夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『DESTINY 鎌倉ものがたり』(試写会)

2017年11月28日 09時26分10秒 | Weblog

 『ALWAYS三丁目の夕日』の原作者・西岸良平と監督・山崎貴のコラボが再び。西岸氏のロングセラーコミックの映画化。VFXのトップ技術者でもある山崎監督は、「物語ありきのVFX。VFXを見せるための映画づくりはあり得ない」とインタビューで語っているが、この作品は先端技術と物語が本当にぴったりはまる。あまりにぴったり過ぎて、使いたくない言葉だが、感動すら覚える。魔物や幽霊などがたくさん出てくる話でもあり、奇想天外な冒険ファンタジー。家族で楽しめる映画である。超大作、お金かかってます

鎌倉に住むミステリー小説家である一色正和は年の離れた亜希子を妻に迎える。人間だけでなく、怪物や妖怪も共存している鎌倉に亜希子は驚くが、楽しく生活していた。

そんなある日、亜希子の魂が抜け、黄泉の世界へ行ってしまう。そのことを知った正和は、最愛の妻・亜希子を連れ戻すため、黄泉の世界へと向かう。

正和は黄泉の世界から亜希子を救い出し、現世に無事に戻ることはできるのか?

タイトルの”DESTINY”とは、”運命”という意味。その言葉が意味するものとは?答えは、あそこに…ある。

一色正和を演じるのは堺雅人。なんでも器用に演じてなりきれる実力はすでに周知の事実。妻の亜希子は高畑充希が演じる。朝ドラ以降はテレビでもお馴染みではあるが、特筆すべきところは舞台で培われてきた彼女の演技力。お菓子を食べる、泣きながら顔を覆う、その指先までものすごく神経が行き届いていて、うまい。堺雅人と、年の離れた夫婦役も違和感なしなのである。

堤真一、薬師丸ひろ子、三浦友和といった”三丁目の夕日”でお馴染みのメンバーのほかに、安藤サクラ、中村玉緒、市川実日子、ムロツヨシなども出演している。

また、田中泯は貧乏神として出演しているが、本人はこの役のオファーをもらって楽しく演じたとのこと。貧乏神の活躍を最後まで見落とさないように

 

(平成29年12月9日公開)

 


『火花』(試写会)

2017年11月21日 09時31分23秒 | Weblog

 

漫才師ピースの芥川賞作家・又吉直樹の原作「火花」を映画化。監督・脚本は又吉の先輩芸人である板尾創路がつとめた。主演は、関西出身でネイティブな関西弁を話せる菅田将暉と桐谷健太という考えらえる中での、最大限の配役となっている。

漫才の世界に飛び込んだものの結果を出せないままの芸人たち。厳しいお笑いの世界で切磋琢磨する若者たちの青春群像劇。

熱海の営業で余興をする漫才師スパークスの徳永と山下。そこで徳永は、あほんだらという漫才師の神谷の存在を知る。型破りな漫才をしようとする神谷に徳永は弟子入りしたいと申し出る。

 

平成の売れない漫才師の話なのだが、そこはかと流れる昭和感。ノスタルジーな映像の雰囲気。昭和世代の板尾監督の感性だから?

そして、主題歌はビートたけしの「浅草キッド」でさらに昭和感となる。この主題歌を菅田将暉と桐谷健太が歌っているので、贅沢。二人とも器用で才能豊か。「浅草キッド」そのものもいい歌

この二人なくして、この映画はない。

繰り返されるアップが中心のアングル。周りとの対比がないので、退廃していく雰囲気も弱い。長編を2時間でまとめないといけないので、原作やドラマを見ていた人はコンビのラスト漫才でも笑えない、泣けない評価となるかもしれない。

そんな演出の力不足を、演者が引っ張る。菅田将暉のうまさと桐谷健太のウザさに加点する。共演は木村文乃。菅田将暉の相方には実際の漫才師である二丁拳銃の川谷修士、桐谷健太の相方を元芸人の三浦誠己が演じた。

とりあえず、菅田将暉を見るのみ。映画は映画監督が撮ればいい。

 

 


『泥棒役者』

2017年11月19日 00時32分13秒 | Weblog

昔の仲間に脅されて、泥棒をすることになり、一軒の豪邸に忍びこんだ元泥棒のはじめ。
しかし、彼は屋敷のなかで、「豪邸の主」「絵本作家」「編集者」と次々に間違えられてしまう。
流れから、はじめは正体がバレないように話を合わせて「役」を演じることになる。
だが、いよいよ限界がやってきて…。

元泥棒の大貫はじめを演じるのは関ジャニ∞の丸山隆平。その恋人には高畑充希。
豪邸の主人で絵本作家の前園俊太郎には市村正親、はじめの泥棒仲間の宮川大輔などが出演している。

東京から初日舞台挨拶の中継がある上映回にて鑑賞。キャストの市村正親や高畑充希が、丸山隆平が初主演であることを祝う言葉を述べるなか、編集者(本物の)役を演じた石橋杏奈は「ひょんなことからこの作品に関われた」と言い、笑いが起こっていた。清水富美加が撮影前に降板。そのことを語ったと思われるが、キャストたちは「救世主」
と持ち上げていた。

脚本・監督は「とと姉ちゃん」の西田征史 。そのため、高畑充希との相性の良さがある。

舞台の作品なようなシチュエーションで、会話と間の取り方が大事な内容。暗転のあと、ユースケ・サンタマリアが空気読まない感じで出てくるとか、かき回すとか役柄とキャラでいけそう雰囲気があった。
ワンシチュエーションで展開されるので、なんとなく三谷幸喜っぽさも感じられた。

市村正親の存在感がピカイチで、物語を引っ張る。
心がなく、空気の読めない役のユースケ・サンタマリアも、ぴったり。こんな役はハマる。ウザウザである。


余談…この日の舞台挨拶は計4回が予定され、最初の回のみに高畑充希が参加。あとに仕事がつかえていた。また、2回目の舞台挨拶では市村正親の子どもたちが鑑賞するということで、あるシーンを見られてしまうことに父親の威厳がなくなることを気にしていた。

また、エンドロールの真ん中でサービスカットがあり。西田監督の『小野寺の弟・小野寺の姉』を観た人はお楽しみ。

ちょっと背中を押されるストーリーだ。


展覧会 北斎ー富士を超えてー

2017年11月13日 22時48分09秒 | Weblog

 

 

 

 

10月6日~11月19日まであべのハルカス美術館にて開催中。

入場券を購入したあと、整理券に引き換えが必要。大人気で行列ができている。当日鑑賞する人は、引き換え場所にいって、すぐに整理券をもらうこと。
ちょっと親切ではない案内で、わかりづらいので注意

人の頭でよく見えないかもと覚悟していたが、順路を無視して鑑賞していいとのことで、すいたところからうまく移動していけば意外とちゃんと鑑賞することができる。

ガイドを聴いている人の後ろにいくと進まないので、ひとまずそこはパスしてもいいと思う

有名どころの作品に鑑賞ポイントをおいてもいい。

この機会に見ておきたい。

北斎の娘であるお栄(応為)の、あの有名な作品も展示されている。
あの色づかいと細やかさに目が離せない

 

 


『彼女がその名を知らない鳥たち』

2017年11月07日 09時27分36秒 | Weblog

 

「ユリゴゴロ」の沼田まほかるの小説を実写化。この人の作品を読んだことのある人なら、おそらく一筋縄ではいかない展開があることがわかるかと思う。

北原十和子は、15歳年上の佐野陣治(阿部サダヲ)と同居し、彼の稼ぎに依存しながらも、下品で地位も金もない佐野をさげすみ、家庭のある男と関係を持つ自堕落な生活を送っている。

彼女は、8年前に別れた黒崎を忘れられずにいた。

そんな折、十和子は刑事から黒崎が5年前から失踪していることを知らされる。

十和子は、佐野がその件に関わっているのではないかと疑う…。

 

ほのかなイメージの恋愛ものでもなく、大金がつぎ込まれたエンターテイメント系でもない。〝名作〟とも呼べないが、何かに引きずられ見入る。

この作品は、今年の中の〝クセ〟のある一本。

ラストでは多くの鳥が飛び立つ。これまでのシーンと重ねて、明るい未来があると思いたい。

笑いどころや痛快な場面はない。蒼井優と阿部サダヲは〝共感できない映画〟と評していたが、確かに、共感できるポイントはない。通好みではあるが、難しかったり、意味不明とかそういう類のもではない。ぜひとも鑑賞してほしい。

蒼井優は、つかみどころがない役どころ。だが、この不思議な感覚の役を演じさせると、さすがだと思う。ダルい雰囲気で何を考えているのかわからない女。それをやらせたら天下一品だ。

阿部サダヲも気持ち悪いキャラを好演?している。

十和子の情事の相手には松坂桃李、十和子が愛し続ける黒崎を竹野内豊がつとめている。イケメンなのに、共にクズな男を演じているのがミソ。

監督は『凶悪』の白石和彌。

 

 

ポスター画像