2020年の台湾映画『1秒先の彼女』をリメイクし、舞台を京都に移して男女のキャラクター
設定を逆転させたラブストーリー。周囲よりワンテンポ早い男性とワンテンポ遅い女性の“消
えた1日”を描く。監督は山下敦弘、脚本は宮藤官九郎。岡田将生、清原果耶のダブル主演と
いう豪華さ。
郵便局で働くハジメ(岡田将生)は、何をするにも人よりワンテンポ早い。そのハジメがあ
る日、路上ミュージシャンの桜子に出会い一目惚れ。勇気を出して花火大会に行く約束を取
りつけたものの、当日、目覚めると“翌日”になっていた。
一方、ハジメのいる郵便局で毎日84円切手を買うレイカはいつもワンテンポ遅い。だが、“消
えた1日”のカギをレイカが握っていることを知ったハジメは、ある過去について調べようと動
く。
果たして、1秒先を行く彼と、1秒遅れる彼女が、ピタリのタイミングで出会うことができる
のか?
岡田将生以外は関西方面のキャストで揃えている。岡田将生は勢いよく話す関西ことばに頑張
っているので、そこは許してあげて
彼と彼女の視点を変えて描かれる物語は、テンポ良く進む。さすがはクドカン。飽きさせない
展開だ。京都の有名観光地が出てくるのもホッとするところ。そして、山下敦弘監督お得意の
青春賛歌でもある。オチとなる名前の“仕掛け”が日本らしい。
ハジメの両親を加藤雅也と羽野晶紀が演じている。ハジメの妹を松本妃代、その彼氏を朝井大
智。“消えた1日“に巻き込まれるバスの運転手を荒川良々が演じる。そして、ラジオDJと写真屋
の店主を担当しているのは笑福亭笑瓶。この役がハジメに寄り添い、ポイントとなる。