『64-ロクヨン-前編』の続き。前編は、群馬県警の広報官三上が警察の記者クラブとの情報開示について描いていたが、それが落ち着いたところで、誘拐事件が起こる・・・で、後編へというところだった。
昭和時代最後の1週間に起きた未解決誘拐事件と、新たに発生した類似の誘拐事件の謎に迫る。
ポイントはラスト30分。NHKで放送されたラストとは違うラスト。ここから怒涛の展開といきたかったと思われる
。
警察と記者クラブ、警察内の対立、犯罪加害者と被害者および主人公の娘の行方不明問題など、重層的に描きたかったか
しかし、いろいろやりすぎてとっちらかりまくり。ぐだぐだしていて、何がやりたかったのかがわからない。消化不良。
佐藤浩市の他にもオールキャストで、記者役に瑛太をもってきておきながら、ただわがままに情報出せ出せ叫びまくるばかりで、記者そのものの信念が全編においてまったく伝わらず。
随所で出てきて物語の核になるはずの‘幸田メモ’って何?
警察幹部である奥田瑛二の役とはどう関係する?とか、わけわからん。
しかも、三上の後輩の広報官役の綾野剛や榮倉奈々といいキャラを演じられるキャストばかりなのに、その他大勢の配役みたい。そこに、その俳優でなくてもいい状態ではないの??
などなど、とにかく、いろいろ手を広げたのに、うまく回収できなかったのね感が漂いまくりだった。
佐藤浩市、緒形直人、永瀬正敏のお三方については見事な演技でしたが、演技だけでは作品として生きないのだな・・・と思った。
厳しい意見を並べたが、期待していただけに、脚本・演出の責任は大きい。
ドラマは秀作だった。