夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『ソロモンの偽証 前篇・事件』

2015年03月25日 10時20分38秒 | Weblog
原作はご存知のとおり、宮部みゆきの大ベストセラー。

いくつかの点で映画と原作の違いはあるが、まず冒頭で大人になって中学生教師となったヒロインが母校に赴任してくる場面だ。お~原作はあれやん!ってとこから始まる

同級生の柏木の遺体を見つけるのもヒロインで、これが校内裁判を開くことにつながっていく。原作よりも、その流れが自然だ。また、藤野涼子を第一発見者とすることで、物語の核が彼女であると観客に提示している。

12月25日、男子生徒の野田と登校した藤野涼子は、裏門で同じクラスの柏木の遺体を発見する。あまりの衝撃に動揺する生徒たち。事件を荒立てたくない校長。しかし、柏木は不良グループに殺された、自分はその現場を目撃した…という旨の『告発状』が校長らに4通送られてくる。それを嗅ぎつけたマスコミが興味本位に報道。生徒たちが巻き込まれていく
自分たちで真実を知りたい…藤野は仲間を募り、校内裁判を行うことを決める。

前篇は判事、検事、陪審員が集まったところまで。本格的な校内裁判は後篇へ続く。『ソロモンの偽証  後篇・裁判』は4月11日公開。

原作から伝わる重さより、映画の方がさわやかな印象を受けた。生徒たちのキャストには、それとわかる有名人がいないので、余計なことが頭に浮かばず見やすい。監督は『八日目の蝉』の成島 出。

学生やその世代の親にぜひ観てほしい。

『悼む人』

2015年03月13日 10時25分17秒 | Weblog
死 について、概念的でちょっと難しい内容にみえて、映画を見慣れない人にはとっつき憎い映画かもしれない。
ただ、なんとなく知らないうちに見入ってしまい、ハタと何かを感じる不思議な映画である。これまで、狂気の役が多かった高良健吾がこの作品では死者を悼む人を演じていることに注目したい。
石田ゆり子は原作のファンで、映画への出演が叶った。

死者を悼むために、全国を回る坂築静人。ある場所にきたとき、重い過去を持つ女性と静人は出会う。

ラストは、ファンタジックで堤幸彦監督らしい。静人の母を演じる大竹しのぶの存在感は半端ないものだ(^^)
原作は天童荒太の同名小説。

原作を読んでいなくても、一冊の本を読んだどっしりとした感覚が押し寄せる。

『味園ユニバース』

2015年03月06日 08時39分24秒 | Weblog
特にジャニーズファンではないが、おそらく渋谷すばるは、ジャニーズ事務所では1番歌がうまいのではないか…そう思わされるに十分の歌声だった。舞台は、大阪の繁華街で昭和の時代を彩ってきた〝味園〟。ノスタルジックな映像と大阪のごちゃごちゃした町並みがマッチする。

ある公園で開かれた赤犬というバンドの音楽祭に、1人の男が紛れ込み、とつぜん「古い日記」を歌い出す。その衝撃的な迫力ある歌いっぷりに赤犬のマネジャーカスミは驚く。歌い終わり、倒れ落ちた男を家に連れ帰ったカスミは、男が記憶喪失であることを知る。

男をポチオと名付けたカスミは、ポチオをメインボーカルとしてコンサートを開こうと計画するが、ポチオにはある過去があった。

 主演のポチオを演じるのは、歌以外の仕事を断ってきた関ジャニ∞の渋谷すばる。ポチオを見出し、赤犬のマネージャーを演じるのは二階堂ふみ。渋谷の少ないセリフを二階堂がカバーし、ストーリーテラーのような役割を担う。渋谷は、やんちゃな雰囲気そのままの姿を見せている。共演はほかに、鈴木紗理奈、川原克己(天竺鼠)、赤犬など。監督は『リンダ リンダ リンダ』『苦役列車』など、独特の世界観を持つ山下敦弘。

ラストで渋谷の歌う「記憶」は、この映画の内容を表現するかのような歌詞となっていて、最大の見せ場である。いい雰囲気があるラスト。

ただ、ちょっとストーリーにインパクトがなかったかも。うまく落としどころがあればよかったのに。