夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『64-ロクヨン-後編』

2016年06月28日 11時44分59秒 | Weblog

『64-ロクヨン-前編』の続き。前編は、群馬県警の広報官三上が警察の記者クラブとの情報開示について描いていたが、それが落ち着いたところで、誘拐事件が起こる・・・で、後編へというところだった。

 

 昭和時代最後の1週間に起きた未解決誘拐事件と、新たに発生した類似の誘拐事件の謎に迫る。

 

ポイントはラスト30分。NHKで放送されたラストとは違うラスト。ここから怒涛の展開といきたかったと思われる

警察と記者クラブ、警察内の対立、犯罪加害者と被害者および主人公の娘の行方不明問題など、重層的に描きたかったか

しかし、いろいろやりすぎてとっちらかりまくり。ぐだぐだしていて、何がやりたかったのかがわからない。消化不良。

佐藤浩市の他にもオールキャストで、記者役に瑛太をもってきておきながら、ただわがままに情報出せ出せ叫びまくるばかりで、記者そのものの信念が全編においてまったく伝わらず。

随所で出てきて物語の核になるはずの‘幸田メモ’って何?

警察幹部である奥田瑛二の役とはどう関係する?とか、わけわからん。

しかも、三上の後輩の広報官役の綾野剛や榮倉奈々といいキャラを演じられるキャストばかりなのに、その他大勢の配役みたい。そこに、その俳優でなくてもいい状態ではないの??

などなど、とにかく、いろいろ手を広げたのに、うまく回収できなかったのね感が漂いまくりだった。

佐藤浩市、緒形直人、永瀬正敏のお三方については見事な演技でしたが、演技だけでは作品として生きないのだな・・・と思った。

厳しい意見を並べたが、期待していただけに、脚本・演出の責任は大きい。

ドラマは秀作だった。


『葛城事件』

2016年06月19日 16時09分03秒 | Weblog

 

実際の凶悪事件を元に脚本された、舞台劇を映画化。加害者家族に焦点にした物語。

ストーリーが進むたびに登場人物全てに、違和感…。

苛立ち、腹が立たしさがやってくる。しかし、みんながそれぞれの価値観で真面目なのがある意味、滑稽ではある。視点を変えると非常にパロディにも見える。

すごい話。こんな展開、よく思いついたなぁ。

二度と観たくない。だが、名作。二度と観たくないが、多くの人には勧めたい。

 

金物店を営む葛城と、専業主婦の妻、サラリーマンの長男とフリーターの次男という家族。リーダーシップの強い父親の下、共に暮らしてきた家族に歪みが生まれていたが、埋められないほどのものとなっていた。

そして、事件は起こった。

 

食事のシーンがたびたび登場するが、暖かい料理を家族で囲む場面がひとつもない。家族の成り立ちはいろいろで正解はないのだろうが、みんなで作り出すものがないのがこの作品。なぜ、歪みを生み出したのだろうか?金物店の店主席から見える外の世界はごくわずか。その狭窄性が父の世界の価値観とのなってしまったのか・・・。

力のある作品で、舞台作も観てみたい!と思った。

監督・脚本は『その夜の侍』の赤堀雅秋。13年の舞台作は、大教大池田事件がモチーフとなっていたようだが、今回は秋葉原事件などを検証して物語を構築しているので、非常にリアル

 

事件を起こす男の父親に三浦友和、母親に南果歩。その息子たちに、新井浩文と若葉竜也。次男と獄中結婚する女性に田中麗奈。

因みに、田中麗奈がやった役の女性が持つ闇も気になる。この女性の背景って何だろう。というように、闇は誰にもあり、いつか転げ落ちる可能性はあるのだろう。

 大手資本の映画ではないので、劇場は探さないといけないが、ぜひ、観てほしい‼


『植物図鑑』

2016年06月10日 10時16分33秒 | Weblog

おそらく、鑑賞対象は三代目J Soul Brothersの岩田のファン。映画も岩田のMVのようでもあるのだが、全篇に亘って出演しているのは高畑充希で、物語の核。イケメン…人の好みによる…岩田の魅力を伝えようとする気持ちがビシバシあるようだが、高畑の演技の軸がぶれず、ど真ん中にあるので、この映画は成り立っていると言える。

さやか(高畑充希)は、仕事は失敗続きで彼氏もおらず、冴えない日々をおくる不動産会社に勤務するOL。

なんの変哲もない毎日を過ごしていたある日、家の前で若い男性が倒れているのを発見。樹(岩田剛典)という名前しか知らないまま同居を始めることになる。半年という期限つき。しかし、さやかは樹のことが好きになり…。

ラブストーリーであることと、人気者が出ているとで、劇場はほとんどが若い女性。キスシーンやベッドシーン…あえてこういう…では笑い声が起こっていたが、なぜだろう?結構大事なシーンだったが、若い子は自分と重ね合わせているのか?浮き足立っていたのか?

映画はどんな理由で観るかは自由なのであれだが、某朝ドラの植物つながりで。。。相手が坂口健太郎なら違う雰囲気が漂う映画になっていたかも

高畑充希はシーンごとに表情がコロコロ変わり、芸達者ぶりを発揮している。

高畑充希と岩田剛典は映画初主演。年末年始の映画賞の新人賞に名乗りをあげてくるはずだ。