夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「グランプリ」(韓国)

2010年11月28日 12時47分22秒 | Weblog
 ドラマ「IRIS」のキム・テヒがその後に選んだ作品がこれ。キレ者の諜報員だったドラマとは違い、レース中の事故で馬を安楽死させてしまい、挫折を味わう騎手を演じる。
 韓流なので、展開さえ面白ければ何が起こってもOKという気持ちで観よう。馬が空港の滑走路を走ったりとか。競馬そのものに関することとか。細かいツッコミはなしということで。
 安楽死した競争馬の遺骨を持って済州島を訪れたジュンヒ。彼女はそこで青年・ウジュと出会う。ウジュはジュンヒが滞在中の牧場とはライバルにある牧場主の息子で、日本で騎手をしていたが、ジュンヒと似たような立場にあった。ウジュに支えられながら、自信を取り戻していったジュンヒは夢だった韓国最高峰のレース「グランプリ」を目指す。
 ジュンヒが乗る馬とウジュが乗る馬の血統が、ライバル牧場主同士の因縁に繋がっている。その描き方も韓国流だ。
 
 キム・テヒのはじけた笑顔がみどころ。ウジュには、ヤン・ドングン。監督は「IRIS」のヤン・ユンホ。脇を固める人たちは、日本でもお馴染みのベテラン俳優たちだ。
(11月27日から11月30日まで「2010 大阪韓国映画週間」シネマート心斎橋にて 料金は1000円)

「女の子ものがたり」(DVD)

2010年11月17日 17時15分45秒 | Weblog
 大人になってから、ふと子どものころのエピソードや学校での出来事などを思い出すことはないだろうか?この作品は、大人になってから子ども時代を回顧する。自分の軌跡をたどることで、人生を見つめ直し、再生していく。子ども時代の日常や体験がメインストーリー。そのときの子どもたちの悩みや、出来事に共感することだろう。都会ではない、田舎の子どもたちの閉塞感がやるせない。『女の子ものがたり』なので、当然、女子目線のエピソード。いろいろあっても精一杯生きようともがくけど、うまくいかないないということは子どもでもよくあることなのだ。
 漫画家の高原菜都美は、最近は売れない恋愛ものの物語ばかりを書いている。生活も昼間からお酒を飲むなど、自堕落だ。新しく担当になった編集者・財前に、原稿を早く書くようにせっつかれる菜都美だが、行き詰まりを感じていて、書けずにいた。そんなとき、子どもの時のことを思い出し、自分の原点を見つけ出していく。
 菜都美には故郷の愛媛に二人の親友がいた。いつも一緒にいた3人だが、いよいよ離ればなれになる時がやってくる。なぜ、子どものころを思い出すのか、なぜいまスランプで書けないのかは、最後にわかる。
 このところ、立て続けに原作がドラマ化や映画化されている西原理恵子だが、この作品も彼女の原作である。押し付けがましくなく、アラサー、アラフォー世代へのメッセージが伝わる。というのが、映像化される要因となっているのであろう。
 漫画家になった高原菜都美を演じるのは深津絵里。主人公の少女時代を演じるのはハリウッド映画『SAYURI』の出演で話題となった大後寿々花や、「ちびまる子ちゃん」の森迫永依と、子役も芸達者だ。監督は『子猫の涙』の森岡利行。新米編集者には、活躍が著しい福士誠治。(2009年)

「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」

2010年11月14日 18時17分21秒 | Weblog
 すでにテレビドラマ化されたことのある原作を今回は映画化したもの。ドラマとは、設定が変わっている。裁判員制度が始まり、一般人が裁判に参加するようになったが、そもそも裁判そのものを見る機会がなかなかない。この映画で法廷の一部をのぞけるかも?

 売れないライター南波タモツは、映画プロデューサーの須藤光子に『愛と感動の裁判劇』の脚本の依頼をされる。そこで、裁判の傍聴を始める南波だったが、まずどの法廷を傍聴すればいいかもわかず戸惑う。しかし、裁判所に通ううち、南波は傍聴マニアとなっていく。そして、傍聴マニア仲間とある事件に関わることになり、ある“ミラクル”を起こそうとする。
 果たして南波は『愛と感動の裁判劇』の脚本をつくることはできるのか?“ミラクル”は起こるのか?オチを考えながら見てみたい。
 いかにも小資本な映画ではあるのだが、そこはアイデア勝負。主演にバナナマンの設楽統をもってきているだけあって、テンポもいい。裁判の中身もいろいろあることがわかる。ニュースになるような大きな出来事ばかりを裁いているわけではないのだ、当たり前のことだが。
 上映時間が長くないので、ただ映画を楽しむのには最適。へ~、っと思うこともあるかも。裁判員ではなく、傍聴で裁判に参加してみたい、というありきたりの感想も一つ。
 傍聴席が満席になる美人検事に片瀬那奈。映画プロデューサーには鈴木砂羽。

「桜田門外ノ変」

2010年11月07日 22時13分17秒 | Weblog
 いま、円熟期を迎えたとも言える大沢たかおが主演。人気ドラマでは、現代に生きる医師が、江戸時代にワープしていた。設定は江戸時代に生きる現代人。この作品ではまさに、江戸時代に生きる幕末の武士を演じる。
 開国だ、攘夷だと騒ぐようになった幕末。ペリーが来航し、和親条約を結んだことが発端となり、桜田門外にて大老・井伊直弼が暗殺される。事件に関わったのは関鉄之介を始めとする首謀者の水戸藩士(桜田十八士)、水戸脱藩17名と薩摩藩士1名。だが、信じていた薩摩藩には裏切られ、彼らは孤立する。この映画は、桜田門外ノ変のあとの藩士たちのその後を追う。関鉄之助は、幕府からだけでなく、かつて同胞だった水戸藩からも追われることになっていく。井伊直弼の首を取れば、日本の未来が開けると信じて疑わなかった者たち。しかし結局、歴史は薩摩藩と長州藩が同盟を組み、明治維持へと進む。映画の冒頭は、国会議事堂から桜田門を、ラストは桜田門から国会議事堂へカメラは動く。この映画が語りたいものは、それに尽きるだろう。国会議事堂と桜田門は目と鼻の先にある。
 井伊直弼のことについては、とかく悪く語られることが多い。しかし、日本の行く末を人一倍考えて行動していたのも事実なのだ。今年は「桜田門外ノ変」から150年に当たる。事変当時の天候は雪。雪景色という情緒的な背景に決闘による鮮血がにじむ。それが物悲しさを感じさせる。
 関鉄之介には大沢たかお。水戸藩主の徳川斉昭には、北大路欣也が扮する。鉄之介と行動をともにする藩士には、西村雅彦、生瀬勝久、柄本明など。鉄之介の妻・ふさには長谷川京子、鉄之介とふさの子ども誠一郎は加藤清史郎。監督は、『男たちの大和/YAMATO』などの佐藤純彌。

「雷桜」

2010年11月01日 21時02分27秒 | Weblog
 今、注目の若手俳優の一人・岡田将生と、実力派人気女優の蒼井優の共演で話題の今作。将軍家に生まれた斉道と、人里離れた山奥で武骨な男に育てられた娘の叶わぬ恋の話。時代劇の公開が多い今年だが、この作品はラブストーリー。
 将軍の息子として生きるのが辛く、心を患ってしまった斉道と、瀬田山の“天狗”として恐れられている雷。出会うはずのない男女が出会い、一目で恋に落ちる。しかし、自由な恋愛などなかった時代に、身分差のあるその恋が実を結ぶことは考えられず、許されなかった。そして、別れの時はやってきて…。

 
 ラブストーリとは言え、時代劇の要素は詰まっている。主従関係、将軍とその子の関係、身分差。男女の関係…など。また、藩主や藩を守ることは、侍の身分を守ること。そのためには、切腹することも辞さない。いや、切腹することはある意味、美学でもある。ということを交えながら、裏切りと復讐も描く。
 相手の立場に立つということはどういうことか。どのように人を想うか。人としてどのように生きるのか、をとらえたい。ラストまでの流れが自然で、邦画らしい終わり方と言えるかもしれない。桜を画面の真ん中に映し出す映像も日本的である。
 雷の兄で、斉道の家臣・助次郎を演じるのは小出恵介。御用人の榎戸角之進には柄本明。雷の父に時任三郎。監督は、『余命1か月の花嫁』などの廣木隆一。