながらも茶道教室に通う。自分と向き合いながら、成長していく。

人は、どんな生き方も選択することができる。「いろんな人生があっていいじゃないか」そう思わせてくれる作品。

四季折々の日本の風景、感性とともに人の生活のありかたを描き、変わらない日常の有り難さを知る。

 

典子を演じるのは『小さいおうち』『リップヴァンウィンクルの花嫁』の黒木華。今年、映画にドラマに引っ張りだこだ。従姉の美智子には『ピースオブケイク』などの多部未華子。この同世代コンビの配役が乙。

そして何より、武田先生を演じている樹木希林の素晴らしさ。演じているはのに、演じているように見えないのは凄すぎる。ただ、公開前に亡くなられた。

作品は大ヒットしていますよ、とお伝えしたい。


『生きてるだけで、愛』

2018年11月15日 12時53分02秒 | Weblog

ポスター画像

このところ、人気ドラマで謎めいた役で注目されている趣里の主演映画。その恋人を菅田将暉を演じている。芥川賞作家・本谷有希子の同名小説の映画化。

趣里は、この映画で体当たり演技、本当の体当たり演技で魅せている、そして見せている。思い切って、振り切った狂気を表現した。

 

無職の寧子は、ゴシップ雑誌の編集者の恋人・津奈木と同棲している。過眠症で、引きこもり。自分をうまくコントロールできず、津奈木に当たり散らす自分に嫌気がさしていた。

そこに突然、津奈木の元恋人だった安堂が現れ、自立させて津奈木の部屋から追い出そうと、無理やり寧子のアルバイトを決めてしまう。

少し何かが動き始めようとした矢先に・・・。

 

〝普通〟に生きようと思ってもうまくはいかない、修正をすると破綻していってしまう、という人たちは一定数いるのだと思う。

正しく生きたい、人を傷つけたくない、自分が傷つきたくないともがきながらも、生きようとする。

でも、その人がいるだけで、生きていけるということもある。

菅田将暉はサブカルチャー的な役柄の方がはまると思う。津奈木の元恋人・安堂を演じるのは仲里依紗。こちらも怪演がハマる女優である。

数々のCMやAKB48などのMVを手掛ける関根光才の長編映画初監督作品。

周りを、田中哲司、西田尚美、松重豊が固めている。

 


『ボヘミアン・ラプソディ』

2018年11月12日 09時50分56秒 | Weblog

ポスター画像

1991年に45歳でこの世を去った、伝説のロックバンド「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーを描いた伝記的ドラマ。

クイーンの現メンバーであるブライアン・メイとロジャー・テイラーが音楽総指揮を務め、劇中には主にフレディ自身の歌声を使用した。

生い立ちのこともあり、世間から認められず、もがきながらも栄光を手にする。その一方で、性的マイノリティであることに悩み苦しむ。

ボヘミアン・ラプソディ」「ウィ・ウィル・ロック・ユーといった名曲が生まれる瞬間や、20世紀最大のチャリティー・コンサート「ライブ・エイド」の再現している。

『ナイト・ミュージアム』のラミ・マレックがフレディを熱演。恋人のメアリー・オースティンを『シング・ストリート 未来のうた』のルーシー・ボーイントンが演じる。

監督は『X-MEN』シリーズのブライアン・シンガー。

 

「クイーン」を知らない世代でも、曲は聴いたことがあるはず。今もCMで使われているし、過去には国民的アイドルのドラマ主題歌としても使われていたこともある。

特にファンではなく、ラジオなどで耳にしていた程度の当方でさえ、ラスト20分からのライブ・エイドのコンサートの場面では体が動き出した。

「ライブ・エイド」には、当時からすでにスターであったミュージシャンたちがたくさん参加していた。このことをよく知らない世代が多くなってしまったが、当時は社会的にも大きく報じられた…参加者を調べてみて。

当時すでに、フレディが病気を発症していたこと、どうしてもこのコンサートに参加したかった彼の思いを感じた。魂の熱唱をぜひ!!

(11月9日より、公開中)


『アウト&アウト』(試写会)

2018年11月05日 11時43分44秒 | Weblog

ポスター画像 (11月16日公開)

 「藁の楯」「ビー・バップ・ハイスク-ル」で知られる木内一裕の小説を遠藤憲一主演で映画化。監督も、きうちかずひろとして木内氏本人が務める。木内氏が長編映画でメガホンを取るのは1999年の『共犯者』以来となる。

元ヤクザの探偵と。血のつながらない小学生の少女がコンビを組む。

元ヤクザの矢能が少女の栞と営んでいる探偵事務所に依頼が入る。矢能が指定された現場に行ってみると、依頼人はすでに拳銃で撃たれて死体となっており、まだそこには犯人がいた。仮面をかぶった真犯人に容疑者に仕立て上げられそうになった矢能は、すぐに対処しようとするが、事態は複雑に入り込んでいた。

主演が遠藤憲一で、元ヤクザの役。笑ってはいけないのか?と思い、力が入りながら鑑賞していると、徐々に試写会場から笑い声が起こり始める。見かけがこわもての遠藤憲一だが、本当はやさしいという、彼の両面がにじみ出る映画。配給はショウゲートで、大手資本ではないからこそのおもしろさが良い。

栞には、朝ドラ「とと姉ちゃん」で坂口健太郎の娘を演じていた白鳥玉季…大きくなったよ(個人的な感想)。物語のキーマンである池上数馬を岩井拳士朗が演じている。ちょいちょい出てくる中西学にも注目だ。