夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『柳家花緑独演会』

2012年01月29日 17時19分17秒 | Weblog
 恒例の、大阪での独演会。今回は、古典落語の御披露目…ではなく、創作物を御披露目。一人コントのような、落語のような。服も着物ではなく、洋服。そして、座布団ではなくイスに腰掛けて…。今社会で話題になっていること、花緑が気になることを、花緑的視点で語るという試み。
 演目は、子役の運命を悲喜劇風に描いた「大女優」。謝罪のコンサルタントに謝罪のノウハウを教わる「謝罪指南」。災害被災地のボランティアへの恋心を描く「揺れる想い」。
 中入り後は、“はやぶさ”を花緑が演じる「はじめてのおつかい」。
 最前列の真ん中の席で鑑賞。花緑のチャレンジ精神を認めつつも、古典も聴きたい!という思いが…
(シアター・ドラマシティにて)

『ヒミズ』

2012年01月23日 22時56分23秒 | Weblog
 『冷たい熱帯魚』『恋の罪』で今、大注目の園 子温監督。今作は、園監督の最新作で、第64回ベネチア国際映画際で新人俳優賞を受賞した。
 人間関係が濃密。人間がもつ裏側を描くことで、表側をあぶり出すのが園監督の特徴と言えるだろう。美しい映像も、美しくて聞きやすい言葉のやりとりもなし。感情も言葉も“むきだし”である分、どっしりくる。濃~い2時間10分だ。
 住田祐一の家は、貸しボート屋を細々と営んでいる。祐一の家の周りには、大震災の影響を受けた人たちなどがホームレスとなり、暮らしていたが、祐一は嫌がることなく、受け入れていた。
 祐一の父は600万円の借金を作って行方不明となり、母は愛人を引き入れている。しかし、そんな母も「がんばってね!」と書いただけの置き手紙を残して出て行った。
 祐一の中学のクラスメートの茶沢景子は、祐一に好意を持ち、ほとんどストーカーとも言えるほど、祐一を追いかけていた。明るく、悩みの一つもないように見える景子だが、彼女の家もまた、崩壊していた。
 そして、ある事件をきっかけに、祐一と景子の時間が動き出す。 
 “ヒミズ”とは、もぐらを意味する。もぐらのように地下に潜って生きることになった人々の、凄まじい生き様を見る。生きていくための、善と悪とは?
 東日本大震災の映像が取り入れられた。何もないところから、どう始めるか。生きている人はどう生きるのか、を表現していると思われる。
 祐一を演じるのは、染谷将太。クラスメートの景子には、二階堂ふみ。園監督だけでなく、フレッシュな二人にも注目だ。原作は、古谷実の同名コミックである。
 園監督が今注目される理由が、わかる気がする。作品としては『冷たい熱帯魚』が鮮烈な印象。決して、大衆向けではないけれど。

舞台『90ミニッツ』

2012年01月15日 13時04分26秒 | Weblog
 三谷幸喜脚本・演出。出演は西村雅彦と近藤芳正。
 三谷幸喜作品の舞台にはお馴染みの二人だ。通ごのみの出演者にシンプルな内容。演者が二人がお互いの呼吸がわかっているからこその、セリフ回し。間合いの取り方も絶妙なのである。
 息子が交通事故に遭い、意識不明に陥っている。命を救うためには、手術するしかなく、輸血が必要だ。しかし、患者の父は宗教上の理由で輸血を拒否。どうしても手術をして命を救いたい医者は、輸血しないで手術をしてほしいという患者の父を、説得しようと試みる。
 生きることの意味とは?倫理観とは?
宗教上の価値観を越えて、出された一つの結論とは?上演時間は“90分”。
 シリアスな話なのに、ウェットに富んでもいる、コメディ作品だけに終わらない、三谷幸喜の真骨頂と言える作品である。
 これで90分飽きさせず、時間がもつのがすごい。
(シアタードラマシティにて)
 

『ALWAYS 3丁目の夕日’64』(試写会)

2012年01月12日 10時13分44秒 | Weblog
 5年ぶりに公開される『ALWAYS 3丁目の夕日』シリーズ。今回のタイトルは『ALWAYS 3丁目の夕日’64』。ガッツリ昭和で、ギャグも植木等とかで…。涙あり、笑いあり。昭和時代の背景や人間関係が懐かしく感じる。東京オリンピックが開催された1964年が舞台。日本は高度成長期にあり、めざましい経済発展を遂げる。敗戦からの復興。それは、大震災の被災地、東北への復興のメッセージとも感じとれる。
 鈴木オートでは、六子が後輩に指導する立場になっている。しかし、六子は最近、みんなに内緒でちょっとおめかしをして出かけている。好きな人ができたのか?相手はどんな人?と町内では噂になる。
 六子の交際を知ることになった鈴木オート社長の則文は、怒る。社長にとっては六子は実の娘も同然。だからこそ、相手の男にわけもなく怒ってしまい…。
 一方、茶川は妻のヒロミが妊娠中でまもなく出産というのに、連載している小説の評判が良くない。小料理屋を営むヒロミに食べさせてもらっているとも言える状態。そんな中、何ということか、新人作家の台頭もあり、茶川の連載は終わることとなる。自分を陥れた新人作家は誰?どんなヤツ?と、イライラする日が続いている。新作のアイデアも浮かばない。そして、真実を知ったとき、茶川のとる方法とは。
 しかし、何気ない日常に追われながら、にぎやかに1日は過ぎていくのである。
 夫婦役をしている薬師丸ひろ子と堤真一は1964年生まれ。子どものころはまだ、映画の背景を感じることができた世代。薬師丸ひろ子をデビュー当時から知っていると、この母役がちょっと複雑であり、感慨深かったり、昔日の感があったり…する。いやしかし、控え目な演技で助演ぶりを発揮されると、大人になったなぁ…とか思うもので、そんなこと当たり前なのに。
 小雪が演じるヒロミは、「巨人の星」の明子おねえちゃん的で、そこにも昭和を感じる。
 生活は、ちょっと不便なくらいの方が生きるのに一生懸命になる。今は携帯ですぐに連絡ができたり、すぐに会いに行けたり、便利過ぎるので、必死さに欠けている。またこの時代、まだ他人の生活にも踏み込んでおせっかいをしているし、危ない遊びをしている子には他人でも注意をしていた。今は、そんなことをしたら、警察に通報されかねない。時代はすっかり変わってしまった。昭和も遠くになってしまったのか…。
 ちょっと映画の中の話は出来過ぎ。出来過ぎな展開が好きかどうかだが、てんこもりな方がこの映画らしいかも。
 出演はこれまでのシリーズと同じ。茶川竜之介に吉岡秀隆、鈴木則文に堤真一。竜之介の妻に小雪、則文の妻トモエには薬師丸ひろ子。そして、今回の主役の位置にある六子には、堀北真希。六子の彼を演じるのは森山未來である。あとは大きくなった子役たちと、おなじみの3丁目メンバー。雑誌の担当者は、大森南朋である。監督は、山崎貴。山崎監督が得意の技術を生かし、今作は3D上映となっている。
(1月21日公開)

『山本五十六』

2012年01月09日 11時29分45秒 | Weblog
 1939年(昭和14年)、日独伊三国同盟の締結は成立せず、山本五十六は連合艦隊司令長官は旗艦「長門」に着任する。同時に、ドイツは欧州で快進撃が始まる。
 そして1940年9月、ついに三国同盟が締結。それから一年後の1941年(昭和16年)12月8日、ハワイ真珠湾攻撃は決行された。指揮を執ったのは、山本五十六。その戦争は、勝つためのものではなく、早く戦争を終わらせるためのものだった。
 山本五十六の家族の食事シーンに注目。山本五十六その人の人柄を表す一つの場面で、グッとくる。
 小椋桂の主題歌がストレートな歌詞で、わかりやすい。映画の余韻とともに、最後まで視聴を。
 現場と本部の危機に対する意識の違い 、情報に対する認識不足が悲劇を招く。