水族館で働くシンチョンは、妻を亡くしてから、自閉症の息子と二人で暮らしてきた。息子のターフーは既に21歳となり、公的な施設への入所は難しい。だがある日、シンチョン自身が末期ガンで余命いくばくもないことがわかる。一度は、ターフーと死ぬことを考えるシンチョンだが、失敗する。そして、自分が死んでしまっても、ターフーが普通に暮らしていける環境を整えたい。そう願うシンチョンは、ターフーが一人で生活していけるように、丁寧に丁寧に日常を過ごしていく。
息子を愛してやまない平凡な父と、父のことが大好きな息子の日常を描いた物語。淡々と流れる日常だからこそ、胸を打つ。“天堂”は“天国”を意味する。
映画に登場する人は、いい人ばかり。障害者がかかえる問題は、答えがなく、終わりもないのであろうが、この映画はただ、一つの家族の物語として捉えたい。周りの人の力を借りながら、ターフーは成長していくが、その関係と距離感が絶妙である。
脚本・監督は『北京のヴァイオリン』の脚本を担当したシュエ・シャオルー。シンチョンを演じるのはジェット・リー。アクション俳優としてハリウッドでも有名な彼が 、ヒーローではない普通の父役を演じているのが驚きだ。アクション俳優とは思えない、その演技に注目である。そして、自閉症のターフーを演じるのは、ウェン・ジャン。この映画を特別なものとしてでなく、さりげない日常を描いたものだと思わせるのは、彼の存在が大きい。名作と言える1本。
第13回上海国際映画祭メディア部門 最優秀作品賞、新人監督賞(シュエ・シャオルー)、主演男優賞(ウェン・ジャン)を受賞した作品。
息子を愛してやまない平凡な父と、父のことが大好きな息子の日常を描いた物語。淡々と流れる日常だからこそ、胸を打つ。“天堂”は“天国”を意味する。
映画に登場する人は、いい人ばかり。障害者がかかえる問題は、答えがなく、終わりもないのであろうが、この映画はただ、一つの家族の物語として捉えたい。周りの人の力を借りながら、ターフーは成長していくが、その関係と距離感が絶妙である。
脚本・監督は『北京のヴァイオリン』の脚本を担当したシュエ・シャオルー。シンチョンを演じるのはジェット・リー。アクション俳優としてハリウッドでも有名な彼が 、ヒーローではない普通の父役を演じているのが驚きだ。アクション俳優とは思えない、その演技に注目である。そして、自閉症のターフーを演じるのは、ウェン・ジャン。この映画を特別なものとしてでなく、さりげない日常を描いたものだと思わせるのは、彼の存在が大きい。名作と言える1本。
第13回上海国際映画祭メディア部門 最優秀作品賞、新人監督賞(シュエ・シャオルー)、主演男優賞(ウェン・ジャン)を受賞した作品。